サウンドセラピーと振動の力


心身への深い影響

 私たちが日常的に接する音や振動は、聴覚のみにとどまらず、心身にまで深く影響することをご存知でしょうか…?

サウンドセラピーは、この音や周波数を利用して、健康や精神状態を整える治療法です。


バイノーラルビート

  振動を使ったセラピーでバイノーラルビートという手法があります。これは、異なる周波数の音を左右の耳で聞くことで脳波に変化をもたらし、リラックスや集中状態を促進するものです。たとえば、左耳に253Hz、右耳に250Hzの音を聴くと、その差の3Hzが脳内で生成され、デルタ波が増加します。このデルタ波は深い睡眠を促し、遺伝子修復など体の本来持つ回復システムをサポートするとされています。また、ガンマ波は高度な集中や瞑想時に活性化され、外界の動きが「スローモーションに見える」感覚につながります。トップアスリートや禅僧が高いパフォーマンスを発揮する際に観察される現象です。

~40 Hzのバイノーラルビートに対する脳の反応と

感情と記憶に対する影響



40ヘルツと脳機能

  MITの研究では、40Hzのストロボ光をアルツハイマー病のマウスに照射することで、脳内のアミロイドβの蓄積が減少し、脳の機能が回復することが示されました。この研究は、特定の周波数が脳の健康を直接改善する可能性を示しており、サウンドセラピーの科学的な基盤をさらに強化するものです。


~MITの研究~40Hzの感覚刺激がアルツハイマー病の病理に

与える影響



振動と私たちの生活

 そして、振動が身体に与える影響…というのは、研究室の中だけの事ではありません。すでに私たちの日常生活の一部になっています。子守唄は赤ちゃんを安心させ、パトカーのサイレンは緊急事態を知らせ、映画のBGMは雰囲気を演出して感動を盛り上げます。これら音としての振動は心拍や血圧、呼吸に影響を与え、私たちの身体にリアルな変化を引き起こします。

  ここでは解りやすく音と聴覚についての例でしたが、光も振動、物体も振動。よくよく考えてみれば私たちの世界はすべて振動に支えられていることがわかります。 


 感覚を超えた振動の世界

  振動は聴覚や視覚に限らず、さまざまな感覚(あるいは感覚器以外の経路)を通じて私たちと世界をつなげています。人と人、人と物、草木、動物…も振動を通じて干渉(情報を交換)し合い、コミュニケーションをとっています。このように振動の世界を捉える視点を持つと新たな認識を得ることができます。 


 振動の力を活用した未来へのアプローチ 

 そしてこの認識は私たちの概念を変え、大きな可能性を秘めた未来へとつながります。まずはサウンドセラピーや振動の力を改めて理解し始めることから、またさらにそこから発展すれば、心身の健康にもっと深く影響を及ぼす革新的なアプローチが見つかるかもしれません。

  振動が私たちに与える影響について、今後さらに探求していくことが大切だと私は信じています。





○40 Hzのバイノーラルビートに対する脳の反応と

感情と記憶に対する影響


○40Hzの感覚刺激がアルツハイマー病の病理に与える影響