中村尚人先生はヨーガ講師でもあるので、FRP(ファンクショナル・ローラーピラティス)のエクササイズはアーサナの要素がたくさん取り入れられています。

 

今月WSにいらしてくれるマスタートレーナーの由布子先生もヨーガ講師ですが、FRPエクササイズをするとアーサナが変わる、と言っていました。実際私の経験からもそれは感じます。

 

肩甲骨と上腕を繋ぎ、前鋸筋からの力を伝えるスキャプラプレーン(肩甲帯の組織化)は、チャトランガやアームバランス系のアーサナでの効率的な体の使い方を理解させてくれるし、上半身が遊びがちな戦士のポーズに気づきを与えます。

 

体の使い方は同じではありませんが、全身へのアウエアネスなど、時としてとてもヨーガ的な部分を感じるピラティスですが、ヨーガをやる者にとって面白いのが、正しい姿勢で立つときのアライメントです。

 

ヨーガでは起立したポーズの時に下から上へ構築していくことが多いと思います。私もクラスでタダーサナ(山のポーズ)で立つ時に、「親指の付け根(母指球)、小指の付け根(小指球)、踵の3点でしっかりマットを踏んで立ちます。」と指導します。「踏み返してくる床の感覚を感じてみましょう。」などと言ったりもします。

 

ハタヨーガでは地にしっかり足をつける、今ここにいる感覚を感じ取り、心を安定させることに繋がる"グラウンディング"がひとつの重要な要素であり、私もそのグラウンディングを意識した立位のポーズのリードを心掛けています。

 

対照的にピラティスでは、正しい姿勢のアライメントは"目線"が最重要で、そこから足裏へと、"上から下"へ構築していくのです。

 

 

 

クラスが終わると参加者全員の伸長が伸びている、FRPレッスン。

 

 

エロンゲーション=軸の伸長は、ピラティスの基本原理のひとつですが、医学的にいう「抗重力進展活動」とほぼ同意で、重力に対して内側の筋肉、インナーマッスルを働かせ、体を垂直に持ち上げます。

 

エロンゲーションは頭部、体幹、足部という順に重要で、それを人間の発達過程でも説明しているのを引用しますと(中村尚人著:病状別ファンクショナル・ローラーピラティス)、

 

首が座る→体幹が安定し、寝返りや座位がとれる→つかまり立ちから立位

 

といったように上から下に向かって抗重力的な働きを獲得していきます。足のアーチの発達はもっと時間がかかり、だいたい4歳から6歳頃に完成するようです。

 

尚人先生によると、足から形作り徐々に上を乗せていく方法は効果はあるだろうが、発達の視点からは矛盾を感じるとのことです。

正しい姿勢のカギは体の上部に位置する頭部、その頭部の位置を決める"目線"が重要なのです。

 

体は視る方向、下、上、横、遠くなど視線に対応して体幹、下肢がバランスをとるため、上部は下部に大きな影響を与えます。頭が左右に揺れるだけで、足部の重心位置は正中から大きくずれ、筋肉や靭帯にストレスがかかる。これが習慣化すると、アライメントの崩れに慣れていきます。

 

重力が上から下へ働いている以上、頭部がバランスの中枢であり、天に向かって垂直に伸ばしておくのが、正しい直立姿勢のアライメントの基本です。

 

心身の多くの病状の原因が姿勢にあると考えられ、健康で生活するための正しい姿勢はとても大切です。生活習慣など体の使い方の癖によって崩れていくため、姿勢を意識的に観察し修正することが必要になってきます。

 

5時間集中講座の午前中は「正しい姿勢を作るためのヨガ&ピラティス」、正しい姿勢の知識をしっかりと持ち、重要なポイント抑えながらそこに導くためのアーサナとピラティスを行っていきます。

 

ヨーガしている方は、いつもと違った感覚の直立姿勢、新鮮な感覚のタダーサナを経験できることでしょう。

 

 

☆5時間集中講座:午前中「正しい姿勢を作るためのヨガ&ピラティス」☆
120分の集中講座。正しい姿勢だと、疲れづらい・楽…などと良いことが多いですが、本当に正しい姿勢とは何でしょう?
正しい姿勢の知識をしっかりと持ち、重要なポイント抑えながらそこに導くためのヨガやピラティスを行っていきます。
●日にち: 3月24日(土) 10:00~12:00
●参加費: 4,000円(午後クラスと同時受講9,000円)
*完全予約制
 

午後は「アーサナを深めるための解剖学&椅子ヨガ by関節機能ヨガ」。

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