弊事業所でも

「二人体制で、家に送ってほしい」

というご依頼のお子さんを、お断りした

ことがあります。

 

運転手一人でご自宅までお送りし、送迎車が

つく時間帯に、家の前で待っててもらって

子どもを車から下ろすのを保護者にやってもら

うのが基本です。

 

送迎加算は、一人往復500円。往復500円で、二人分の

人件費を賄うのは、無理です。

 

怖いのは逮捕の理由が「送迎する際、2人で対応するなど

の事前の取り決めを守らなかった」ことにあること。この

事前の取り決め、ってどこに証拠があったのだろうかと

思うと怖くなります。もしかして、保護者側の一方的な

主張だけだったのかもと思うと背筋が凍りますね。

 

というのも

通常事前の取り決めは「個別支援計画」に記載します。

この記載内容には、例えば「夜間支援体制を、二人

体制で、二回の見守りを行います」などと記載した

場合、行政からは1.5人分程度の報酬加算があります。

しかし送迎の場合は、二人で送迎したとしても、加算

はないのです。片道250円で、二人分の人件費を支払って

送迎し、採算にのせるとすれば、大きなワゴン車に

10人ぐらいの子どもをいっぺんにのせて送迎すれば

見込みはたつと思う人もいるかもしれません。しかし

放課後デイサービスの場合、複数の学校にお迎えに

まわるわけです。「同じ時間に下校」という学校も少なく

ない。そのため、5人乗りの小さい車を複数台用意

しないと、それぞれの学校の下校の時間に合わせて

お迎えにいくことができないわけです。するとその分

人件費がかさむというわけです。

 

逮捕ではなく、報酬体系の見直し、加算をして

もらわないと、現場は萎縮するばかりです。送迎には

二人分の人件費相当の加算をつけてください。

そうでなければ

強度行動障害のお子さんの預かり手がなくなって

しまいます。

 

弊社事業所でも、行政が報酬体系の見直しをし

てくださらない限り、強度行動障害のお子さん

はお預かりできないなあと思います。

 

※強度行動障害とは 食べられないものを口に入れる、

危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動、

他人を叩いたり物を壊す、大泣きが何時間も続くなど

周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い

頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要にな

っている状態のことをいいます。