沖縄のお土産といえばちんすこう、中でも有名な 「新垣ちんすこう」 | 沖縄フードマイスターの買付日記

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沖縄のお土産のお菓子といってほとんどの方が答えるのは「ちんすこう」

でも昔(琉球王国時代)から食べられてはいるものの、基本的には王様や貴族のためであったり
中国から来ていた客人向けの高級菓子、一般の庶民が食べるなんてことはほとんどなかったようです。

しかし現在では「沖縄のお土産品」としてのポジションを確立していて
沖縄県内どこでも手に入れることができます。

その秘密はちんすこうの中でも最も有名な「新垣ちんすこう」さんにありました。
その辺りの話を含めて沖縄に来たことのある方中必ずといってよいほど見たことのある
黄色いパッケージに船のマークでおなじみの(有)新垣菓子店様に行ってきました。


沖縄フードマイスターの買付日記-新垣ちんすこう


ちんすこうは知っているが詳しく知っている人は多くはないと思いますので
ここでちんすこうについてまとめてみます。


ちんすこう(漢字表記では金楚)とは、琉球王朝時代から(琉球王国)沖縄県で作られている伝統的な菓子の1つ。
小麦粉、砂糖、ラードを主原料とした焼き菓子として知られている。
他の伝統菓子にはないビスケットのような食感と、上品な甘さが人気。

琉球王朝の後期、料理座の包丁人であった者達が冊封使の食事を賄う為に渡った中国(福州)で
習得した中国菓子と、薩摩藩の在番奉行の接遇の為に石原嘉右衛門や柳屋善太郎から
学んだ日本菓子を琉球独自の菓子として作り上げたもの。

元来は琉球王朝の王族や貴族のみが、祝い事などの時に食べることの出来るお菓子として珍重されていた。

現在のようなちんすこうになったのは、明治期に入り、首里城最後の包丁人であった
新垣淑規(新垣築登之親雲上淑規)の次男で沖縄初の菓子司である新垣菓子店(明治41年創業)創業者、
新垣淑康が明治42年頃に流行りだしたレンガ釜でちんすこうを焼いたのが最初である。

(参照:Wikipedia)

沖縄フードマイスターの買付日記-新垣ちんすこう


ちんすこうは琉球王朝時代の王族や貴族の祝い事などの時に食べるお菓子で庶民の食べ物ではありませんでした。

廃藩置県後も今のよう一般的に販売されているものでは無くもちろんお土産品でもありませんでした。

もともとちんすこうは今のような長細くギザギザの付いた形ではなく木型などで菊の模様が
入ったものなどに入れて作る「備え菓子」で40年ほど前まではこの木型を使っ作られていました。

沖縄フードマイスターの買付日記-新垣ちんすこう


木型だと型にはめてひとつずつ成形するので1日に作れる量も限られていてとても高価なものでした。

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先々代の淑扶が1975年の海洋博開催に向けて沖縄の伝統的なちんすこうを
もっとたくさんの人に知ってもらい沖縄の名物とするためにアメリカ統治下であった
沖縄で米軍の使用していたミルククッキーの型(鉄製で同時に何個も型をとれるもの)で
型抜きをして焼いたのが今一般的に販売されている細長くギザギザのあるちんすこうの原型となっています。

いまでは「ちんすこう=ギザギザの形」というのが定番ですが
この歴史を作ったのが現在の新垣ちんすこうの祖先にあたる方なんです。

販売当時は今のように個包装されて箱に入れられるというものではなく
一斗缶に入って「いっせんまちやー」(沖縄方言:駄菓子屋)で売られていたそうです。

沖縄フードマイスターの買付日記-新垣ちんすこう


大量に生産できるようになり価格も買い求めやすい価格になり、
今まで食べたことのなかったたくさんの人が食べることができ認知度が広がり、

今のように「沖縄のお土産といえばちんすこう」と誰もがイメージできるように普及しました。



ここからはちんすこうが作られるまでと(有)新垣菓子店のこだわりについて
順を追って説明していきたいと思います。


1:素材を混ぜる
まずは業務用ミキサーに小麦粉、ふるいにかけた砂糖、ラード、水のみを入れて
(プレーンの場合)全体が混ざるように混ぜ合わせます。

ここでの分量と生地の水加減が完成に大きくかかわってきますので職人さんの
経験と勘で天候、季節などを考慮して微妙な配合割合を変えたりもしています。

使っている材料がシンプルなだけに多少の配合バランスによって違いはあるものの
「素材」自体の味が完成品に出るので厳選された素材を使っている。

例えば小麦粉は米国産を使用、国産のものだと水っぽくて仕上がりがべとっとしてしまい
さくっとした食感が出しにくい部分もあり、いろいろと比べてみた結果、あえてのように
乾燥した地域でとれた米国産の小麦をを使用している。

ラードは国産、砂糖は沖縄の製糖工場のものを使用。

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2:生地作り
混ぜ合わせた素材を型どりするためにローラーで均一に伸ばしていく

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3:型抜き
伸ばした生地を専用の型で抜いていきます。
一番スタンダードな方のものはオートメーションの機械で型抜きをしています。

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それ以外の型に関しては手作業で型抜きをしています。

また黒糖、ごまなどのプレーン以外の製品を作る時には味が混じると良くないので
別の生産ラインで製造します。

型抜きして余った生地は再度ローラーで生地として使うのでほとんど歩留まりが
出ずにできるのでエコです。

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型抜きした方は焼成するためのトレーに乗せます。

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4:焼成
型抜きした生地をトレーのまま全長15メートルのベルトコンベアのついた専用のオーブンで
およそ170℃で30分ほどかけてじっくりと焼き上げます。

その日の天気や生地の状態によってオーブンの温度や焼成時間を微妙に調整しながら焼き上げます。

最初は白っぽい生地ですが、焼きあがるころには小麦色に色づき香ばしい香りがいっぱいに広がります。

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5:小麦色に色づいて焼きあがったちんすこうは冷却装置で時間をかけて冷ましていきます。
あまり急速に冷やしてしまうとわれてしまったりして小麦の香ばしさが損なわれてしますので
その日の気温や湿度などをみてベテランの職人さんが機械を調整ています。

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6:包装
冷まされたちんすこうを割れ、変形などを確認しながら用途に合わせて機械で包装していきます。
包装されたものを箱詰めの工程に移動します。

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7:箱詰め
包装されたちんすこうを入数、組み合わせ別に専用の箱に入れて種類によっては化粧紙出包装します。
この時も人の手で行いますので割れなどの最終チェックをおこないます。

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8:完成
全国の皆様から注文があったものを工場まで引き取りに行き皆さまのお手元に大切にお届けします。

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もちろん衛生的な部分もきちんと気配りしており、取材にお伺いした日も完全防備での取材となりました^^

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(有)新垣菓子店さんの工場は沖縄本島の南部の南城市というところにあり国道沿いにあるので
見たことがある方も多いかもしれません、この工場の前を通ると香ばしい香りが漂っています。

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工場からすぐのところにはこんなにきれいな海が広がっています。

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