夏の後ろ姿 | くま店長のレモンクッキーのかけら
去りゆく者が 見せるのは
何故か 決まって 後ろ姿

荷造り始めた 夏の背中に
ぼくは 思わず 声かけた
「もう少し そばに いてもいいんだよ」

バターの香りが 知らせるのは
次の季節の 訪れか

ミルクは そっと 横切って
やさしい甘さで 包みこむ


ふっくら やわらか 人気者
「こねこのミルクマドレーヌ」

切なさ 漂う 夏の後ろ姿
ぼくは たまらず 空を見上げた