こんあいばー!
今宵はコレダッ!
櫻井翔「Hip Pop Boogie ChapterⅡ」ラップ詞解説を咀嚼!愛でまくりたい!
元音楽教師のサクラップヲタクとして、先日の櫻井翔生配信、櫻井教授による「Hip Pop Boogie ChapterⅡ」ラップ詞講義を、解釈・咀嚼しながら愛でまくりました!
教授の講義は情報量が多くて溺れそうだったので補足も加えながら
本当にサクラップって奥が深いですよね。なんて楽しいの…!
動画バージョンはコチラ
※以下、赤の付箋の中が櫻井教授による講義の要約です。
「Rock the world」の由来
頭サビ&サビ
このmic and penでRock the world
「Rock the World」がなぜ始まったのか。
2007年フジテレビのワールドカップバレーボールで、はじめてスポーツのキャスターを担う。
翔くんのグッズを作る話になり、そのグッズの表紙に「Rock the World」と書いた。
ワールドカップバレーは翌年のオリンピックへの切符を取れるかどうかの大会、そんな思いを込めての言葉。
それが2007年の自分の中のテーマのようなものにもなり、2008年のこの曲に使った。
このグッズ、「真っ赤な表紙のノート&ペン」で、表紙に大きく「Rock the World」とあります。
検索すると画像も出て来る!カッコイイー!
ちなみに「Rock the World」という言葉、のちに「BRAVE」でも使われてますよね。
頭サビ
We're gonna rock the world now
Hey! We're gonna rock the world
これまた痺れます。
イントロ&アウトロのスクラッチ
Chapter1も2も、イントロとアウトロのスクラッチは、プライベートで曲を作ってる時にもお願いしているO.H.B.A.さんにお願いしている。
"作文してくれる"のがスゴイ。
「夢でいいから」や「COOL&SOULのデモ版」などなど色々組み合わせてスクラッチしてくれている。
DJ O.H.B.A.さん
SHO BEATやアユハピコンパンフのインタビューによれば、翔くんのソロ曲やソロコン、「五里霧中」「To my homies」などなどに参加されている方ですね。
特に「sugar and salt」や「To my homies」のアウトロの”作文”が秀逸すぎて泣けるのでオススメです。
で、Hip Pop Boogieのスクラッチには翔くんの過去曲が使われているという話。
このスクラッチで使われているのは、SHOBEATやソロコンだけで披露された、ペンシリーズ・COOL&SOULのデモ版(COOL&SOUL櫻井翔RAPver)といった、お宝音源が中心となっていて!
イントロで使われているフレーズを書き出してみるとこんな感じ↓
ペン握ってこのマイクもとう
(ペンの指す方向Chapter3)
世紀ミレニアム 股にかけ(COOL&SOUL 櫻井翔RAPver 以下赤)
そして幕開け 第二章付いてきな
ペンの指す方向(ペンの指す方向Chapter1)
未完の大器を再起動
S.H.O(夢でいいから)
待たしたね ☆(COOL&SOUL for DOME07)
”マイク持つアイドル大国”奪い取る
巻き起こる嵐
守り通す ★
この歴史を後世に語れ
※☆と★の部分は、当初わからず書いていなかったのですが、コメント欄にてまりんさんに教えていただきました!すごい!ありがとうございます✨
そして、アウトロはChapterⅠとChapterⅡで違うフレーズで作文されていて。
”この曲で伝えたいこと”がギュギュっと凝縮されているようなスクラッチになっていて、ここで再び痺れてしまいます。
ChapterⅠと同じライミングで新しい言葉を紡ぐ
ChapterⅡで何をやろうかと考えた時に、ChapterⅠとChapterⅡの韻の構成を同じにしようと思っていて。
道なき⇒君たち
迎合⇒栄光
Somebody⇒あんなに
Everybody⇒夢描き
(ChapterⅠ⇒ChapterⅡ)
"同じライミングで新しい言葉を繋いでいく"というのが、Chapter2の大きなところ。
このセンスよ!!
これを可能にするボキャブラリーの豊富さとセンス!
”同じライミング縛り”で、欲しい意味の言葉を引っ張ってくるって相当なことだと思う。
そして、この自由自在っぷりはこの曲に限らずで。
特に、翔くんソロ「f.t.m(fly to the moon)」(2000年夏コン)から「5×20」まで何曲かで聴ける「嵐 探し 辺り騒がしい」。「嵐(A RA SHI)」の母音「a a i」で韻を踏んでいるところが最高過ぎる!
"Hip Hop慣用句"の使用
Hip Hopでよく使われる言葉(=Hip Hop慣用句)"World is mine"や"時代が手の中に"という言葉を使っている。
2コーラス目
この大草原の先には
何が待っているのだろう~
に重ねているフレーズには
大学生の頃に聴いた、ZEEBRA・TWIGY・DEV-LARGEによる「PLAYER'S DELIGHT」という曲に出て来る
"HIP HOP Hivic Hividivi hip hip happy you don't stop!"
というフレーズを使っている。
(これのHOPとPOPに変えてるのかな?)
さらに、その元をたどると、Sugarhill Gangによる「RAPPER'S DELIGHT」というアメリカの曲が始まり。
”Hip Hopでよく使われるフレーズを使う”というのが、サンプリング的、HipHop的アプローチになっている。
「Do you...?」にある"One for the you guys, two for the show"も"One for the money,two for the show"というHip Hop慣用句から。
※緑の文字はオカピによる補足
補足しておきたいのが、Sugarhill Gangの「RAPPER'S DELIGHT」。
これは世間一般にヒップホップを知らしめた、つまりヒップホップの起源ともいえる曲なんだそうで。
「Hip Pop Boogie」って、ヒップホップの世界に挑戦的なリリックにも聴こえなくないですが、ちゃんとヒップホップのパイオニアをリスペクトしてることを、このワンフレーズで言いきっちゃってる!
しかも”わかる人にはわかる”方法で、ってのがカッコよすぎるぜー!
宮城で観客が湧いた
こんな景色はみんなのおかげ
ここまで連れて来てくれるなんて
宮城で観客が湧いた瞬間、びっくりしたし感動した
そう、ファンはちゃんと歌詞も聞いてるんですよね!ていうか、翔くんの紡ぐ言葉に関しては感度がいつも以上だってこと知っといて欲しいぜ!笑
「Anti-Anti」からのセルフサンプリング
飾りではなく 外野黙り込む
ここは「Anti-Anti」から引っ張ってきてる。セルフサンプリング的な。
セルフサンプリングとは、自分の過去のラップの一節を持ってくることですね。
今回取り上げていたのは、「Anti-Anti」に出て来る
あぁもういい外野黙ってな
の部分のことですかな!
(さらに辿れば、「ペンの指す方向Chapter3」にも”もういい外野黙りな”とある。)
さらに、歌詞や韻の引用だけではなく、「Anti-Anti」で”花咲かすきちんと一輪の”と歌っていたのが、「Hip Pop Boogie」では”蒔いてた種たち咲いてく”になり、「Hip Pop Boogie Chapter2」では”咲いてる花たち抱いてる”になっていくのとかも好きすぎます。
この「セルフサンプリング」の話題から派生しまして…
翔くんのオリジナルソングに「ペンシリーズ」と呼ばれる「ペンの指す方向Chapter1,2,3」がありますが、このChapter3には"俺が噂の大卒アイドル""マイク持つアイドル"など、「Hip Pop Boogie」につながる言葉が出てきています。
また、「ペンの指す方向Chapter1」には"動き続ける長針と短針は""振り返ってみるといやに短期間だった"というフレーズが出てきて、これは「PIKA★★NCHI DOUBLE」のラップ部分にも出てくるフレーズですよね!
あと、これは”セルフ”サンプリングではないけれど、「Hip Pop Boogie」に出て来る"このメンツで届けるぜ"というのは、2001年にカバーした「今夜はブギーバック」の歌詞"これからもずっとずっとその先も このメンツ このやり方 この曲でロックし続けるのさ"のソウルを引き継いでいるのかな。と言うことも書いておきたい。
こうやって”サンプリング”することで、ワンフレーズに過去曲で語った想いも乗せられるっていうのが、ほんと面白い!
LRの使い分け
3バース目
きっと ずっと 一方 通行
立ち止まればすぐ 一生 終了
韻をLとRで振っている。イヤホンで聴くとよくわかる。
このフレーズは、真ん中に聴こえるメインパートに対して、韻を踏む言葉に同じ高さで声を重ねてる
さらに、その重ねられた声の聴こえてくる方向が、
きっ:左
とー:右
ずっ:左
とー:右
・・・って続いていって。
ここを聴いてると、肩が自然と左右左右・・・って動いちゃう感じ!
LRの使い分けについては、この部分だけでなく、イントロアウトロも、さっき取り上げたHip pop~のところにも、他にもたくさん使われていて。
さらにはこの曲に限らない話で、「T.A.B.O.O」の"二回のWink~"のフレーズが秀逸なので是非LRにも注目して聴いて欲しい。
なんなら生配信でのASMRでもLR(ていうか全方位?)をうまく使って聴き手を翻弄してましたよね(鼻血)
人の上 下に 人作らぬなら
俺が その天の頂 いただく
人の上 下に 人作らぬなら
俺が その天の頂 いただく
「平等を掲げているにも関わらず、頂とっちゃうんだ」って思われるかもしれないけど。
”学問を学ぶことでそこから先が変わってくるんだ”という一節で。
自分の中では矛盾していなくて、決意表明的な一文になっている。
慶應義塾の創設者・福沢諭吉の「学問のすゝめ」の一節を使ったこのフレーズ
人は生まれながらに平等であると言われているのに現実には大きな差があって。
その理由は、学んだか学ばなかったかによる。と。
"俺がその天の頂いただく"というのはパッと聴くと調子こいてるようにも聴こえますけど、トップをとるため、トップに立ち続けるために"学び続ける、自分を磨き続ける"という宣言ってことかな。う~ん!カッコイ!
あと、翔くんが話してるのをわたしは聞いたことないのですが、「ペン」という言葉も慶應義塾のペンマークを思わせるところで。
この一節含め、翔くんのルーツを感じるところでもありますなぁ。
What's going on?
Marvin Gayeの「What's Going On」のつもりで当時書いていた。
邦題が「愛の行方」って曲ですね。知らなかったので聴いてみました。
この曲も深く聴いてみることで、「Hip Pop Boogie」への解釈が深まるかもしれませんね
大きな愛描いたり~
大きな愛描いたり
願いたい未来また描いたり
こんなにタイトに韻を踏んでたんだってビックリした。
これ、タイトに韻を踏んでいるのもすごいのですが、ChapterⅠからⅡへの、歌詞内容の変化にも震えているところでして。
Chapter1では
何か違うと思わないかい?
あんな大の大人が
罵り合い大会
なんて僕らは見たくないんだい
と歌っていたのが、Chapter2では
なんか夢があると思わないかい?
こんな大の大人が
大きな愛描いたり
願いたい未来また描いたり
となっていることにグッときちゃうんです。
数年を経て、軸が自分にある感じといいますか。私もこう言える大人になりたいなぁと強く思うフレーズです。
"MY LIFE IS MY MESSAGE"
"MY LIFE IS MY MESSAGE"
Chapter1ではカラオケ扱いだったのを、自分で言うように変えたのが大きな違い。
この言葉はガンジーリスペクト。
以前、ブロ友さんに教えてもらった情報によれば、このガンジーリスペクトの話は、会報84号に載っているそう。
"MY LIFE IS MY MESSAGE"
こんな風に潔く言い切れるのが最高にカッコイイですよね!
◆
ということで、以上でございます!
いや、本当にすごい曲ですよね。記事と動画を作るのに、かなりエネルギーを使いましたフフフ。
まさかこのタイミングで「Hip Pop Boogie ChapterⅡ」の配信、翔くんによるラップ詞解説が聞けると思っていなかったので、本当に嬉しかったです…!
「櫻井翔生配信」、次回もきっとありますよね!楽しみですー
こちらもどうぞ
小説版「ネメシス」完結!
『となりのチカラ』フラゲ日ですねー
いつもありがとうございます♡↓