台風15号が来沖した先週末2日間は、バリ島ウブドゥからいらしたSAYURI先生のローフードWSに行ってきました。ローフード+オーガニック食材や調理器具を販売している北中城LLMP 主催のローフード基本のクラスです。4クラス参加して、美味しくポジティブなエネルギーに溢れた素敵な時間を過ごしました。


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ズッキーニ・パスタとドライ+フレッシュトマトのマリネラソース。カシューチーズをトッピング。
チアシードが入ったヒマワリとかぼちゃの種のピザクラストにもよく合いました。


シンギングとクリスタルボール、シター・ギターも弾きたいしアロマも魅かれるし...。いろいろ興味のあることは多いのですが、ヨーガ周辺だけでもアーユルヴェーダ、キリタンとマントラ、解剖学、サーンキャ哲学とスートラ、釈迦尊の教えやチベット密教など勉強することが膨大にあり、安易に手を出して増やさないように気をつけているのですが、料理は最優先順位で学んでいます。
私はきびしく菜食ではありませんが、マクロビオティックとベジタリアンフード、特にローフードは大好きです。あなたはあなたが食べているものそのものだ、と言われますが食物と食事が体に与える影響はもちろんのこと、精神への影響も大きいです。定期的に開催していますbio cafe清流舎とのコラボレーション「食事瞑想」では、終わった後の参加者の方々のお顔が違うのがはっきり判ります。私たちの美と健康への欲求は限りなく、例えば基礎化粧品も漢方的なものから最先端バイオテクノロジーに基づくものなど様々なものがありますが、肌は排泄器官であるため吸収はしない事を考えると、やはり食物摂取が一番の近道ではないだろうかと思われるのです。

マクロビオティックはタオイズム、道教の考え方をベースに食物を陰と陽に分類し、食事を取る者の性質や状態を踏まえた上で中庸に持ってゆくのが基本ですが、ローフードはアメリカ生れらしく栄養学的な情報がたくさんあって面白いです。例えば主な食材のひとつであるナッツですが、調理前にどうして水に漬けるのか、そして漬けなくてもいい種類はなぜなのか。ローフードは酵素の摂取を最大の目的としていますが、ナッツや種は酵素抑制作用を持つものが多く、それらから酵素を取り込むためには水に浸して消化しやすいようにする必要があります。松の実、マカデミア、カシューなどはそれがほとんど無いため、漬けなくともよいようです。

SAYURI先生は博識でいろいろなお話も楽しく、抗がん作用や免疫機能の向上、ホルモンのバランスを整えるなど身体機能を正常にする作用を持つアダプトゲン・ハーブのひとつ、「霊芝エキス」を使ったキャラメルシェイクを作った時には、キノコ類は廃棄物を吸って生きているのでほとんど生で食してはいけないのだと話してくれました。放射能などの濃度が高い地域ではどんどん増えていくのだそうです。汚染された空気にキノコが大量発生する絵を想像するとかなり不気味なイメージですが。オイスター・マッシュルーム、NYでいつも大きなシメジのようだと思っていたキノコは生ではほとんど毒なのだとも教わりました。霊芝はれいしと読み、マンネンタケ科のキノコで中国医学ではトップに位置する自然治療薬で、不老不死のキノコと呼ばれるそうです。


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バニラとチアシードのポリッヂ。タピオカのような食感です。


脳と血液の栄養と言われる「レシチン」やインカの金と呼ばれるペルーの果実、「ルクマ」のパウダー、10倍以上の水を吸収する水溶性繊維の豊富な「チア シード」など、初めての食材を使いながらいろいろ勉強になりました。ローは上昇するエネルギーで覚醒するとのことで、2日目の朝のクラスでは前夜眠れなかった人がいるかと聞いていました。私はワインを美味しくいただいて就寝しましたが、すっきり目覚めました。ちょっともったいなかったかも知れませんが。

「あの暑さは油が無いと乗り切れないから」、と衣がたっぷりの沖縄天ぷらを肯定した方に会ったことがありますが、マクロビオティックは揚げ物が多く、沖縄の夏には少し重いと感じます。ローフードも非加熱ですがココナッツオイルなどの上質な植物油をたくさん使用しますし、何より主食のナッツ類や種子も油です。ですが肥満の原因は脂肪だけではない事を知り、沖縄の肥満事情が俄然説得力を持つものになりました。
グリーンスムージを広めたヴィクトリア・ブーテンコ氏によると、高い酸性の食物を摂取することによって、人間の体はその酸を蓄えるために脂肪を作り出します。アーモンドの脂肪分は70%、豚肉は58%でアーモンドの方が脂質は高いのですが、Ph値で見ると豚肉は-38と最も酸性度指数が高い食品のひとつで、これはパルメジャンチーズを上まります(アーモンドは+3のアルカリ性)。NYでもポークを"The Other White Meat"として赤い肉より健康だ、とするキャンペーン広告を地下鉄で見かけたことがありましたが、体重増加は脂肪摂取が最大の原因ではないのです。高い酸性に加えて脂肪も多い豚肉を調理する沖縄料理ですが、以前は脂をしっかり落としていたその手間を、昨今は省くことも多いと聞きます。肥満度が男性で全国一の沖縄の現実を見ると、食への意識がもう少し高まって欲しいと思うのですが。

あらゆる食文化には尊敬の念を持っていますし、動物性食物摂取を殺生だ、とする気持ちもありません。味気のない菜食も寂しいし、美味しいものが食べたい!というパッションから、マクロビ/ベジ料理が苦手なパートナーにも旨いと食してもらえるよう、あれこれ工夫しています。それでも私のマクロビ・スイーツは彼に不評なのですが、クラスのひとつは楽しみにしていたロー・スイーツでした。


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寒天粉やアガーのように加熱しなくても固めてくれる、アイリッシュ・モスという海草を使って作ったチョコレートムースはオイルを使ってないのにとても濃厚で、しばらくチョコレートケーキはいいなと思ったくらいです。ロー・チョコレートを食べたことがおありでしょうか。例えオーガニックであろうと、他のチョコレートが食べられなくなるほどの美味です。カカオの味が引き立ち、味覚が喜びを感じているように刺激されます。今回食べたカカオを使ったスイーツたちも素材それぞれが生きていると感じられる美味しさでした。

という感じで、私の料理への思いは美味しいものを食べたいという単純な、しかも煩悩的な欲求からきています。美味しく、心身が健康でいられたらもっと素敵です。できる範囲で良質の食事を取れる日々に深く感謝します。



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