地鎮祭を行うとき、正面の案(祭壇)の近くにつくった盛砂に、
「えい、えい、えい」と鎌・鍬・鋤を入れていく「地鎮の儀」というのがありますが、
その手順には実は二通りあります。
最初に設計者が忌鎌(いみかま)で草を刈る動作をするのはどこでも同じなのですが、
その次から何をするかが、土地柄や、業者さん及び神主さんの考え方で、少し違ってきます。
ひとつは、
施主さまが忌鋤(いみすき)→神職が鎮め物を埋納→施工業者さまが忌鍬(いみくわ)、
の順です。
もうひとつは、
施主さまが忌鍬(いみくわ)→施工業者さまが忌鋤(いみすき)→神職が鎮め物を埋納、
の順です。
前者は、草を刈り土を耕し、鎮め物を埋めて、上から土をかける、という考え方で、
後者は草を刈り大地を穿ち、平らにならしてから、鎮め物を埋める、
ということであろうと思います。
どちらも意味のあることですので、いずれが正しいということではありません。
岡崎神社から出張祭典で地鎮祭に伺うときは、打ち合わせの段階でご希望があればお聞きし、
当日司会の方がいらっしゃる場合は、その方の進行の通りに致します。
鎮め物についても、業者様のお考えやその後の作業手順を尊重致しますので、
場合によっては、その場で埋納することはせず、当日はお祓いしただけでお渡しし、
実際の工事に当たられる方々が、然るべき場所に埋めるようにされるケースもあります。
ちなみに、かけ声の「えい、えい、えい」の「えい」の字は「栄」とも「永」とも言われ、
その土地と上にできる建物、そこで過ごす人々が、末永く栄えることを願ったものです。
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