根室のご当地グルメとひょうたんぱん


 北海道での新型コロナの流行が中々おさまらないようです。 また、北海道はこれまでのところインバウンドによる恩恵が大きくて、ようやく経済的に潤いだしていたところだったので、今後のことが心配です。
 そんな北海道、個人的に大好きで、これまでに何回か正確には分からないくらい良く訪ねていて、思い入れも大変強いところ。
 年初には、今年も桜の季節に出かける予定を立てていましたが、現状から考えるとそれも難しそうなので、落ち着いた頃(秋頃?)にもまた出かけてみようと考えているところです。
 今回は去年の夏訪ねた北海道の東の端、根室のご当地グルメとお菓子を紹介したいと思います。







 北海道内でも根室は流石に遠くて、訪ねるのは13年ぶり(3、4回目)。 その根室に着く前に途中下車したのが根室駅の1つ手前の東根室駅です。
 こちらはJRの中でも日本最東端の駅として知られていますが、その駅から行ってみたかったのが根室のローカルコンビニ、タイエーです。
 コンビニとスーパーを兼ねたようなお店タイエーが作っているのが個性的なやきとり弁当です。
 ”焼き鳥”ではないちょっと不思議な”やきとり”弁当(鶏肉の代わりに豚肉使用)、これは函館を中心としたコンビニのハセガワストアが出している名物弁当(道南ではかなり有名)なのですが、遠く離れた根室でも同じものが食べられます。
 これは、タイエーの社長さんが、ハセガワストアの許可を得て”やきとり弁当”のメニューを完全に再現しているからのよう。

 ハセガワストアも含めお初のやきとり弁当、中身はのり弁当の上に豚肉使用の焼き鳥?と野菜の串が乗ったもの(組み合わせは選べる)。 ベースののり弁当部分だけでもおいしいですし、程良く塩味の付いた肉と野菜も噛むほどに旨味が増してくる感じ(隠し味のガーリックも効果的)。
 また、ご飯の量や串の種類や本数、それにタレのバリエーションまで選べ、その焼き立てを食べられるのもこのやきとり弁当の魅力になっていると思います。













 タイエーから移動して到着したのが根室の玄関口JR根室駅。 そして、はるばる根室まで来ればこちらも是非食べておきたいのが、ご当地グルメのエスカロップです。
 ということで、向かったのはその発祥店の流れを汲むどりあん(こちらも13年ぶり)。 前よりもきれいになった店内で、早速いただくことに。

 出てきたエスカロップは以前と全く変わっていない感じで、見た目よりもさっぱりとした味わいになっている点も以前と変わっていません。
 意外とあっさりと仕上げられたバターライス、少し薄めに仕上げられたとんかつもこってり感が無く、衣も薄めでサックリと。 長年継ぎ足されてきたデミグラスソースも味わい深いおいしさ。
 このエスカロップを食べると日本の東の端にやって来た と実感できる一皿(北海道の代表的ご当地グルメの1つです)。







 エスカロップに続いて、根室のご当地パンカステラサンドも見逃せません。
 作っているのはどりあんから歩いても数分のところの山森製パン(昭和30年創業、前身は明治期創業の和菓子店)で、根室では知られた老舗パン店です。

 そのカステラサンド、見た目以上に生地はふっくらしていて、その生地でバタークリームを塗ったカステラをサンド。 そのカステラは生地以上にフッカフカの柔らかさ、甘さもかなり控えてあるのも好印象。 そして、バタークリームが良い味を出していて、何だかクセになる感じ(同種のパンの中では屈指の美味しさ)。
 このカステラサンド、根室でしか買えないのが残念ですけど、同市内だと山森製パン以外でもスーパーなどでも良く見かけるので、根室市民にはお馴染みのパンのようです。







 そして最後に、こちらも根室でしか買えない”パン”をもう一つ。
 北海道では、和菓子と洋菓子の両方を手掛けるお店が大半で、根室駅前にお店を構えている一爐庵もそのようなお菓子屋さんです。
 こちらは元々、北方領土の歯舞諸島で創業(昭和3年(1928年))した和菓子屋さんで、戦後根室に移転したお店だそう。
 今回紹介しますこちらのひょうたんぱんは、その歯舞諸島時代に作られたお菓子で、今でも店内の目立つところに置かれたこちらの名物お菓子です。
 ただ、名前は”ぱん”でも、パンではないお菓子。 同じ北海道の”月寒あんぱん”(札幌の㈱ほんま)のように、パンがまだ一般に知られていなかった時代、思い思いにパンをイメージして作られたお菓子が全国に存在したらしく、このひょうたんぱんもその1つのようです。

 2口サイズのひょうたん型で、カリカリとした硬めの食感が特徴。 生地は九州や京都のボウロに似ていますが、もう少し硬くした感じ。
 口にすると、小麦粉の風味がしっかりと感じられ、黒糖のコクのある味わい深い甘みが大変印象的。 生地に散らした黒ゴマの香りも見事に効いています。
 何分古い時代のお菓子で、見た目も地味ながら、食べてみるとかなり美味しいお菓子に仕上がっていると思います(オススメの一品、他にチーズタルトのココチーズも美味)。

 以上、色々とご紹介しましたが、根室では他にも旨味が他のカニより濃厚な花咲ガニ(表面のトゲトゲが特徴)などオホーツクの海の幸も豊富で、こう書いている間にもまた訪ねてみたくなりました。

 山森製パン
 北海道根室市弥生町1丁目53

 一爐庵
 北海道根室市光和町1丁目1
 TEL:0153-23-3895