予定通りに進まないことを、
昔の私は少し苦手にしていた。

効率よく、最短距離で、無駄なく進むこと。
それが正しいと思っていたから。

でも

今日、家内と出かけた犀川の河川敷で、
その考えはまたひとつ、やわらかくほどけた気がした。

本当は、家で「習字」をする予定だった。
2人の意見は合っていたのに、
あまりに春の陽気が気持ちよすぎて。

「やっぱり、外に出ようか」

急きょ、クーラーボックスにお茶とラムネを入れて車を走らせた。

行き先は、久しぶりすぎる犀川の河川敷。
ただ、ここへ行く道が、なかなか思い出せない。天然ナビ迷走〜

最短ルートを家内が提案してくれるも、
私はなぜかあえて入り組んだ道を選んだ。

なぜなのか、自分でもわからなかった。
ただ、なんとなく。
ただ、こっちがいい気がしたから。

くねくねと遠回りをして、
やっとたどり着いたその瞬間。

目の前に広がったのは、学生時代によく通った懐かしい道だった。

「ああ、ここ、よく通ったなぁ」

思わずこぼれたひと言に、

隣の家内が「本当に〜?」と疑いの間髪の一言。車内は爆笑!

笑い声が、春の空に軽やかに溶けていった。

もし、最短じゃない道を選んだから、
こんなふうに、懐かしさと笑いが同時にやってきた。

「これでよかったんだな」

心の中で、そっとつぶやいた。

河川敷では、子どもたちがバスケットをしてたり、親子連れがテントを張って、のんびりとくつろいでいた。
マラソンランナーたちが、気持ちよさそうに走り抜けていった。

そして恒例の出先stand.fm LIVEがはじまる。

ふと思い出す。

40年前、
ここを一生懸命走っていた公務員時代だった頃のの自分。

あの頃の私には、
こんなふうに好きな人と、好きな場所で、
ゆったりとした時間を共有する未来なんて、
想像もできなかった。

けれど今、確かにここにある。

焦る必要も、急ぐ必要も、なかったんだ。

人生は、
回り道だっていい。
むしろ、回り道こそが、
笑い合える瞬間や、懐かしい記憶を運んでくれる。

最短距離では得られなかったものが、
そこにはたしかに、存在していた。

そして、
あの日の青年に、今なら胸を張って言える。

「回り道も悪くないよ」って。

あなたへ

もし今、思うように進まない日々を歩いているなら。
もし、少し遠回りしている気がしているなら。

それもきっと、
未来のあなたにとって、大切な道になる。

焦らなくていい。
あなたの歩幅で、あなたのペースで。

今日の私がそうだったように、
いつかきっと、その回り道に感謝する日がくるから。