微笑みの人、ティク・ナット・ハン師が今日95歳で亡くなりました。
数年前からの居住地、ベトナムのフエにある、タイが自らの修行を始めた慈孝寺にて永眠されました。
マインドフルネスの提唱者ティク・ナット・ハン師は、ベトナム戦争終結後もその大きな影響力のため母国に入国を許可されず、長年フランスのプラムビレッジで暮らしていました。
人生の終わりに生まれた国の、幼年期から仏道に入った場所で過ごすことができたのは良かったのだと思います。
タイの著書の一つ「マインドフルの奇跡―今ここにほほえむ (からだの冒険こころの冒険)」。
この本には、マインドフルネスに生きるための実践の手引きがたくさん書かれています。
絶版ゆえ、沖縄市図書館に所蔵している施設を探してもらい、そこから取り寄せていただいて読みました。
最初のエピソードで、アランという友人との会話が出てきます。
アランにはまだ世話が必要な幼い子供が二人いて、彼はその子供たちとの時間と妻と過ごす時間以外を、自分の時間と考えていました。
でもある時から、子供の世話をしている時も、家事を手伝っている時も、妻と過ごしている時間も、全てが自分の時間なのだと思うようになったと、タイに語ります。
英訳者のまえがきによると、本書の由来は、タイが「Engaged Buddhism(社会に関わる仏教、行動する仏教)」の活動の一環として創始した、南ベトナム社会奉仕青年学校で指導に当たっていた親友クァンに送った手紙だそうです。
ほんとうに語りかけてくるような内容の本です。
「いま、ここ」の意識を保つマインドフルネスの状態へ導くための瞑想。それは息を、覚醒しながらすること。
生きることは、息ること。
アメリカの社会心理学者でヴィパッサナー瞑想指導者であるラリー・ローゼンバーグの著書、「呼吸による癒し」は、タイの伝えてきた覚醒して呼吸する、を多方面から書いています。
リトリートも開催している彼の元にはタイの友人のアランのかつてのように、瞑想に参加している時間と、日常の生活を別に考えている人たちも多く集まってきます。
気づきが一度ですめばいいのですが、忘れてしまう私たち。
ティク・ナット・ハン禅師のお言葉より。
心をとどめるとは、自分を取り戻す奇跡であるともいえます。
マインドフルとは、ばらばらになった心をたちまちのうちに
呼び戻し、再びまとめ上げる奇跡です。
そうしてこそ、人生の一瞬一瞬を
充分に生きることができるようになるのです。
今日から六日間の早朝瞑想始まりました。毎日こころを新たにする気持ちで過ごします。
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