呉善花の著書の中に、日本文化に魅せられた彼女が最後までどうしても理解できなかった生け花の美しさについて書いてあるものがあります。

 

ちなみに彼女の著書のタイトル「チマパラム」はチマ(スカート)とパラム(風)を組み合わせた造語で、女たちが騒ぐ=ウーマンパワーという意味だったのが、最近の韓国では教育ママのことを示すようになったそう。

 

それも、子供のソウル大学入学に全てを捧げる、筋金入りの教育ママのことみたいです。

 

私は米国に留学する前にこの本を読んでいて、親しくなった韓国人の友人ウンジュにこの本のことを話したら、タイトルは言い得て妙といった反応をしていました。

 

あの頃の韓国女子留学生たちはほとんどが真っ黒なロングヘアで、茶色にカラーリングしている子たちもごく少数いたけれど、学期が終わって帰省する時は黒く染めて戻るんだと言っていました。

 

リベラルなアートスクールなのでキャンパスには彩々色の頭たちが行きかい、ブラックの間ではアフロが流行っていて、私も銀色のメッシュが入ったワインレッドや緑の頭をしていました。

 

今Kポップのファッションでは金髪もごく普通にいるので、時代が変わったなぁと感じます。

 

 

 

茅乃舎本店前の豪華な生け枝。

 

 

呉善花氏の生け花の話に戻すと、彼女自身韓国華道の修道者であり、その趣は全く違うのだそう。

 

韓国の生け花はハレであり、豪華に華やかに花を飾り、360度回って何処から見ても同じに仕上げる。

飾る場所も床の間のような日本の生け花とは違うのだろうと思われますが。

 

長いこと日本の生け花に魅かれることなかったある日、そのアシンメトリーな姿から彼女が受け取った感覚は「不安」でした。

 

そして「不安は優しいのだ」と感じます。

 

そこからは美があふれてきて彼女を圧倒し、日本の生け花の魅力が分かったとありました。

 

私は日本人としてワビサビとは何か、という質問を受けたことが少なからずあるのですが、その時も今もうまく説明できるとは思いません。

 

それは自分の感覚的に、真に理解していないからかもしれません。

 

アートには見方(あるいは分かり方?)があってスクールではそれを教えるのですが、私はある日メトロポリタン・ミュージアムに行って衝撃的だったことがあります。

 

印象派の部屋に入った時に、全てのキャンパスから光があふれ出ていました。

 

授業で印象派の勉強をした後というわけではなかったのですが、それまでとは全然違う感覚が絵画だけではなく彫刻や写真からも感じるようになりました。

 

呉善花氏の日本の生け花の美の理解は、まさしく彼女が自分の感覚から生み出したもの。

 

スクールで学んだ私とは違いますが、その後自分に起こった衝撃を経験した私にはとても共感できるエピソードなのです。

 

 

 

 

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