熱中少年。
矢野駅は2009年に改装されたみたいです。
「ねぇねぇ、3DS買ってほしいんじゃけどー」
数年前、3DSが世に出始めた頃、現在小学4年の息子が買ってほしいと言ってきた。
「よーし、わかった!・・・・・リフティングが100回できたらの」
と、上達の気配を全く感じることがなかったサッカーを一所懸命やったら買ってもいいぞと伝え、少し時間はかかったが、この夏休みの間に見事達成した。
8/11の夕方、彼のリフティングの練習に付き合いつつ、パシャパシャやった。
80回くらいまでいって、おとしてしまったときの悔しがり方、もう真っ暗だからやめようといっても「あと1回だけ」という言葉を10回以上聞きながら、一所懸命取り組む姿を記録に残した。
その日107回で見事クリアし、翌日は147回と大幅にクリアした。
熱中すれば、どんどん成長していくということを肌で感じ、ものすごく感動した。その感情にほだされた自分は、そのまま息子とともに買い物に行き、彼は念願の3DSを手に入れたのだ。
父の記憶として、39歳のお盆は息子のリフティングの練習風景が色濃く残るはずだ。
しかし、彼の、9歳のお盆の記憶はスーパーマリオと過ごしたことしか覚えていないんだろう。
その日から、彼の手元にはつねにゲーム機が、足元には、なにもなくなっていた。
昨日、
お盆もあけ、通常生活にもどった日、100回をクリアしたのを確認していない愛する奥様は、息子を公園に連れて行きリフティングの練習に嬉々としてつきあったらしいのだが、1週間ボールに触らなかった彼は、100回どころか30回もできない状態になっていた。
・・・・・。
お盆の1週間、彼はボールを真っすぐ丁寧に足で蹴り上げるという技術は捨て、コインをとって1UPさせることに熱中した。
結果、彼の母からは「ほんとに100回できたん?」と、疑惑の目をむけられ、「えー?できたよねー?父さん!」と、何か言ってほしそうな懇願する視線を送る息子と一緒に、「なんで買ったんよ?」と、あ、あれ?約束守っただけなんですけど?ダメでしたっけ?と、こちらにむけられている威圧的な光線をなんとか外しつつ、はははと笑いながら、銀色の缶をプシュっと開けたのだ。
ということで。