「神さまって本当に居るんですか」
と、先日、小学生のお嬢ちゃんから尋ねられました。
「はい、いらっしゃると思います!」
と私は御返事を致しました。
私自身は、残念ながら極めて平凡な人間です。
縁あって神職になりましたが、霊能力者ではありませんので、
神さまのお姿を見たことはありませんし、お声を聞いたこともありません。現代科学で、証拠を並べて、神の存在を証明することはできないと思っています。
しかし同時に、「神は存在しない」という証明もまた不可能です。
私が、神さまはいらっしゃると言うのは、
日々の様々な場面において、我々の常識や科学の力の及ばない、
不思議な、説明のつかないことがたくさん起こるからです。
なんという偶然だろう!と驚くような出来事や、
絶対に無理だと思ったことが実現した!と歓喜に包まれるような瞬間を、私のように平々凡々な毎日を過ごしている者でも経験しています。
あるいは、過去には、つらい・大変な・困ったことだと思った出来事が、後になってみると、あのときの御蔭で今があるのだな、と理解でき、感謝を捧げる思いになった、という体験もしています。
そもそも、私たち皆が、おそらくは神さまを、既に知っていると思います。
日常的に寺社に出向くような習慣がないとしても、
「祈る」気持ちに一度もなったことがない、という人は稀ではないでしょうか。
「うまく行きますように」
「助けてください」
「どうか、お願いします」
と手を合わせることは、私たちのほとんど皆が経験していると思います。そのようなとき、その思いは、一体、何に向けられているのでしょうか?
私たちは、理詰めで説明のつかない大きなものに、
日々すがり、守られていると感じている、
と私は思っています。
それが、根源的な意味での私たちの「神さま」ではないでしょうか。
誰の中にも、誰の前にも、「神さま」はいらっしゃると私は思います。