初瀬川 あん玉
各地のお菓子を訪ね歩いていると、その土地にしかない”秘密のご馳走”？に出会えることも有ります（今日紹介するのは、ご馳走 と言うよりローカルおやつと呼んだ方が良いかも）。
山形県庄内地方の鶴岡では、お祭の時の屋台などで売られているお菓子、”あん玉”に根強い人気があるそう。 見た目は”たこ焼”なんですけど、中に餡子が入った甘いお菓子です。 何となく有りそうなのに、たこ焼の本場、こちら大阪でも見たこと有りません。
そんな”あん玉”、鶴岡でも基本はお花見とかお祭の時に、屋台のお店が出現して売られるのだとか（行列の出来る人気店も）。
私のような観光客では中々タイミングが合わないので、半ば諦めていたところ、常時焼きたての”あん玉”が食べられるお店が有りました。
そのお店が、鶴岡市内に有るたこ焼、お好み焼の専門店、初瀬川（はせがわ）。
と言うことで、早速あん玉を焼いてもらいました。 待つこと数分、出て来たのは確かにたこ焼。 でも、良ーく見ると何か変。 と思ったら、少し小さいです、普通のたこ焼きより（焼いている内に少し縮んだ？）。
それに全体的に少し白っぽくて、たこ焼のように表面に油の存在が感じられません（この辺があん玉の特徴）。
食べてみると、確かに油っぽさはほとんど感じられなくて、ほんのり甘い生地になってます。 かなりソフトでクリーミーな口当たり、たこ焼とは随分違う感じです（玉子は使っていないよう）。 それに、生地が少し甘い分、中の小豆つぶ餡はかなり甘さ控えめ。
屋台のお菓子なので、もっとコッテリとした分かりやすい味なのかと思っていましたが、初瀬川のあん玉は、あっさりとした何とも上品な味わいに仕上がってます（これなら、見た目はともかく、お茶席のお菓子にも使えそうなくらい）。
あん玉が予想以上の出来だったので、もう一品頼んでみたのが次の野菜ミックス。
こちらも同じ生地で、中にひき肉や刻んだキャベツなどが入った餡（中華まんの具とハンバーグの中間のような感じ）が入っていて、こちらはオーロラソースに着けていただきます。
この野菜ミックスも肉が入っているのに意外とさっぱりとした味わいなので、ちょっとびっくり。 こちらも美味しくいただきました。 どちらも４００円
たこ焼を食べて育った感の有る大阪人としては、あん玉と野菜ミックス、どちらもたこ焼ぽい外観なのに、口に入れると別の味なので頭の中が一瞬？？？となりますが、暫くすると妙に納得出来る味わいに仕上がってます。
鶴岡でもいち早く本格的な関西のたこ焼やお好み焼を始めた老舗店ならではのお味なんだろうと思います。
ところで、このあん玉、どうやら山形でも鶴岡周辺だけに見られる地域限定のおやつのよう。
関東の一部地域でも類似のお菓子も有りますけど、鶴岡のようなたこ焼っぽいものでも有りません。 どのように出来て、どうしてかの地に定着したのか、ちょっと気になりますね。
初瀬川（閉店）
山形県鶴岡市馬場町
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