パキタの季節。 | フナバシクワガタ 2

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自然と戯れるのが大好きな「640(むしお)」のブログ。

■7月下旬の話 埼玉県

「毎年恒例」にしたいと思うくらい、好きなカミキリ。
パキタ(キベリカタビロハナカミキリ)の季節がやってきた。

自己初採集種のカミキリを採りたいと思いつつも、
このカミキリをまた採集したくなって出かけてしまう。

ノーマルタイプはいくつか採集できているので、
やはりクサマイタイプやタマヌキイタイプを採集したい。

しかし今回は、夕方から予定が入っているため、
そんなタイプが多くいる地域に出かけるほど、時間的余裕がない。
帰路の時間を考えると午前中か、どんなに頑張っても午後1時くらいが限界かな。

で、例によって前乗り。
仕事終わりにそのまま現地近くまで行って仮眠して、それから採集。
余裕を持って寝られると思ったら、仕事が長引いて出発が遅れ、
仮眠場所に着いたのは午前2時を回っていた。
暑くて寝苦しくて、しっかり睡眠がとれず、あっという間に6時となって、
準備して7時過ぎ、現地に向かった。

8時頃現着。

良い天気。


そして誰もいない。

一昨年来たときも誰もいなかったな。
ここは以前ほど多産しなくなったようなので、来る虫屋さんもあまりいないのかな。

さて、支度して徒歩で林道を行く。
前回採集している場所まで、途中の花も掬いつつ、
寄り道しながらだいたい1時間くらいかな。

ポイントに向けて歩き始めるが、
まずは最初に目についたノリウツギを掬ってみる。

なんかいっぱいいる。
普通種オンリーだが、これだけたくさんいると嬉しくなる。
カミキリムシをはじめたばかりの頃だったら鼻血が出るくらい興奮したかも。
えっと、画像は…無い。

 

まず最初に確保したのは…


キスジトラカミキリ

なんか黄筋が白っぽいので確保した。


林道にはイケマが蔓延っていて、
試しにあれがいないか掬ってみる。
一昨年来たときはまったく入らなかったので、
今回も、どうせいないだろう、と思っていたら…いた。

ホソツツリンゴカミキリ
手に取って写真を撮ろうとしたら、
ポロッと落ちてそのままどこかへ飛んでいった。
凹みつつ林道を進む。

しかし今年はトンボが多い。
何度かここに来ているが、こんなに多いのは初めてだ。

しばらくして実績のあるノリウツギに到着。
ここと、次と、その先と、3箇所がメインのポイントだ。

目視では大きなシルエットは確認できないが、とりあえず掬ってみる。
ヨツスジハナ、フタスジハナ、ヤツボシハナ、ニンフホソハナがわんさか入る。
パキタなし。

あ、イケマの群落だ。


ダメ元でまた掬ってみると、また入った。


ホソツツリンゴカミキリ
これも追加が欲しかったんだ。
さきほど逃げられたけどチャラになった。

別の場所でも掬ってみると、そこでも入った。

ホソツツリンゴカミキリ
交尾個体。

掬えば掬うだけ採れそうなくらい網に入った。
数えると8頭になったので、ここで止めた。

 

さて、3つ目のポイントに到着。

ノリウツギ
ここが一番花付きが良い。

遠目に見てもムシがたくさん飛び交っているのが見えるので、
ここをメインに張り込んでみる。

ヨツスジハナやフタスジハナ、ヤツボシハナの飛型は、
スリムなのでスルーしても良い。
ちょっと大きめに見えたり、赤っぽいのはネットに入れて確認してみる。
赤っぽい=ジャコウホソハナやベニバハナ、オオハナ等
これらはここでこの時期採っているので、追加が採れたら嬉しいのでチェックする。
大きめのはパキタの可能性があるので、見落としたくない。

ちょうど目線の先にあるノリウツギに、大きめのが止まったので、
もしやと、慎重にネットを添えて、そっと揺らして落とす。
ドキドキしながら、竿を縮めて網の中を覗く。
それっぽいのがちらっと見えたが、大きいツヤケシハナではあるまいな。


キベリカタビロハナカミキリ
間違いなかった。
かなり嬉しい1頭だ。

最近思うように狙ったムシが採れていなかったので、
ようやく結果が出て、嬉しいと同時に安堵した。
 

自宅でも撮影。


この個体は黄縁の黄色いラインがちょっと短めかな。


再度大きいのが止まった花をそっと掬うと、何か入った。

ブチヒゲハナカミキリ
これも好きなカミキリ。
エリトラの模様が様々で面白い。

ちょっと気分転換で2つ目のノリウツギを見に行く。


上の方の花に何か黒い影が見えたので掬ってみる。


ブチヒゲハナカミキリ
やった、追加が得られた。
ペアが揃ったのも嬉しい。

一昨年ジュウニキボシが採れたハリギリも掬ってみたが、
こちらは空振りに終わった。

周囲の花の様子はと言うと、
ノリウツギが最盛期で、リョウブもたくさん咲いている。
それに、ヤマウルシやタラノキも花をつけている。
これだけたくさん花があっても、カミキリムシはノリウツギに一番集まっている。
よほどお気に入りの花なんだな。

日陰に咲くノリウツギを掬うと、またちょっと種類が変わってくる。
ピドニアやホソハナカミキリの類が多く入る。

そんな中で持ち帰ったのはこの種のみ。

ハコネホソハナカミキリ

同定のため腹側も確認。

 

こっちはメス。

ハコネホソハナカミキリ

同定のため腹側も確認。


今回ニセハコネがいないかもチェックしていたが、それはいなかった。

3つ目のノリウツギに戻り、また張り込み開始。

今度は赤い大きいのが止まったのが見えたので、そっと掬ってみる。
イガブチヒゲハナのメスだ!と思ったら違った。


アカハナカミキリ
大きい。
この大きさのは見たことがない。
21mmもあった。
図鑑では~23mmとあるので、もっと大きいのもいるんだな。

網の中には他にもいた。

ヤマトヨツスジハナカミキリ
これも嬉しいカミキリだ。
ヨツスジハナよりもちょっと小柄。

 

その後こんなのも。


アオカミキリ

ここで時々採れるけど、採れたら嬉しいカミキリだ。

 

林道に落ちている枯れ枝からはこれが落ちた。

ヒトオビアラゲカミキリ

ちょっと大きい気がしたので、一瞬違う種かと思った。


そろそろタイムリミットが近づいてきた。
ちょうど曇りがちになってきたし、良い頃合いかもしれない。

最後にひと掬い。

コウヤホソハナカミキリ
やけにスリムなヤマトヨツスジハナだな、と一瞬思ってしまったが違った。
東京西部の山で採った個体よりもエリトラの斑紋がしっかり出ている気がする。

大きいのも入った。

オオヨツスジハナカミキリ
飛型が独特過ぎて面白い。
お尻に特徴があるので、飛んでいてもすぐに分かる。

 

カミキリムシ以外もちょっと持ち帰った。

オオトラフハナムグリ

ケースの中で肢がもげたようだ。残念。

 

オオトラフハナムグリ

ちょくちょく網に入っていたので、ペアで持ち帰った。

 

オオトラフハナムグリだけかと思っていたが、

ちょっと見た目が違うのもいた。

ジュウシチホシハナムグリ

これは初採集のハナムグリ。

最後の最後でひとつ確保したが、もしかしたらもっと網に入っていたのかも。

どうせならペアで確保したかったな。

 

花を掬いつつ、クルマまで戻って帰路につく。

13時には現地を出発でき、予定通り夕方には帰宅できた。

 

カミキリムシの自己初採集は無かったが、

たくさんのカミキリムシを見ることができた。

網に入ったり、目視で確認したり、

認識できたのは以下27種だった。

 

・キベリカタビロハナカミキリ

・ブチヒゲハナカミキリ

・アカハナカミキリ

・クロルリハナカミキリ

・ヨツスジハナカミキリ

・オオヨツスジハナカミキリ

・ヤマトヨツスジハナカミキリ

・フタスジハナカミキリ

・ヤツボシハナカミキリ

・コウヤホソハナカミキリ

・ニンフホソハナカミキリ

・ハコネホソハナカミキリ

・ヒゲジロハナカミキリ

・ツヤケシハナカミキリ

・カラカネハナカミキリ

・キヌツヤハナカミキリ

・ホンドアオバホソハナカミキリ

・チャイロヒメハナカミキリ

・オオヒメハナカミキリ

・カグヤヒメハナカミキリ

・ムネアカヨコモンヒメハナカミキリ

・アオカミキリ

・キスジトラカミキリ

・エグリトラカミキリ

・ヒトオビアラゲカミキリ

・ヒメヒゲナガカミキリ

・ホソツツリンゴカミキリ

 

そういえば、例年必ずいた

ニョウホウホソハナはひとつも見なかったな。

ニンフホソハナも少なかったし、ハコネホソハナも前回より少なかった。

いろいろな要因があるだろうが、

ここで見られるカミキリが減っていくのは寂しいな。

 

さて、次はオオトラ探しかな。

行けるか微妙だが、去年と同じところに行けたらいいな。