詩『言葉の街から』 対話シリーズ
6030
〈・・・〉とか〈愛(いと)おしむ〉とか
の海から浮上して
「愛!」 はちょっとよそよそしい
6031
息苦しくても何度も出会うと
身慣れてはくる
ただ芯の方ではイヤイヤしている
6032
「愛」を載せて海を渡ってきた異人たちは
牛乳を飲み牛肉を食う
(もしかして人の肉も食うのか?)
6033
不慣れな出会いでは
疑心暗鬼や陰謀論が
カビのように自然に繁殖していく
6034
「愛」には異人の香りがあり
今日もなお
よそ行き通りに飾られている