グランプリファイナル
6日の公式練習で
羽生結弦は
4回転アクセルに挑戦していた
ショートでの失敗
絶望
ネイサン・チェンとの13点差
逆転はほぼ不可能
少しでも爪痕を残したい
コーチがいないからこそ
自分で判断した
絶対に完成させる
という宣言
ここで何かを残さなければいけない
という使命感
9歳の頃の自分に
胸を張って
自分はここで何をやったか
何かを残したかった
もしコーチがいたら
4回転アクセルの練習はしない
高すぎる転倒リスク
そして
激しすぎる体力の消耗
でもフリーは
ノーミスでなくてもいいんだ
吹っ切れた
結果は第二位
4回転ループと4回転ルッツが
飛べるようになったのは
大きな一歩
しかし腑に落ちない
もっと
つなぎの部分、音楽、表現を
もっともっと高めていきたい
フィギュアスケーターとして
自分が納得できる作品として
しっかり完成されたものにしたい
自分が思い描く理想像は
何でもできると思っていた
9歳の頃の羽生結弦
絶望の淵から見上げた空は
遥かかなた
遠くに見える9歳の彼は
まだ振り向かない
それでも必死に一歩づつ
もがきながらその影を追う

