お菓子屋は、女性のお客さんが多い商売なので、
いろんな世代の女性の金銭感覚を知りたいと思って、
読んでみました。
20代~70代まで、
御厨家の女性たちの懐事情と、お金に対する考え方が絡む物語です。
さらにその友人や、職場の人々、
いろんな立場の人の物語を丁寧に描いているので、
この小説一冊だけで、
さまざまな立場、年齢、未婚、既婚、の人の感情が学べます。
もちろんフィクションなんですけど、
しっかりとした取材に基づくものだと思える描写なので、
どれもリアルに読み取ることができます。
でも、小説なので、ためになる事ばかり書かれていても、
読むのが楽しくありません。
その点、この作品は、物語を読むのも面白い。
しかもオムニバス形式のように、いくつもの話が楽しめます。
最後には、感動で泣いてしもたがな。
何が言いたいのかというと、傑作でした。
原田ひ香さん、初めて読む作家さんですが、
これ以外の作品も読んでみたくなりました。