詩『言葉の街から』 対話シリーズ 5852-5855 | nishiyanのブログ

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この列島の一住民です。(九州)
今までにない最悪の復古的イデオロギー政権を退場させるため消費(GNPの約6割を占める家計消費)を意識的に控える活動を広めることを開始。2017.12.14に休止。★ひとり継続中。

詩『言葉の街から』 対話シリーズ



5852
例えば 戻ってきた若い青江又八郎が
長屋の井戸端で
おかみさんたちから声かけられる
その時の返したぽつり言葉とはにかみの表情



5853
背にはどこからともなく迫って来る不穏
(その由来はわかっている)
不穏を抱えていても 青江又八郎は
日々用心棒稼業に出かけては長屋に戻ってくる



5854
自分の長屋に近づくと
きっちりと結んだものが
少し解(ほど)けて
いい匂いも漂っている



5855
ドラマがぼくに見られている
ぼくはドラマの内に入り込む
そうしてまた
たぶんぼくも誰かに見られている
 
註.
青江又八郎(役 村上弘明)は、藤沢周平原作のドラマ『腕におぼえあり』の主人公。