【映画】名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 | 野球と映画、ときどき…

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名探偵ポアロ ベネチアの亡霊

(2023・米・103分)

原作:アガサ・クリスティ

製作・監督・主演:ケネス・プラナー

 

解き明かすのは殺人事件か超常現象か

 

美しい水上都市ベネチアを舞台に

名探偵エルキュール・ポアロが

超常現象と殺人事件の謎に挑む。

 

「オリエント急行殺人事件」や

「ナイル殺人事件」でお馴染み

ミステリーの女王

アガサ・クリスティーの作品で

今回、初めて映画化されました。

 

なぜこの時期に?公開と思ったら

舞台はハロウィンの夜だからです。

アガサ・クリスティーらしく

相変わらず登場人物全員が怪しいです。

最初から感じていた小さな違和感が

徐々に膨らみ確信に変わっていく

手腕(脚本)は、もはや名人芸です。

 

ベネチアの美しい街並みが

夜になると妖しいベールをまとい

ミステリアスな街に変貌します。

仮面・ゴンドラ・呪われた洋館。

ホラー的な要素も含みつつ

観客を妖しい世界観にいざないます。

 

これは映画向きの原作です。

小説や舞台では表せ切れない

水路や激しい嵐といった自然に

霊能者のトリック等

目で見てこそ納得できる

シーンが多いからです。

そこに映画ならではの

特殊なアングルが加わり

ポアロ同様、私たち観客も

不思議な錯覚と幻覚に襲われます。

 

一連の犯人が判明してなお

スッキリしなかった事実には

悲しい真実が隠されていました。

戦争は多くの命を奪うだけでなく

多くの人々の心も壊します。

今なぜケネス・プラナーが

このテーマに挑んだのか

理解できるような気がします。

 

「ミステリと言う勿れ」でも

描かれた幼い子供に刻まれる心の傷。

生きるためにそうしなければ

ならなかったのだけど

その結果招いた報いをどう受け止め

これから生きていくのか。

ポアロは真実を指摘しながらも

彼を否定することはしません。

彼が誰なのかは是非

映画館で確認してください。