そして、
今にいたる。
はあ。
佐江は、スタジオの裏でかくれんぼ中。
誰にも見つかりませんように。
「佐江? 何してんの?」
「うわっ!!」
いきなり、横から顔が出てきた!!
と、思ったら才加だった。
「なんだ才加か……脅かすなよ」
「なんだとはなんだ」
才加はちょっと違う用事で楽屋にいなかった。
だから、あの現状を知らない。
才加は……大丈夫だろ。
いつもチームKで一緒にいたっていうのもあるけど、
たぶん、仕事第一で佐江のことなんか目に入ってないと思うし。
てか、才加が佐江のこと好きなんて聞いたことないし、
好きだったら気持ち悪い。
「こんなとこで何やってんだ?」
「ん~、ちょっとかくれんぼ」
冗談っぽく言う。
すると、なぜか才加の目つきが変わる。
「あのさ……今時間ある?」
……少し腰を浮かして、
逃げれる準備をしておく。
「ある……けど」
「……実はさ」
膝を曲げて、スタートダッシュを出来る体勢。
「ずっと前から……佐江のことが好」
ダッシュ!
全力でダッシュ!
佐江はいち早くこの場から逃げ出した。
才加の言葉を最後まで聞くこともなく。
足の速さでは、才加の方が早いが、
今の佐江なら追いつかれない気がする。
だって、
人間は、身の危険を感じると、自然と力がわき出るものだから。
※
もういや。
もういやだ。
もう逃げたい。
いや、もう逃げてるけどさ……
帰りたい。
でも、帰れない。
だって、
楽屋に荷物を置いてきてしまったから。
……
どうしよう。
とりあえず、みんなが帰るのをまとう。
佐江は、テレビ局の廊下に腰を下ろした。
はあ、みんな今日どうしたんだろう?
なにか変なものでも食べたかな?
「……佐江ちゃん」
「げ」
見つかった。
しかも……ゆきりんに。
「話しがあるんだけど……」
話し、か
まあ、だいたいわかるけど。
「その前にひとつ聞いても良い? なんでみんな今日に限ってこんな積極的なの? しかもなんか尋常じゃないほど怖かったし」
「……今日だけじゃないよ」
ゆきりんの言葉の意味が、よくわからなかった。
その、今日だけじゃないっていうのはどういうことなんだろう?
「みんなね、ずっと前から佐江ちゃんのこと好きだったんだよ。でも、みんなが好きなんて言ったら佐江ちゃん困るだろうってことで、みんなで話し合ったんだ。その結論が、誰も告白しない。誰か一人が佐江ちゃんを独占しないようにしようってなったんだ」
……
そう、だったんだ。
ずっと前から、ずっと前から好きだったんだ。
全然……気がつかなかった。
「たぶん……きたりえが佐江ちゃんに告ったから、みんな歯止めがきかなくなったんだと思うよ」
……みんな、
佐江のことが好き……
うれしいような、
かなしいような、
不思議な気分。
「それで……話しっていうのは」
……
「佐江ちゃん……好きです。私を選んでください」
……
ゆきりん。
私も、
好きだよ。
でも、
「ごめん。ゆきりん……やっぱり、一人だけなんて選べないよ」
この答えしか浮かばなかった。
この答えしか、言う気はなかった。
誰もが幸せなんて無理だと思うけど、
佐江は、誰もが幸せになってほしい。
だから、この答えしか、佐江には言えない。
「……だよね。そういうと思ってたよ」
ごめん。
佐江が誰かを選んでしまえば、
誰かが不幸になる。
そんなの、耐えられない。
佐江は、
ゆきりんも、
きたりえも、
さっしーも、
とも~みも、
もっちーも、
みぃちゃんも、
才加も、
みんな……大好き。
だから……
「じゃあ、私、楽屋に戻るね。佐江ちゃん、その言葉、ちゃんとみんなに言った方が良いと思うよ」
ゆきりんは言うだけ言って、行ってしまった。
……
そんなのわかってるよ。
ちゃんと言うよ。
『みんな、大好きだーーー!!!』
ってさ。
終わり
※作者の一言
前は前編、中編、後編に分けていましたが、
アメブロでは全部入ったので、繋げようとおもいました。
ですが!!
事情があり、
第一から第四まで分けることにしました。
ご了承下さい。
なので、微妙に違います。
そして、とてつもなく長いです。
読みづらいと思います。
あと、さえゆきさん。
すみません。
オチがうまく思い浮かばなくて、
変になってしまいました。
でも、書いてて楽しかったです。
これからも宜しくお願いします!!!!!