「デシート」 | 酒とミステリの日々 時々ラーメン

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ども、OKKAです。

今回読んだのは
「デシート」
(神崎和幸著 幻冬舎ルネッサンス)
です!

 


内容(「BOOK」データベースより)
巨大財閥をも揺るがした、その男がかかえた憎悪とは?卑劣きわまりない蛮行を繰り返す財閥会長・福永栄三。福永が何よりも守りたかった「巨大財閥」は、自分の恋を冒涜された探偵の完璧な策略によって終焉をむかえる。人間の欺瞞が渦巻く傑作ミステリー。


作者の神崎氏はこのブログのフォロワーになってくださってまして、そこからこの本のことを知りました。

読み始めて、まず思ったのは「冒頭から登場人物が多い」ことと「場面の入れ替わりが多い」ことです。


でも、登場人物はそれぞれが特徴的な描写をされているので、特に混乱することもなかったし、場面の入れ替わりも、「カットの多いドラマ」(「24」みたいな)を見ているようで、慣れるとそのテンポの良さが快感になってきます。

内容はネタバレになるので、書けないのですが、神崎氏がブログで
"「事件の真相は誰にも予測できないものだと
自信を持っています。」"
と書かれていたので、それなりに考えながら読みました。

…いや、確かにまったく予測できなかったです!
ラスト近くになって「え?どういうこと?」と思いました。


でも、よく読むとしっかり伏線が引いてあるんですよね。
実は、ヒロインの窓華が〇〇〇〇の〇だということは想像がついたのですが、それ以外は完全に予想外でした。やられた…。

登場人物のほぼすべてが、タイトル「デシート(欺瞞)」にあるように、何かしらの謎や隠し事を抱えているのも面白いですね。


ただ、「登場人物が本心を語っていないように見える」せいで、読者が登場人物に感情移入しにくいところもあるのではないかなと思います。
このあたりは、物語の構成上、仕方ないことなのかなとも思いますが…。

文章も簡潔で読みやすく、ラストページまで一気に読めました。

楽しい読書時間をありがとうございました。

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