日本で省エネやエコロジーが議論され始めたのは、90年代頃からだろうか。
私もプラスチックのゴミを無駄に出したくない、という意識は持っていました。
2000年からNYで就学しましたが、アメリカに行ってすぐの頃に80年の怖いNY時代から住んでいる日本人と話した時、その人はマンハッタンに住んでいて何がエコロジーだ、と言いました。
おそらく彼の趣旨は、消費とコマーシャルのマンハッタンという場所でそんな気取ったこと?甘ちゃん?はナンセンス(またはナイーブ)ということかと受け取りました。
実際マンハッタンの街は東京から行った私が驚愕する汚さだったし、あちこちに設置されている巨大なワイヤーのごみ籠からはいつもプラスチックの何かが溢れていました。
特にデリなどの食物の入れものやらスプーンやフォークが。
けれども私はそのマンハッタンの環境を守ろうというニューヨーカーたちの活動にも遭遇したことがあって。
それは海洋生物学者たちとダイバー(ダイバーたちの名称は確かThe Urban Divers)たちによる、ニューヨーク周辺の河川や海の生態系を守ろうと立ち上げた非営利団体。
彼らの活動アピールの場、意識が高くお金に余裕もあり、それゆえにスポンサーになってくれる人たちを募るために開いたパーティーに、友人が連れていってくれたのです。
ハドソン川沿いのダウンタウン、倉庫だった空間を改装したスタジオが開催場所。
集まっていたのは身なりの良い年齢高めの人々です。
オーガニックのフィンガーフードとワインが用意されていて、ビデオやスライドで活動内容が紹介される中、水中カメラを持ったダイバーたちがハドソン川に潜るライブ中継もありました。
さらにはスタジオ内にNY周辺の海洋動植物が飼育されている水槽が並ぶアイルがあって、係のスタッフがツアーをしてくれる。
今思い出したのは、生バンドも入っていたこと。そのひとつはシター、インドのギターソロ演奏でした。
知的好奇心を満足させて、お洒落な場所で食と音楽などのセンスも刺激する演出に、なんだか流石だな、NYだなぁと感心しました。
彼らの活動はきらびやかでお洒落な面ばかりでないことはもちろん、何より援助をしてくれるスポンサーが必要。
そして彼らの活動エリアは、ニューヨーク。
それをよく理解しているパーティーだった。
NYCダウンタウンのヨーガ・コミュニティー。
カフェではヴィーガンミールも食べられる。
私は今でもサステナビリティやエコロジー、気候変動を意識していますが、自分たちが良しとしないものに際立った活動をしている個のグループまたは団体に支持はしていません。
熱い思いもあるけれど、以前よりもっと自分や家族という小単位の為にしていることが増えている。
ラップを使うけれど食品に糊が付かないものにする、梅干しは自分で作ろう、など極めて利己的なエコロジー。
社会全体を考えて、という所には居ません。
とはいえやはり多少はポリティカル、自分が口にしているものを知りたいという理由からGMOラベリングなどにも反応はします。
添加物表記とGMOラベリングの以前の記事はこちらから↓
ポリティカルではなくとも、知ってしまったらもうダメだというものは増えていきます。
例えば、
大好きなカカオは、児童労働搾取問題があるからフェアトレードのものしか購入しない。
森林とオランウータンを滅亡に追いやる道を行くパーム油とそれが使われているものを避ける。
養殖所を設置した場が汚れて使えなくなったら次々に移動し、ネイティブの生活の場と海を荒らしているチリ産のサーモンや鮭は買わない、など。
年々気温が上がっていく夏も不安だし、北海道でブリが獲れるといった世界の異常な変化もほんとうに不気味。
政治的に闘っているプロテスタントたちに文句はないし、リスペクトもします。
ですが最終的にたどり着く場所、目的が同じだとしても手段に共感するのは簡単ではない。
私はできることをやっていく。
言うまでもなく。もちろん、そうするしかない。
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