福美屋 かからん団子とドーナツ

 鹿児島までやって来たのは11年ぶり。 このところ10年ぶりとか10数年ぶりという表現が多い気がしますが、和菓子を中心に各地のお店巡りをしだしてもう16年経ちました。 この間、10年少々で全国をほぼ一巡してしまい、2、3年前くらいから二順目に入っているところです。











 と言うことで、久しぶりの鹿児島では前回時間の都合で乗れなかった桜島フェリーに乗ってみました。
 この桜島フェリー、思っていた以上に需要が有るみたいで、24時間運行していて日中には1時間4本の運行(ピストン運転)しています。
 最初は遠くに見えた対岸の桜島港も桜島の雄大な姿を眺めている内に、僅か15分で到着(もっと乗っていたい感じ)。
 ただ、今回はそこからの交通手段がなかったので、早々に鹿児島側に戻り、気になっていた和菓子屋さんを訪ねることに。









 鹿児島港フェリーターミナルから歩いて10分程度。 到着したのは、現在建て替え工事が進んでいる鹿児島駅(嘗ての鹿児島の玄関口)の駅前近くにある和菓子店の福美屋(昭和41年(1966年)創業)です。
 店頭のガラスケースには、季節の生菓子やお饅頭など朝生菓子が多く並んでいる中、他ではあまり見かけない鹿児島らしいお菓子も並んでいたので、幾つか買ってみました。

 最初は鹿児島の郷土菓子の一つかからん団子(店頭では”いなか餅”(団子だったかも)と表記)。 サルトリイバラ(鹿児島では”かからん”と呼ぶそう)の葉で包んだ、団子というかお餅で、本来は端午の節句の時期に食べられる柏餅的なお菓子のようです(ただし、柏餅と違って中に餡は入っていない)。
 うっかりミスで中のお餅を撮り忘れましたが、もち米を使った生地にヨモギを加えたのが左側、小豆こし餡を加えたのが右側です。
 どちらも生地は弾力もあるムッチリとした口当たりで、お餅と団子生地両方の良いところ取りをした感じ。 その食感の良さに加え、ヨモギや小豆の香りや旨味がじわじわと広がって来て、思った以上の美味しさ。 穏やかな甘みも中々のものと思います。

 次も鹿児島の郷土菓子の高麗餅(これもち)ですが、福美屋のものは形が独特。 クグロフの形になっていて、その中心部には小豆こし餡がトッピングされています(お店では”これ餅-上あん”と表記)。
 米粉やこし餡を使った濃い茶色の蒸し菓子で、同じく和菓子の”村雨”をもう少し密に仕上げたようなお菓子。
 ムチムチとした感触がありながら、しなやかな柔らかさも感じられ、滋味を感じさせる美味しさがあります(こし餡の旨味が餅自体のおいしさをより引き出している印象)。
 因みに、”高麗餅”は豊臣秀吉の命で朝鮮半島に出兵した島津氏が、現地の陶工を連れ帰った際に一緒にもたらされたお菓子なのだそう。

 最後は、福美屋の人気商品の一つドーナツ。 こちらの陽気なお母さんが手作りしているもので、買った時はまだ温々の状態でした。
 手作り感たっぷりのドーナツで、見た目にはふっくらしていますが、食べてもそのとおりのふっくら加減。 次の日に食べてこの感触ですから、当日ならよりふんわりしているのかも。
 1つ80円なので、特別なことはしていない筈ながら、ほんのりと甘い生地(この辺は絶妙)は、粉などの旨味もしっかり伝わってくる優れもの。 油っこさを感じることも無く、大変食べやすいドーナツに仕上がっていて、何だか後を引く美味しさを感じます(オススメの1品)。

 鹿児島市内では、老舗の明石屋(同じく老舗だった江戸屋や青柳は残念ながら閉店)とか多店舗展開している薩摩蒸気屋など有名店もあるものの、こちら福美屋も外せないお店だと思います。

 福美屋
 鹿児島市小川町8-2
 TEL:099-226-7231