私の父は、49歳の誕生日前に死んだ。
もう、24年前だ。
さて。
ある日、ふと思いついて、計算してみた。
それは、私の、いつになるだろう?
それは来週、平成29年の、1月23日なのだ。
それが済んだら、
私は、父を追い越す。
いつの頃からか、
私は、それからの日々を、
「オマケの日々」
と決めていた。
全く本能的なもので、
具体的に、だから何をしたいとか、
そんなんじゃなくて、
言ってみれば、
「生かされ」、「自ら生きる」日々。
なんら今と変わらないだろうか?
そうかもしれないね。
お父さんは、
この半年前から、肺がんで、入院していた。
「もう帰ってこれんと思う」
と私にだけ言って行った。
このことは、一昨年死んだ母にも内緒だった。
きっと彼岸で怒られたに違いない。
私だったら、
今の、私だったら、
あんな風に死ねるだろうか。
とてもできたひとで、
当時も私は、誰もが認めるファザコンだったけれど、
友達にもファンがちらほらいたりして、
誰にも優しくて、自慢の父だった。
そして、
私たちは、どれほど信頼され、愛されていたのか。
私は、同じように、夫を、子供たちを、きょうだいを、義父義母を、義兄弟を、信じ愛せているだろうか。
「虫の報せ」が一度だけあった。
後で聞いたら、一番はじめの危篤だったらしい。
このくらいだったろうか。
死を目前に、臨月の娘と、目に入れても痛くない孫を見に来たお父さん。
うたた寝する私を、「風邪ひくぞ」って、
あんなのは初めてで、
虫の報せなんて、
にわかに信じられなかった。
死んでから、
彼がお見本でお手本だったと気づく。
私は、追いつけるのだろうか?
追い越せるのだろうか?
目標は、1月23日。
私の、新たなスタートです。
素敵な毎日を。
愛と感謝をこめて。
おかん。