いわ子先生より

女子大生が母親に付き添われ、救いを求めてやって来ました。何でも、この一週間、夜中になると夜ごと幽霊が出て来て彼女の首を絞めるというのです。

『このままだと本当に殺されちゃいそう』というのです。恐ろしかったことでしょう。

早速、その学生に憑いている霊を降して、事情を聴くことにしました。

ところが驚いたことに、その霊はなんと外国人の霊でした。一生懸命何かを訴えるように話しかけているのですが、私が今までに一度も耳にしたことのない外国語ですので、私には何をいっているのかさっぱりわかりません。英語でないことは確かです。大学生二人にもすぐ応援に来てもらいました。二人の学生は、『中国語でもないし、フランス語でもないし......分からない』というのです。外国人の霊はますます声を張り上げて私に訴え続けるのです。いいかげんに分かって欲しいといっているようにも思えました。とにかく、何を訴え、何をして欲しいというのでしょう。

途方にくれた私は、弘法大師様におすがりしました。ところが意外なことに、弘法大師様はめずらしく教えて下さいませんでした。

『いわ子、己の力で解決できるはず、修行なり』

とあっさりいわれてしまいました。仕方なく、また外国人の霊に挑戦です。どうも機関銃のような長い物を持ち、撃つ格好をして見せるのです。

私はまずお念仏を唱えました。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。

私は必死に唱えました。でも外国人の霊には通じるはずがありません。今度は般若心経を唱えてみました。やはりこれも外国人の霊の要求には応えられませんでした。

私は次々に"供養の言葉"を変えて見ました。まず仏教で一番尊い"光明真言"にしました。駄目でした。次はキリスト様へのお祈りの言葉を日本語で、何度も繰り返し唱えてみました。これも駄目です。

"コーレ・ゴール・ディアベルアメット"(宇宙から力を頂ける祈りの言葉)も何度も繰り返し唱えてみましたが、これも駄目でした。

それでは、あれはどうかしら...と、思いついたのが、

"オーム・マニペードム・オーム"(神様と共にありますように)でした。この"聖語"を唱えたところ、その外国人の霊は急に明るい表情になり、手をたたいたり、膝をたたいたりして大喜びです。

しかし、最後には外国人の霊は泣き出しました。そして、泣きながら、もっと沢山唱えて欲しいと、身振り手振りで訴えます。私は大きな声で、"オーム・マニペードム・オーム""オーム・マニペードム・オーム"と繰り返し唱えました。

この聖語がこの外国人の霊が求めていたお祈りだったのです、そして"成仏供養"だったのです。私は"オーム・マニペードム・オーム"、"オーム・マニペードム・オーム"と何度も唱えて上げました。私たちは大合唱となりました。

すると突然その外国人の霊は、"オーム・マニペードム・オーム、ノー!"、と強く否定し、"オーム・マニページョム・オーム"、といい直しました。

私に正しい発音を教えくれたのです。私は早速、"オーム・マニページョム・オーム"、"オーム・マニページョム・オーム"と教えて頂いた通り何回も何回も唱えて上げました。

するとロシア民謡によく似た歌を泣きながら美しい声で三曲も懐かしそうに歌った後、手を振りながらスーッと空に昇って行きました。

私は安心したとたん、先程までの緊張感が嘘のように消えて行きました。これで女学生は今夜から幽霊に首をしめられなくて済みます。が、喜んでばかりもいられません。やっと成仏させて上げた外国人の霊は、果たして私に何をあんなに訴えていたのでしょうか?何と話しかけてくれていたのでしょうか。

弘法大師様に伺ってみました。弘法大師様は、今度はすぐに教えて下さいました。

この外国人の霊は"兵士"だったそうです。任務とはいえ、戦場で何人もの人を撃って殺してしまい、兵役が済み、国へ帰ったものの、何時も自分が戦場で殺した人のことが頭から離れず、自分の罪の重さに苛まれる毎日でした。

『ノイローゼになりそうだ。余りに辛いので国を出て、平和な国"日本"にやって来た。だが戦争のことを忘れたくて日本にやって来たはずなのに、日本に来ていても戦場でのことがいっこうに忘れられない。戦争は嫌だ! これで自分が死んですべてを忘れる以外に道はない。死ねばすべてを忘れられる。そう思って自殺をした。ところが自分は死んだはずなのに、魂は死んでいない。それがすごいショックだった。自分が肉体を持って生きていた時の悩みは死んでもちっとも変わっていない。もう苦しくて苦しくて、誰かにこの苦しみを分かって欲しかった。そして神様の元にいけるように祈ってもらいたかった』


外国人兵士の霊は、そう私に話していたのだそうです。

戦争がつくる悲劇はこれからもこうして深い傷跡を残していくでしょう。

何ともいいようのない辛いお話でした。

特に未来の地球を担う今の若者たちに、ぜひこうした戦争の霊障も知って頂きたいものです。

合掌




畏れ多いとは思いますが

お一人でも多くのかたを

お救いしたいと思っております。


南無大師遍照金剛

南無大師遍照金剛

南無大師遍照金剛


合掌


一日も早く世界中の戦争が終わりますように

一日も早く世界中に平和がおとずれますように

日本に大きな災いが起こりませんように

日本が平和でありますように

地球が平和でありますように

宇宙が平和でありますように

どうか、どうか、どうか、

よろしくお願い申し上げます。


合掌