アーユルヴェーダ研究者の上馬場和夫氏に学んでいる友人が、先生から興味深い記事を教えてもらった、とリンクを貼ってくれました。

 

「サンスクリット語でマントラを暗唱すると、脳灰白質が増加することが明らかに」

 

以前ナダヨガ(声のヨガ)のWSを受けましたが、インドの音楽学校を卒業した講師の方が"サンスクリット語は発音が正しくないとマントラを唱えてもあまり効果はない"、とおっしゃっていました。

その時私は、そうか。でも例えば般若心経なんかはインド→中国→日本に渡るまで随分発音は変化しただろうし、それでも御利益あるのだからなぁ~、などと思ったのですが、やはりサンスクリット語の音には特別なものがあるようです。

サンスクリット語から英語に翻訳する際に、脳の認知力が「深くシフト」することに気づいた翻訳者たち。それに興味を持ったスペインのバスク認知脳言語センターの研究チームが、サンスクリット語に日常的に関わる人たちの脳の灰白質の増加、音を司る右側の海馬の拡大などを確認しました。
詳しくはリンク先をお読みください(こちらから)。

 

 

sahanavavatu

 

ナダヨガ参加の時のハンドアウト。

シャンティ・マントラのひとつ「サハナ・ババトゥ」は、学びが始まる前に唱えるもの。

 

 

ところで灰白質ですが、いったいどういったもので、多いとなぜいいのでしょうか。

うつ病患者の脳は委縮していて灰白質の量が少ない、頻繁にビデオゲームしていると灰白質が大きくなる、脳の健康維持のためには運動が効果的で、活動的な人は灰白質の量が多い、などなど聞こえてきますが。

 

漢字が苦手な私は、まず読み方から。かいはくしつ、と読みます。以下「1年生の解剖学辞典」から抜粋します。(引用はこちら

 灰白質とは、脳や脊髄などの中枢神経系の組織のうち、神経細胞の細胞体がたくさん集まっている場所のこと。神経細胞体のない場所は、白質という。脳や脊髄では、神経細胞はどこにでもあるわけではなく、決まった場所に集まっている(→ 灰白質)。それ以外の場所には、神経細胞から伸びる神経線維がたばになって通っている(→ 白質)。中枢神経系の神経組織は、このどちらかのパターンでできている。

 

 脳を切断して断面を見ると、光を反射して白く明るくみえる部分と、比較的暗く、灰色に見える部分とがある。この見た目の色の違いが灰白質、白質の名前の由来。灰色に見える部分を拡大すると、神経細胞体が集まっていることがわかった。

 

神経細胞の集まりですね。灰白質は脊椎動物の中枢神経系にあり、人が最も発達しています。

 

おもしろい一言も載ってました。アガサ・クリスティーの名探偵エルキュール・ポアロがよく言うセリフに、「私の灰色の脳細胞が活動をはじめた」というものがあるようで。

これは"脳の灰白質にある細胞"、つまり神経細胞のことを洒落ているのだそう。ポアロはパートナーが大好きでよく観ていますが、知ってるのかな~。

 

ベルギーのゲント大学の研究者たちによるゲーム好きな人々の脳調査では、感情と行動の相互作用に影響する、腹側線条体と呼ばれる場所に占める灰白質の割合が大きいという結果が出ました。

この腹側線条体の機能は"中毒行動を促す最重要候補"であるようですので、この場合の灰白質の増大は必ずしも良い方向にいくとはいえませんが。

 

うつ病を患っている場合の脳の委縮は、神経細胞層の体積が減っていくことが原因のようですが、アルツハイマー病など認知症の発現に関係しているのは、脳の松果体の石灰化だという記事も読みました(こちら)。

 

脳の健康維持は誰しも考えること。サンスクリット語が脳にもたらす効果に加え、他にもヨーガ修練者に明るい研究結果が出ています。ハーバード大学の研究チームによる8週間のマインドフルネス瞑想が脳にもたらす影響の調査では、継続的な瞑想習慣が灰白質量を変化させることを証明しました(こちら)。

 

瞑想プログラム参加者たちの脳内の、記憶、自己認知、共感、ストレスに関連する領域に、MRIによる測定可能なほどの変化が見られました。幸福感を感じるなどポジティブな効果もあり、不安や恐怖を感じるなど、ストレスに関わる部位の灰白質量は減少するようです。

先に書いたゲーム中毒になる恐れもそうですが、場所によっては灰白質量は多ければ良い、というわけではないのですね。

 

意を決してサンスクリット語を習うのはヨーガ修練者にとってもハードルが高いですが、アーサナの名前を覚えていったり、お気に入りのマントラを見つけたりといったことから始めると入りやすいと思います。

 

ヴィーラバドラーサナなど、神話に関連した名前もありますが、アーサナの名称は意外に単純で覚えやすいものが多いです。長いものでも例えば、ウッティタハスタ・パーダングシュターサナ(utthita hasta padangusthasana)、utthita=伸ばした、hasta=手、pada=足、angusth=親指、とポーズの形態そのものを説明しています。

 

いよいよ来週金曜日から始まる谷戸康洋先生のYYWSの「ヴァガバッド・ギーター集中講座」では、チャンティングが上達するようサンスクリット語の発生・発音についても少し細かく学びます。
ギーターをチャンティングしたい!と思った方も、是非ご参加お待ちしています。

 

 

 


☆谷戸先生に学ぶバガヴァッド・ギーター 3hr☆
日にち:6月29日(金) 9:30~12:30
参加費:6,000円

南インドミールスランチは残席1となりました。
☆谷戸先生とオキシャンティの南インド・ミールスランチ☆
日にち:6月29日(金) 12:50~13:50
参加費:1,000円
場所:オキシャンティ・ヨーガスタジオ

お問い合わせ・お申し込みはメールでお待ちしています。
okishanti@gmail.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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