上下巻の上巻は、国会発足から戦前迄の表題のそれを採り上げて、近代を見ていこうという、なかなかに面白い取り組みで、軸にした舞台裏を最近の研究をもとに俯瞰するものだ。

 樺山海軍大臣の蛮勇演説、明治天皇の日清戦争開戦に当たっての文句のブーたれ、尾崎行雄、斎藤隆夫の大演説等、アジアで近代で唯一議会制民主主義の発足、発展を促した表現の存在の凄さを改めて思わずにはいられない。