本内はアイヌ語のポン・ナイ(pon-nay)、つまり”小さな沢”を意味していいます。

 

アイヌ語地名を日本語化する際に、"pon"に「の字を充てると、「小さい small」が「本物の main, major」となってしまい印象がだいぶ変わってしまいます。

 

岩手県の和賀川の支流には本内川3本あります。

北本内川、南本内川、C 本内川 (地理院地図より)

 

A. 一本目は、北上線の和賀仙人駅の近くに北側からそそぐ北本内川です。

この川は「川」というよりも「沢」に近く、大変狭くか細い林道が一本通っているのみです。

国土地理院2.5万分の1地形図「和賀仙人」(平成14年) より

 

和賀仙人駅 左上の山が欠けた部分が北本内川

 

北本内川林道を行くが、途中で行きどまり


北本内川

 

途中に堰がある

 

北本内川合流後の和賀川

 

 

B.2本目は、北上線・湯田錦秋湖駅付近に南側から注ぐ南本内川です。

 

南本内川の谷は比較的開けていて人家もところどころにあります。

北本内川と南本内川(国土5万分の1地形図「川尻」より)

 

南本内川

 

川幅は広い

 

河原でキャンプする人がいた

 

 

C. 3本目の本内川はやや上流、岩手県道1号線に沿った旧沢内村(現西和賀町)の小盆地内を東流して和賀側に注ぐ川です。

2.5万図 新町 平成26年 より

 

盆地内を東流する本内川

 

 

県道に架かる本内橋

 

さて、本内(honn-nay)が「小さい沢」なら、ペアとなるべき「大きな沢」幌内(poro-nay)があるはずであるが、和賀川流域には見つかりません。

 

大きな沢とは、実は本流の和賀川(wakka-nay)のことなのではないでしょうか?