キャラメル味の心 | くま店長のレモンクッキーのかけら
出発の朝 一緒に見たのは 川辺の花
黄色の水仙4つは肩を並べて 咲いていた


しっとりとした焼き菓子は ゆっくり2つに割られた
ぼくに手渡されたのは 【彼の思いやり】少し大きな方
ヘーゼルナッツの香ばしさ リッチなバターの香り
そして後味には キャラメルのほろ苦さ
「キャラメルのフィナンシェ」


最後のアイスカフェオレを飲みほした彼
持ち上げたカバンは思いのほか 重たそうだ
1度だけ振り返った彼は大きく手をふった
ぼくに出来たのは背中を見送ることだけだった
日曜日の夕方
空には雲が増えていた