美々(びび)っていい地名ですね。北海道千歳市の最南部あります。
もともとは、アイヌ語で"pet-pet"、「小さい川が集まるところ」という意味の地名です。なるほど美々川源流部にあたる小さな沢が集まって美々川となって太平洋に向かいます。
千歳線旧美々駅 2017年3月4日廃止 こ線橋は撤去されている
旧美々駅ホーム 雑草が生い茂る 今は美々信号場
旧駅付近は美々川の源流
勾配ゆるやかな美々川の流れ
淀み
美々川にかかる美々橋
下流、苫小牧市植苗付近を行く雨上がりの美々川
水草が流れる
"pet-pet"という地名は、実は全道各地にあって、例えば白老町の別々、豊浦町の辯邊(べんべ)、帯広も"pet-pet"でした。
アイヌ語は清音・濁音の区別はありませんから、"pet-pet"は「ペツペツ「とも「ベツベツ」とも読めるわけです。
道南の豊浦町はもともとは"pet-pet"がなまった辨邊村(べんべむら)でした*。室蘭本線(開通時は長輪東線)の駅名も弁辺(べんべ)でした。
しかし「べんべ」または「へっぺ」は北海道弁で「女性のアソコ」、あるいは、「男女の行為」、つまり関東でいうところの「オマ〇コ」のことで、これ名まずいというので「豊浦」という芳名に変えてしまったとのことです。確かに町の名が「オマ〇コ」じゃまずいですよね。
今でも豊浦駅の東側に辨辺(ベンベ)川がながれていて流域は公園となっています。
*昭和10年に村名と駅名を「豊浦」というつまらない地名に改称。
しかし、美々に関してはアイヌ語地名の"pet-pet"に本当に良い字を当てたと思います。駅はなくなっても地名として生き残っています。
豊浦町(旧辨邊)について
陸地測量部「辨邊」(発行大正年間)駅名は「べんべ」だった
国土地理院2.5万図「豊浦」(平成20年)
町名・駅名とも豊浦に改称されているが「ベンベ川」(矢印)が残っている