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三笠野と荒城の月

 前回、少し触れました竹田の銘菓”三笠野”も味わってきました。
 三笠野は200年ほど前(江戸後期)から竹田に伝わるお菓子で、10代目岡藩藩主として迎えられた中川久貴が郷里(大和郡山(奈良県))でお気に入りだった和菓子を竹田でも楽しみたくて再現させたものだそう。
 作らせたのは竹田に向かう際、知り合いだった(今でも現存している)京伏見の和菓子店駿河屋主人に依頼して、同店から岡藩御用として迎え入れた菓子職人です。 その職人が出身地の地名を取って開いたお店が但馬屋(現在の但馬屋老舗)(文化元年(1804年)創業)。
 以来、三笠野が作り続けられ、今でも竹田を代表する銘菓になっています。

 そんな三笠野ですが、但馬屋老舗以外に竹田でもう1軒作っているのが川口自由堂(慶応2年(1866年)創業)です。
 山間の小さな竹田の町に、江戸創業の和菓子店が2軒残っているのも凄いですし、同じ名前の”三笠野”を両店で作っているのも何だか不思議(いわくが有りそう?)。
 因みに、”三笠野”は東北や北海道、それに信越地方の一部で現在も見られる中華(中花)饅頭に良く似た形状ですが、大きさは少し小ぶりなもの。 同じルーツを持つものかは?です。

 今回は良い機会なので両店の三笠野を食べ比べてみました(後で出てきます丸い形の”荒城の月”と一緒に写っている方が川口自由堂、また、両方並んだ画像ではどちらも右側が但馬屋老舗三笠野です)。

 楕円形に焼かれた生地は、どら焼に比べると薄いので片面だけ焼いたもの。
 元祖の但馬屋老舗の方が若干より薄く、中花種らしい香ばしさや素材の風味も川口自由堂よりしっかりしている印象。
 中の餡はどちらも小豆こし餡で、餡の滑らかさ、キメの細やかさは川口自由堂の方が良く感じられ、小豆の風味も同じく川口自由堂の方がよりしっかりしていて自分の好みに近いように感じられます。
 この辺の差は但馬屋老舗三笠野では脱酸素剤を入れたいわゆるエージレスパックになっており、その影響が出ているのかも。
 何れにしても、三笠野の両店の価格に1(川口自由堂):1.5(但馬屋老舗)ほど差がある事を考えると川口自由堂の健闘ぶりが光っている気がします。

 竹田では三笠野の他にもう1つ名物お菓子の荒城の月(そのルーツは三笠野と同じくらいの歴史があるよう)が存在していて、こちらも何故か両店で作られていますので同様に食べ比べてみました(断面が並んだ画像では右側が但馬屋老舗荒城の月)。
 どちらも丸い形の黄身餡を淡雪の生地で包んだもの。 見た目は川口自由堂の方が少し大きいです。

 淡雪の生地は但馬屋老舗の方がしなやかさがより感じられ、卵白の風味もより伝わってくる印象。 ただ、淡雪に関しては、去年に驚くほど美味しい東地屋(広島県三次市)の泡雪を知ってしまったので、両店ともそれぞれにもう一歩感が残ります。
 中の黄身餡は、但馬屋老舗ではまったりとした感触があり、川口自由堂ではより柔らかな口当たり。
 黄身餡自体の風味は但馬屋老舗の方がしっかりしていて、より美味しく感じられました。
 ただ、荒城の月についても、三笠野同様の両店で価格設定の開きがあります。

 と言うことで、三笠野では川口自由堂荒城の月では但馬屋老舗の方がより好みに合う印象でした。
 また、但馬屋老舗では他にも気になるお菓子がありましたので、別の機会にご紹介できればと思います。
     
 但馬屋老舗(本店)
 大分県竹田市竹田町40番地
 TEL:0974-63-1811
 https://tajimaya-roho.co.jp/top/index.html 

 川口自由堂
 大分県竹田市竹田町545番地
 TEL:0974-63-3258
 https://kawaguchijiyudo.info/