「小市民シリーズ」 | 酒とミステリの日々 時々ラーメン

酒とミステリの日々 時々ラーメン

50過ぎのおっさんが、
ウイスキー・日本酒・ミステリ・SF・マンガ・ラーメンなどなど…とにかく好きなものについて自分なりの感想や紹介記事を書いていくブログです!
ツイッターもやってます!https://twitter.com/1964Okka

ども、OKKAです。

 

いよいよアニメ「小市民シリーズ」が始まりましたね!

 

 

アニメの小佐内さんめっちゃ可愛い…!

 

ということで、今回はシリーズを一挙紹介!

 

1.「春期限定いちごタルト事件」

 

 

小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、2人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に駆られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星をつかみとることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。

(Amazon紹介ページより)

 

記念すべき第1作目。主人公の2人が「互恵関係」というのが面白いですね。ちなみに互恵関係とは互いに利益を得る、または利益を与え合う関係のこと。でも周りからはどう見てもカップル認定されているのも面白い。

いわゆる「日常の謎」系の作品なんですが、主人公の小鳩君が本当はやりたくないのに探偵役をしてしまう…(まあ、それはあくまで小鳩君の『モノローグ』で言ってるだけなのですが)というのもいいですね。この小鳩君、感情をあらわにしない理性的なタイプで、一人称で綴られているので、ちょっとハードボイルド風味もあるところもまた良し。

事件はあくまで「日常で起こる範囲」なのですが、ヒロイン小佐内さんのダークな側面がちらりと見えるのがポイント。このあたりがシリーズ通しての伏線になってます。

 

お気に入り度は83点

 

2.「夏期限定トロピカルパフェ事件」

 

 

小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を! そんな高校2年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは〈小佐内スイーツセレクション・夏〉!? 待望のシリーズ第2弾。

(Amazon紹介ページより)

 

…いや、これはとんでもない…!

読み終えたときには呆然となりました。

詳細はネタバレになるから書けませんが、これ読んでショック受けない人いるのかな…。

前作でのフリ、そして今作の前半部分の微笑ましい2人のスイーツ巡り…それが全部〇〇だったとは…!!

アニメでは多分ここまでやると思うんですが、見終わった後に初見の人がどんな反応をするか知りたいですね。

 

お気に入り度は90点

 

3.「秋期限定栗きんとん事件」(上・下)

 

 

あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。学校中を二人で巡った文化祭。夜風がちょっと寒かったクリスマス。お正月には揃って初詣。ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るとは、実際、まるで思っていなかったのだ。――それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい……シリーズ第3弾。

 

ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど……ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ? 

(Amazon紹介ページより)

 

小鳩君と小佐内さんが、それぞれ他の異性と付き合い始めるという、1巻目からは想像できない展開。

物語は「小鳩君視点」と、小佐内さんの彼氏(?)である「瓜野君視点」で語られていきます。

新聞部である瓜野君が追うのは、連続放火事件。

「放火犯は誰か」「小佐内さんは関わっているのかいないのか」「2人のこれからはどうなるのか」とドキドキしながら読みました。

結果…やっぱ2人は「小市民」の枠には収まらないよなあ…。

小鳩君も小佐内さんも人の心とかないんか…。(褒めてます。)

上下巻と長めですが、1年間に及ぶ事件を描いているので、冗長さはありません。2巻目まで読んで面白いと思ったら読むべき!

 

お気に入り度は88点

 

4.「巴里マカロンの謎」

 

 

11年ぶり、シリーズ最新刊!創元推理文庫オリジナル
そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を。
謎に遭遇しがちな小佐内さんと、結局は謎解きに乗り出す小鳩君
手に手を取って小市民を目指すふたりの高校生が帰ってきました!

ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタードが入った当たりのあげパンの行方。なぜかスイーツがらみの謎に巻き込まれがちな、小鳩君と小佐内さんの探偵行。「小佐内先輩が拉致されました! 」「えっ、また」?お待たせしました、日々つつましく小市民を目指す、あの互恵関係のふたりが帰ってきます。人気シリーズ11年ぶりの最新刊、書き下ろし「花府シュークリームの謎」を含めた番外短編集。四編収録。

(Amazon紹介ページより)

 

前作からなんと11年ぶりの新作は短編集。この巻は「春期」と「夏期」の間の話で、なんか安心して読める感じでした。(春期から夏期にほぼ1年ジャンプしてるのは、この短編の構想があったからかな?)

①巴里マカロンの謎

②紐育チーズケーキの謎

③伯林あげぱんの謎

④花府シュークリームの謎

の4編で構成されています。

「パリ」「ニューヨーク」「ベルリン」「フィレンツェ」と海外の都市名が入っているのは、ちょっとクイーンの「国名シリーズ」を連想させますね。

中学生の「古城秋桜」というキャラも登場し、シリーズの中でも一番「日常の謎」してるかも。まあもちろん、このシリーズらしいビター風味もありますが。

お口直しの一品、という感じですね。

 

お気に入り度は83点

 

最終巻の「冬期限定ボンボンショコラ事件」についてはこちらを参照。

 

 

とにかく「小市民シリーズ」は面白い!まあ、小鳩君のキャラがダメ…という人は一定数いると思いますが、ミステリ的な面白さという点では、個人的には「古典部シリーズ」より好きかも。

 

アニメを契機に読んでくれる人が増えるといいなあ…。

 

ということで、シリーズ全体のお気に入り度は87点でした!