神職は、社家(しゃけ。神社の宮司を代々務めている家)に生まれた者が、
相続のように手続のみで後を継ぐ、というものではありません。
まずは神職資格を得てからでないと祭祀を行うことはできませんし、
更に一定以上の「階位」を取得しなければ「宮司」の職につくこともできません。
また、必ずしも神職の子弟でなくとも、こうした資格の取得は可能です。
ではどうやって神職の資格を得るかですが、それにはいくつかの方法があります。
國學院大學の神道文化学部や皇學館大学の文学部神道学科に進学し、
4年間をかけて学ぶのが最も望ましいかたちです。
門戸は誰にでも開かれており、國學院には夜間に履修するコースも設定されています。
或いは、ほかの四年制大学を卒業したあと、
國學院大學や皇學館大学の「専攻科」で1年間、神道を専攻することも可能です。
一方で、ほかの大学に行きながら、或いは高校や大学を出て社会人になってから、
様々な事情で神職資格を取得しようと志すこともあります。
多くは、奉職せねばならない神社が先に決まっていて、資格取得を急ぐ場合です。
上記の二大学や各都道府県の「神社庁」が行っている
「神職養成講習会」を受講することで、ある程度短期間で資格を得ることができます。
それでも講習会そのものが一ヶ月ほどかかるのと、実施機関によっては合宿のこともあり、
学生さんなら夏休み・春休みを使うことになりますが、
社会人だとまとまった休みを取れるかどうかが、難しいところかもしれません。
神職の階位には、上から「浄階」「明階」「正階」「権正階」「直階」とあり、
上記の「神職養成講習会」では一ヶ月少々の期間をかけて、
まずは一番下の階位である「直階(ちょっかい)」の講習を受けます。
これを修了すると、次回以降の講習会の機会に、
ひとつ上の「権正階(ごんせいかい)」の講習を受けることができます。
直階だけでも神職としての務めは果たせるようになりますが、
神社の宮司になるためには権正階以上の階位を持っていなくてはなりません。
また、資格を授与されるためには、講習会での座学や実技だけでなく、
実際に外部の神社で神社実習を修了することも求められます。
教職の教育自習のようなもので、現場での研修も必要なのです。
講習会出身の神職が、「正階」や「明階」へと更に階位を上げて行くことを望むならば、
神社に奉職しながら神社庁その他の研修会を地道に受講し、
更に所定の神社実習を修了する必要があります。
國學院大學や皇學館大学の学部で神道を専攻した場合には、卒業時点で「正階」が得られ、
その後に所定の実習を修了すれば早い段階で「明階」が授与されます。
最高位の「浄階」は、長年の実績や功績等によって特別な場合に授与される階位ですので、
神職が勉強や検定によって取得できる一番上の階位は、実質的には「明階」となります。
そのほか、神職資格を得るには全国のいくつかの大きな神社が設置している
神職養成所に入って学ぶことや、大阪國學院が開講している通信教育課程を受講して
資格取得を目指すなどの道があります。
ただ、これらの教育機関は入学するために原則として神社庁または神社本庁の推薦が必要で、
実家や地元の神社に急遽、神職として奉職せねばならない事情ができた等の、
緊急事態に対応するために設けられているものです。
↓とても詳しく解説されています。
https://ustyle14.com/hasblog/shinto-priest/