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松寿永年 松永最中

 この前、尾道を訪ねた際、お隣の松永町にも寄ってみました。
 尾道からはJR山陽本線で東に2駅目(東尾道駅の次)の松永駅で下車。 尾道から近いのでてっきり尾道市の一部かと思っていたら、東隣の福山市の西端に位置する町だそう(元々は松永市で50年ほど前に福山市と合併)。
 そんな事情も良く知らない縁もゆかりも無い土地にやって来たのは、いつものように気になる和菓子屋さんが有ったからです(この趣味のおかげで本来ならまず行かなかった筈の色んな土地にお邪魔できてます)。

 駅前から線路沿いに進んで行くと、お店屋さんもあまり見られないごく普通の住宅地の中に目的の松寿永年のお店を発見。
 飾り気の無い佇まいの店内に入ってみると、ガラスケースの中にお店の看板商品の松永もなかが並んでいるだけとこちらも至ってシンプルで分かりやすい。
 松寿永年は開店した昭和20年(1945年)以来、松永の町で最中一筋にされてきたお店です。
 最中専門店は全国でも数は多くは無いものの有る事は有ります。 でも、こちらは基本的に松永もなか1点に絞って商いされている何とも潔いお店です(普通は餡の種類を変えたり、種の大きさや形を変えたりとバリエーションを考えたくなるものですが)。

 と言う事なので、迷うこと無く松永もなか(餡も小豆つぶ餡のみ)をお願いすると、注文を受けてから餡を詰めるようで(美味しい最中の必要条件の1つ)、暫く待ってから最中が出てきました。
 お店を出て直ぐにも食べてみたいところながら、諸般の事情で持ち帰ってから実食することに。

 包みを開けると上下の種がすきま無くぴったり合わさっていて、丁寧な仕事ぶりが分かります。
 光沢も感じられる最中の表には”備後松永”の文字が浮かび上ってくるよう。 種の香ばしさもしっかり感じられ、素材のもち米の風味も十分。
 中は最中の餡としては水分量やや多め。 小豆の皮の質感をわずかに残してあります。 また、食べたのが購入から2~3日後だったからだと思いますが、小豆の周りで一部糖化が始まっていて、最中ではまず感じられないシャリシャリとした独特の口当たりが大変魅力的(新感覚です)。
 上質な大納言小豆の旨みもしっかり伝わって来て、すっきりとした甘みも特筆もの。
 この松永もなかだけで商いが成り立っているだけことはあると思います。

 因みに、松寿永年では限定的に季節の生菓子もされることが時折あるらしく、そちらも気になりますが私のような旅行者では入手は困難かと(地元の方のお楽しみなのでしょう)。
 全国的にはあまり知られていなくても、魅力有る和菓子店が地方にはまだまだあると実感させてくれる1軒です。     

 松寿永年
 広島県福山市松永町4-17-7
 TEL:084-933-3517