1935年の映画。

英国の執事という職にある主人公が主の意向で成金友人と彼の家があるアメリカへ行く。決して喜ばしいアメリカ行きではない。それまでは主に仕える執事という職業に誇りを持ち、完璧にこなしていた訳だが、アメリカという自由の国柄と従いていったアメリカ人のフレンドリーさに戸惑ってしまう。しかし、その自由さになにか目が開いたような思いを持つ。心の中の自由がアグレッシブに目覚めた。なのに、元の主がやはりどうしても執事としての主人公に帰ってほしいと迎えに来る。であるが、この新しい自分の自由を大切にしようと決断する。あなたは自分の自由に気づいていますか、と言われている気がした。

執事という礼儀正しく上品で、人の意を汲むことに長けている職業の主人公をチャールズ・ロートンという俳優が演じている。何とも言えない柔らかい、そしてユーモアのある表情ができるひとで、映画を堅苦しくなくフランクなアメリカ人と英国執事とを色分けしている。