アナと雪の女王 | 野球と映画、ときどき…

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ただ、映画鑑賞は私のライフワーク

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好奇心のおもむくまま「おきらく」に

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アナと雪の女王 2G吹替版(2013・米・103分)


原作:ハンス・アンデルセン


監督:クリス・バッグ、ジェニファー・リー


声の出演:アナ 神田沙也加、エルサ 松 たかこ


2013年度アカデミー賞 長編アニメーション賞及び主題歌賞受賞


アンデルセン「雪の女王」をモチーフに姉妹愛を描いたデイズニー最新作




もう主題歌が耳にこびりついてる。


誰かが、ありの~音譜と歌えば


誰かが、ままの~音譜と合言葉のように返しそう。


それくらい主題歌がパワフルに突出してるんですよね。


もう、松たか子さんの熱唱に


2年前の紅白の三輪明宏さんの歌唱以来の感動でございます。




ただ、私の持論ですけど


映画が小説でも舞台でもなく


それが映画たるゆえんは


やはり映像なんですよ。


いくらストーリーが斬新で心揺さぶっても


音楽が心しみいる美しい旋律であっても


その目で魅せる映像そのものに迫力がなければ


それは秀作とは言えないと思っています。


景色が美しいとかダイナミックなCGとか


役者さんの迫真の演技だけではなくて


映像の裏側に見える想像力の壁とでも言いましょうか。


理屈じゃなく流れる涙とか心のざわめき


それは恋愛に似ているかもしれない。


映画そのもの、その作品に恋したら


それがその人の秀作なんだろうと思っています。




期待しすぎて観に行かない方がいい映画だと思います。


あまりストーリーを知り過ぎて行かない方がいい映画です。


私、事前に松たか子さんの歌い上げる主題歌のMVを観すぎて


勝手に思い込んじゃってた部分があって


ありゃ?こういう場面で歌われた曲だったの?っていい意味で裏切られました。




あのMVですが空からのカメラの入り方が


「クリフハンガー」か「サウンドオブミュージック」バリに


カッコよくて「やりおったなディズニー!」と私の賞賛を得ました


(↑だからどうってことないけど)




実写でなくアニメーションでしか出せない演出をふんだんに使い


なおかつドラマチックな吹雪のシーンのこだわり。


あの吹雪はリアルすぎて思わず力が入りました。


「風立ちぬ」も大好きでどちらがいいかなんて


桜と梅を比べるようなもので優劣つけがたい。


背景や空間の妙は決してジブリも負けてないんだけど


ベンピンなのよ、アナとエルサがね(結局顔かい!)


映画館のポスター見ました?


伏し目がちなエルサの気品。


私、犯罪じゃなければポスターはがして持って帰ってました。(一応理性はある)




自戒を込めて言いますと大人って


すぐ臭いものにふたをする


と言いますか危険なものは隔離する


怪しいものは遠ざけるという態度をとりますね。


もっと言えば、都合の悪いものは見て見ぬフリをするとか。


エルサが自らの持つ力をコントロールできなかった理由は


彼女の心の中にある恐れや不安、孤独感です。


もしそこに周囲の理解や少しの我慢、チャレンジがあれば


違う展開になっていたでしょうにね。


自分が必要とされている


自分の命以上に誰かから愛されている実感があれば


彼女は早くから力をコントロールできたでしょうね。


孤独と孤立は違います。


アメイジングスパイダーマン2でも感じましたが


極端な孤独や周囲からの孤立は


自らを追い詰めて怪物化させます。


いま様々な事件で人が極端な行動に出る先には


必ずと言っていいほどの深い孤独と社会からの孤立が関係しています。


子育てでよく言われる自己肯定感、これが大事なんですね。


真実の愛が状況を変える。


それを男女の恋愛でなく肉親(家族)の愛情と言う形で


今回ドラマ化したところがディズニーにしては新鮮な展開でした。




きれいだわ~すてきだわ~


と、素直に映像を楽しんでいただければいい作品だと思います。


英語版だろうと日本語版だろうと3Gだろうと2Gだろうと関係ない。


こんなに美しくて明るくて心痛い世界があるなんて


戦争映画を見るよりリアルでちょっと考えさせられもします。