12月15日(日)この日は

南海フェリー(和歌山~徳島)で

”フェリーつるぎ”の引退と”フェリーあい”の就航がありました。

 

また、お隣の香川県では109年の歴史をもつ『宇高航路』の最終航海日でもあるという

非常に複雑な一日でもあります。

 

ワタシはこの日、徳島港で

7:35入港、8:00出航の”フェリーつるぎ”と最終対面。

そして12:50着、13:25発の”フェリーあい”と初対面。

という予定でした。

 

が、諸般の事情により”フェリーつるぎ”の営業最終航海と

”フェリーあい”の営業初航海にお供することになっちゃいました。

下が、往復チケットです。

南海フェリーには小松島港発着だった「南海汽船」の時代から

よくお世話になっていました。

この10年くらいは利用した記憶がありませんが・・・。

むねワクです

 

徳島港の直ぐ東側の水門を渡り、沖洲の灯台の付け根へ移動。

(今では、灯台とは途中で切断されていますが・・・)

そこで、”フェリーつるぎ”の入港を待ちました。

最終入港の様子です。

このペイントになる前は僚船「フェリーかつらぎ」と

外見上、見分けることができませんでした。

このペイントになって今日が初乗船。

また、最終乗船です。

 

やがて、乗船開始です。

乗船口には”フェリーあい”の就航を祝う”生花”も多く

逆に、”フェリーつるぎ”と港をつなぐ”紙テープ”は、はかなさを醸します。

 

乗船後グリーン席を確保し船内を散策。

引退を前に自販機は1台しかなく、その日本酒の自販機も販売中止の張り紙付。

 

出港前に船室中央部では引退式が開催されました。

2008年元旦「初日の出」航海に参加し「ちくわ」と「お茶」で『カンパイ』した場所です。

その時は操舵室にも入室させていただき初日の出を拝ませていただきました。

 

やがて、多くの方に見送られ、静かに徳島港から離れていきます。

直後、悲しい汽笛を何度か聞きました。

 

またカモメも別れを惜しむかのようです。

何か目頭が熱くなってきました。

 

その後、延伸工事中の高速道路建設場所を通過。

我が故郷「沖洲」の変貌に正直、たまげました。

手前の橋脚の左下には

小学生の頃、野球を楽しんだ海岸がありました。

(足場に隠れていますが・・・。)

また、途中で途切れている堤防は沖洲の灯台まで続いていました。

そして奥にかすかに見える橋のたもとでは

ヤドカリを採取。

子供の夏休みの宿題のテーマとしました。

など等。

 

その後、大鳴門橋や淡路島を眺めながら、和歌山港をめざし、東進。

その間も船内をぶらぶら。

遊歩デッキを転々。

やがて、僚船”フェリーかつらぎ”と行き違います。

ワタシたちの心情とは別にいつも通りの光景です。

別れのあいさつ”汽笛”も聞くことができませんでした。

これからも「フェリーあい」と仲よく航路を守ってください。

 

そうこうしているうちにダイヤ(10:10和歌山港着)より早く

10時前、和歌山港入港です。

”フェリーあい”との引き継ぎのため全力疾走してきたのではないでしょうか。

そして船内インフォメーション(売店)の様子です。

飲料ものは当便では全く取り扱われてなく

”おにぎり”や”スナック菓子”が少し販売されていただけでした。

更に和歌山港到着直前ではこのように・・・。

いよいよ、お別れです。

 

和歌山港に着岸。

最後の接岸風景です。

ロープが投げられ、ビットに固定されます。

 

大変な力作業です。

いつもながら命がけの作業(決して大げさではありません。)に感謝です。

これからも、お気を付けて。

そして下船。

南海電鉄和歌山港駅につながる通路にはここにも

”フェリーあい”の歓迎ムードが漂っています。

そこから、やや足早に着岸岸壁に急ぎます。

 

岸壁では、”フェリーつるぎ”最後の和歌山港離岸準備作業が粛々と進められています。

こうして”フェリーつるぎ”は和歌山港を静かに離岸していきます。

 

近くでは”フェリーあい”が寂しそうに待機しています。

”フェリーつるぎ”が離岸すると静かにお互いに挨拶をするかのように対面します。

「フェリーあい」が何か申し訳なさそうな角度で見送っているようにも感じます。

お疲れ様でした”フェリーつるぎ”

そして、こんにちは”フェリーあい”

 

 

下が、営業初便として着岸した”あい”の後ろ姿です。

当然、車両デッキに車両はありません。

 

愛って”心”を”受”けるって書くんだと

改めて字の持つ美しさが伝わってきました。

(正確にはちょっと違いますが)

 

このような船名は珍しいのではないでしょうか。

名前公募の祭、わたしは”フェリーいんでぃご”で応募しましたが落選。

少々、ふてくされましたが

南海フェリーの”お洒落さ”が伝わってきました。

 

そして後方乗船口が開かれ乗船開始。

営業初便、乗船1台目の車両は・・・。

なんと”リヤカー”。

有料乗船ではないでしょうけど

一人、受けてしまいました。

 

その後、旅客乗船口に急ぎました。

乗船口前には、長い人の列。

5分ほどし、乗船開始。

 

乗船時、バッジを頂きました。

”藍”は母なる川”吉野川”とともに

徳島の経済を支えていました。

阿摂航路は”藍”産業の繁栄により拡充してきたと聞きます。

阿紀航路と直接関係はありませんが・・・。

 

そしてすぐさま、展望デッキに移動。

冷たく美味しい空気をおなか一杯に味わいます。

やがて出航。

大よそ2時間の船旅の開始です。

こちらの港でも多くの方々が見送ってくれます。

 

当然ですが船内は真新しく、また配置は”フェリーつるぎ”と全く異なります。

客室前方にいす席が合ったり、女性専用スペースが設置されていたり、

グリーン席室は一般客室の上階に設けられ、前方の眺望を楽しむことができます。

 

そして、遊歩デッキ後部には舵のミニチュアが設置されています。

回転させることができます

その裏側にある額(?)です。

この場所からは航跡を楽しむこともできます。

 

船内を散策している間に、徳島港入港です。

右手(沖洲)側には新しくなった”オーシャン東九フェリー”乗り場、

そして、その左側にはかつて賑わっていた高速船乗り場”マリンターミナル”と続きます。

 

マリンターミナルからは高速船で和歌山港行とも結ばれていました。

出張からの帰路、乗客が私だけだったという記憶もあります。

明石大橋架橋後もしばらく頑張っていましたが2002年に廃止されました。

たしか、”あるご”だったかな。

下船後、出航時間まで徳島港で待とうかとも思いましたが

接続バス(臨時便だとか)が待機していたので一度帰宅することに・・・。

 

そして車で再び徳島港へ

ちょうど、和歌山行営業初便”フェリーあい”への乗船が開始されるところでした。

こちら上り”フェリーあい”営業初便の乗船初車両は

リヤカーでなくバイクでした。

 

ココで出港を見送ろうかとも思いましたが

先客も多く、対岸(津田側)に移動することにしました。

ちょうど、離岸し転回しだしたころに到着。

やがて建設中の高速道路現場を通過。

 

停泊中の北九州行きオーシャン東急フェリー”フェリーりつりん”とご対面です。

徳島港の新しい仲間です。

”よろしくお願いします!!”ってトコでしょうか。

 

そしてさらに紀伊水道へ。

沖洲の灯台を通過。

これからも安全なご通行を。

 

こうして”フェリーつるぎ”と”フェリーあい”の引き継ぎの旅は

完了しました。

 

お疲れ様!!ありがとう!!”フェリーつるぎ

よろしく!!”フェリーあい”