< 野菜 > 春の野菜 アスパラガス その1. |  米屋の親父の独り言

< 野菜 > 春の野菜 アスパラガス その1.

 「アスパラガス」

 アスパラガスの概要
 普段私たちが食べているアスパラガスは、土から顔を出した若い茎の部分です。これを収穫せずに放っておくと、成長して細い葉のようなものがたくさん出てきます。葉に見えるものは、じつは「偽葉(仮葉)」と呼ばれる「枝」です。では葉はどこにあるかというと、「はかま」と呼ばれる三角形の部分。本来の葉は退化してあのような形になっているのです。
 アスパラガスには緑色の「グリーンアスパラガス」と、白い「ホワイトアスパラガス」がありますが、この2つは栽培法が違うだけです。ホワイトアスパラガスは日光が当たらないように栽培するため、白いまま成長します。そしてグリーンアスパラガスは日光をたくさん浴びて光合成をすることによって、きれいな緑色になるというわけです。また最近では、紫色のアスパラガスも見かけるようになりました。これはアントシアニンという色素を含んでいる品種です。
 アスパラガスの歴史
 原産地とされる南ヨーロッパからロシア南部では古くから自生していたそうです。少なくとも紀元前200年頃にはギリシャやローマで栽培が行われていて、食用のほかに薬としても利用されていたようです。その後、17世紀頃までにはヨーロッパに広く普及し、移民によってアメリカ大陸にも伝わり、アメリカでも広く栽培されるようになりました。
 日本へは江戸時代後半に観賞用として伝来。そして明治時代初期の北海道開拓にともなって食用の種子を導入しました。ただし本格的に栽培されるようになったのは1923年(大正12年)以降といわれます。当初はホワイトアスパラガスがメインでほとんどが缶詰にされていましたが、昭和40年代以降はグリーンアスパラガスが好まれるようになり、ホワイトアスパラガスは減少しました。
 アスパラガスの選び方(見分け方)
 選び方
 茎が太めでまっすぐと伸びて張りがあり、みずみずしいもの。穂先は開いておらず、ほどよく締まったものを選びましょう。鮮度が落ちていたり成長しすぎると穂先が開いて味や食感が落ちます。茎の細すぎるものや縦スジの多いものも避けましょう。
 ハカマの形は正三角形のものが生育状態がよいとされ、同じ大きさであれば重みのあるほうが良品です。
 アスパラガスの保存方法
 新聞紙などで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。あまり日持ちはしないので2~3日中に食べきりましょう。食べきれない場合はかためにゆでて冷凍します。冷凍したものは1ヶ月を目安に使いましょう。
 アスパラガスの食べ方
 炒め物、煮物、揚げ物、サラダなど
 根元1~2cmほどを切り落とし、ハカマは包丁でそぎ落とします。根元部分がかたい場合は、ピーラーなどで皮をむいておくとよいでしょう。
 ゆでる場合はお湯に塩を少し入れ、根元部分から順に入れていきます。あまりゆですぎると味も栄養も落ちてしまうので注意してください。歯ごたえが残る程度のかたさになったらお湯から出します。緑色を鮮やかに残したいなら、お湯から出したあとに冷水にさっと浸しましょう。
 天ぷらや炒め物にする場合は、下ゆでせずに生のまま調理したほうが風味よく仕上がります。
 ホワイトアスパラガスは皮がかたいので皮をピーラーで薄くむきます。ゆでるときは塩だけでなく、レモン汁も加えると白さが保たれます。またゆであがったらすぐに水につけず、ゆで汁の中につけたまま冷ますと風味がよいといわれます。
 アスパラガスの栄養と効能
 グリーン/ゆで:βカロテン当量(370mcg)、葉酸(180mcg)、カリウム(260mg)
 注目成分
 アスパラギン酸、ルチン
 期待される効能
 疲労回復、風邪予防、がん予防、高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、貧血予防
 アスパラガスには抗酸化作用のあるβカロテンや、造血作用のある葉酸、高血圧予防によいとされるカリウムなどが含まれます。
 また「アスパラギン酸」というアミノ酸も豊富に含まれています。アスパラギン酸は新陳代謝を促し疲労回復に効果があるといわれるので、スタミナアップに役立つでしょう。さらに穂先には毛細血管を強くし高血圧予防の効果があるといわれる「ルチン」が含まれています。
 なおホワイトアスパラガスよりもグリーンアスパラガスのほうが栄養価は高いです。また紫アスパラガスはがん予防によいとされるアントシアニンが多く含まれています。
 アスパラガスの種類(品種)
 グリーンアスパラガス
 アスパラガスの中で最も流通しているのがこのグリーンアスパラガスです。茎が緑色で歯ごたえがよく、甘味があって風味も豊か。店頭で品種が明記されることはほとんどありませんが、「ウェルカム」や「スーパーウェルカム」「グリーンタワー」などの品種があります。また、冬場はオーストラリアやメキシコなどからの輸入物が店頭に並びます。
 ホワイトアスパラガス
 茎も穂先も白いアスパラガス。土寄せや遮光フィルムなどで日光を当てないように栽培しているため、全体が白いまま育ちます。缶詰用に加工されたものはやわらかいですが、生のものは皮がかためなので、皮をむいてから調理するのが一般的。香りはグリーンのものより少なめで、独特の甘味とほのかな苦味があります。青果では外国産のものも多いですが、春から初夏には北海道産をはじめ国内産のものが出回ります。
 ミニアスパラガス
 グリーンアスパラガスを若いうちに収穫したもの。長さは10cmくらいで細くやわらかいので、火の通りが早くて調理しやすいのが特徴です。甘味があって食べやすくサラダやパスタなどにおすすめ。ホワイトアスパラガスのミニ版も流通量は少ないですが作られています。
 紫アスパラガス
 全体が紫色をしたアスパラガス。紫色の色素はアントシアニンなどのポリフェノールによるものです。香りがよくて甘味があり、茎はやわらかめ。鮮度がよければ生のまま食べることもできます。なお、加熱すると紫色の色素が消えて緑色になってしまいます。
 アスペルジュ・ソバージュ
 見た目はアスパラガスに似ていますが別の種類で、フランス原産の山菜の一種。アスパラガスよりも茎部分が細く、穂先はつくしに似ています。クセのない味で歯ごたえがあり、オクラのような粘りが少しあります。ヨーロッパでは春先に出回り、日本では5月頃に輸入物が少量ながら流通します。
 さぬきのめざめ
 香川県農業試験場が育成した香川県のオリジナル品種で、2005年(平成17年)に品種登録されています。さぬきのめざめはサイズが大きいのが特徴で、長いものは40〜50cmになることも。一般的なアスパラガスに比べて太さもありますが、食感はやわらかくジューシーで、甘味もあって食味良好です。
 各地の年間収穫量 アスパラガス
 おもな産地と収穫量(2023年)
 順位    都道府県    収穫量    割合(シェア)
 1 位    北海道    3,510トン     14.27 % 
 2 位    熊本県    2,270トン     9.23 % 
 3 位    佐賀県    2,250トン     9.15 % 
 4 位    栃木県    1,700トン     6.91 % 
 5 位    長崎県    1,640トン     6.67 % 
 出典:農林水産省統計
 2023年のアスパラガスの収穫量のうち最も多いのは北海道で、約3,510トンの収穫量があります。2位は約2,270トンの収穫量がある熊本県、3位は約2,250トンの収穫量がある佐賀県です。
 栽培面積・収穫量の推移
 出典:農林水産省統計
 2023年のアスパラガスの栽培面積は約4,140ヘクタール。収穫量は約2万4,600トンで、出荷量は約2万2,000トンです。
 アスパラガスの輸入先と輸入量
 輸入:外国→日本(2024年)
 順位    輸入先    輸入量    輸入額    単価(kg)
 1 位    メキシコ    4,921トン    43億8,655万円    891円
 2 位    オーストラリア    509トン    5億2,156万円    1,025円
 3 位    ペルー    176トン    2億396万円    1,160円
 4 位    フランス    45.1トン    1億4,511万円    3,217円
 5 位    韓国    26.3トン    2,569万円    976円
 出典:財務省統計
 アスパラガスは10か国から輸入されています。輸入先トップはメキシコで輸入量は約4,921トン、全体の80%以上を占めています。2位はオーストラリアの約509トンで全体の約9%程度です。3位はペルーの約176トン。4位は約45.1トンのフランスと続きます。
 アスパラガス輸入量 アスパラガス輸入額
 出典:財務省統計
 アスパラガスは海外から輸入されています。2024年の輸入量は約5,725トンで輸入額は約54億251万円です。2024年の輸入量とその前年の輸入量はほとんど変わりません。
 主要生産国(上位5か国)
 順位    生産国    生産量
 1 位    中国    743万8,233トン
 2 位    ペルー    35万6,729トン
 3 位    メキシコ    34万7,291トン
 4 位    ドイツ    11万1,900トン
 5 位    イタリア    5万1,880トン
 出典:FAOSTAT(2023年)
 アスパラガス生産の上位5か国は、中国、ペルー、メキシコ、ドイツ、イタリアです。1位の中国の生産量は年間約743万8,233トンで全体の約87%を占めています。2位のペルーは年間約35万6,729トンで全体の約4%、3位のメキシコは年間約34万7,291トンで全体の約4%です。