京都から車で2時間。
山道を行くと、
その集落はあります。

南丹市美山町にある
かやぶきの里。
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ディレクターの大石ちゃん。

今では、
ほとんど見かけることが
できなくなった
かやぶきの民家が
数多く現存し、
国の重要伝統的建造物群
保存地区に
指定されています。

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古くは、
江戸中期からのものも
残っており、
周辺の田畑や
山々とともに、
日本の農村の原風景が
広がっています。

タイムスリップしたような
感覚に陥りながら
その空間に浸っていると、
さらに季節の移ろいで、
様々な姿を見せるのだろうな…
と想像も膨らみ
また、来てみたいと
思わせるような山里です。

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しかし、
駅からも遠く
あまり交通アクセスが
よくないということや、
周りに他に
目立った観光スポットが
あるわけではない、
ということもあり、
年々、
観光客は減少傾向に。


ただでさえ、
景観や伝統を保存していくのは
容易いことではありません。

いまや、茅場もなくなり、
職人も減り、
20年に1度の
かやの葺き替え費用は、
年を追うごとに増大し、
いまは、
一軒で一千万近く
かかるそうです。
自治体から補助が出るとはいえ
維持するには、
大変な労力とコストが
かかるのです。

それだけでなく
日本中どの地方も
直面している問題…
超高齢化も過疎化も進み、
今後、守っていく人も
いなくなってしまうのではないか?
と、町の方たちは、
不安とともに、危機感を
持っています。


しかし!

そんななか、
この町に、いま、
海外からの観光客が
驚くほど急増しているのです。

そんなわけで、このまえ、
春節シーズンに突入前に、
取材に行って来ましたひらめき電球


続々と到着する観光バス、
そして、路線バスから
次々降りてくる観光客…
ほとんどが、台湾人❗️

なぜ⁉︎

「どうして、ここへ?」
と聞いてみると
「雪が見たかった!」と
ほとんどの人が同じ答え。

そして、誰もが歓声を上げて
雪と戯れるのです。

ん?

町のあちこちに
小さな雪の塊が…目

なんだろうと見てみると
台湾の観光客が作った
雪だるま!!

「テレビドラマやアニメでしか
見たことないから、1度
雪だるまを作って見たかった!」
と。

でも、あれ?
なんか、形がヘン😳…
スフィンクスみたいなのも
あります。

彼らをじっと観察してみると
なるほど、
あたりの雪をかき集め、
ひたすら雪を盛ってから
石像を作るように、
削って成形していきます😅

これまた、衝撃汗
めっちゃ時間かかるやん(^^;;

見かねて
「雪だるまは
コロコロ転がして
作るんですよ✌️✨」と
見せてあげると、
子供たちは、
「すごい!簡単!」と
きゃっきゃっしながら、
いくつも作っていました雪

里にある
かやぶきの家屋の民宿
「久や」さんも、台湾からの
観光客で大忙しです。

雪化粧をした集落を
ライトアップする
雪灯篭のイベント期間中は、
台湾からのお客さんで
ほぼ満室。
冬は閑散期だったので、
思わぬ台湾フィーバーです。

宿帳も、台湾の方たちの
喜びの声が盛りだくさん。

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老若男女が
訪れています

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日本の良さを台湾の方たちが
分かってくださるのは、
日本人としても、
嬉しくなります。


京都のお寺や神社を巡った後
路線バスを乗り継いで
やってきた親子は、
かやぶきの民宿に泊まり
囲炉裏にあたりながら、
日本の料理を食べて
畳の上で、ふとんで眠るなど、
すべてが新鮮だと
目を輝かせていました。

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それにしても、
なぜ、局所的に
台湾からの観光客が
増えたのか?


1年半ほど前に
台湾の新聞「自由時報」で、
かやぶきの里、美山町が
紹介されたことから
火がついたそうです。
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さらに、
訪れた人がブログで紹介し、
台湾人のなかで、
「あの景色を見てみたい」と
口コミで、どんどん
広がっていきました。

実は、
やってくる人たちのお目当ては
この景観と雪だけでは
ありません。

これ。

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なんと、
プリン🍮!

「カフェ美卵」さんの
店内限定の自家製プリンですアップ

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養鶏場を営んでいる
ご主人のこだわりの卵と
地元の新鮮な牛乳を使った
手作りプリン。

最近は
ふわっとトロけるプリンが
多いなか、
こちらは、生クリームを
まったく使わない
しっかりしたプリンです。

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卵の美味しさがそのまま!
素材の風味が生かされていて
おいしい~💕

これまたSNSで広まったらしく
台湾の方たちが、
プリンを求めて
やってくるのです。

ご夫婦2人で、お店をやって
いらっしゃるのですが、
1日に作れる数は限りがあり、
奥様曰く
あっという間に
売り切れてしまうそうです。

プリンを食べに来たのにぃ…
と、売り切れに
地団駄踏む台湾の方も
いらっしゃるとか😁

すごいですね。
ネットの発信力を実感。

今後、
このフィーバーをきっかけに
美山プリンでブランド化
できるのではないか?
と、この先の可能性も
秘めているような気が
しました。


最近は、Iターンで、若い方が
この集落に移住した例も
あるそうです。
伝統の里を守っていくうえで、
希望の光かもしれません。

今日で春節も終わり。
爆買いばかりに目がいきがち
ですが、海外からの観光客の
求めるものは、この数年で
かなり、多様化している
ようです。
東京、名古屋、大阪、京都、
福岡など主要都市の
メジャーどころだけでなく、
地方のコアな場所に向かう
観光客が確実に増えています。

日本人が素晴らしさを
見過ごしていることも、
彼らにとっては、とてつもなく
魅力的なものだったりする
のです。

日本の良さを、
改めて、再認識する必要性と
発信していく大切さを
つくづく感じました。

かやぶきの里には
地域活性化のヒントが
ギュッと詰まっているかも
しれません。