不思議なお店
いつも通る路地。信号待ちで止まると目に入るお店・・・
昭和な感じのするケーキ屋さん。
くらーい蛍光灯でいつも同じケーキが並んでる。
店内には箱が積んであっていつのぞいてもシャンメリーがショーケースの上に乗っかってるの。
いったい誰が?この店で買うと言うの??
っていうくらいの古ぼけたお店なのである。
通るたびに
「気になる店だなぁ・・・」とおとたまと言ってた。
お休みの日、子供たちとおとたまが公園に行ってきた。
そして帰ってきたおとたまの手にはケーキの箱が・・・
「むふふ・・・」と不敵な笑みを浮かべるおとたま。
「も、もしや・・・そのケーキは!」
「そう!あの不思議なお店のケーキ!!」
うわ!!
ほんまに買ってきたんや!!
おとたまによると腰の曲がったヨボヨボのおじいさんがやっているらしい。
そして厨房をみると古いオーブンとかがおいてあるけどその前はびっしり物が積まれてあって今はそのお店でケーキを作ってるんじゃないようだ。
ケーキは10種類くらいあったけど売れてる気配はない。
「○○宮杯洋菓子の部」みたいな表彰状が飾ってあった。
ケーキを注文するとヨボヨボのおじいさんがイチゴをケーキの上に乗っけて箱に入れてくれたそうだ。
そしてその箱には昔のお店ならどこででも見たことがある箱より一回り小さい包装紙を乗せて角をきれいにおってリボンがかけてあった。
その包装紙のおり方の美しさは年季が入ってたなぁ・・・
で、肝心な味だよね・・・
私ね、昔から鼻だけは利くの!
それが腐ってるかどうかってのはちょっと自信がないけどにおいうつりに関しては自信があるんだよねぇ・・・
私が子供のころ親戚がやってる喫茶店で大好きなクリームソーダを注文して、アイスクリームを食べたとたん!
「う・・・このアイスクリームへんな味がする!」と言って周りを凍らせたわ!
冷凍庫のにおいをアイスクリームが吸っていたみたい。
大人が食べてもあまり感じないわずかなにおいを感じてしまった私。
その鼻はつわりの時も遺憾なく発揮されスーパーも散歩もどこにも出られなかった・・・
その鼻が!またまた利いてしまったの。
チョコレートケーキを食べたとき・・・
カビ臭いというか古い味がした。
「うっ!うつってるわ!」
味に鈍感なおとたまも「なんか言うてることが分かる気がする・・・」と言った。
子供たちは当たり前のように「もういらない」と言い・・・
ほかのスポンジケーキもわずかながらにおいが移ってた。
ケーキを観察すると・・・
スポンジにはクリームだけが挟んである。
ババロアには缶詰ミカンが入ってた。
これは冷凍ケーキを仕入れて少しずつ解凍して売ってるに違いない!
そして冷蔵庫に戻して3日くらいはおいてるんだろうな・・・
だから上のイチゴは注文してからの後乗せなんだ・・・
なるほどねぇ・・・
ヨボヨボおじいさんの生きがいなのかも知れないこのお店だけど、生ケーキじゃなくて焼き菓子だけ売ったらいいのに・・・
でもどうしてそのお店はつぶれないのか?
お店が入ってるマンションのオーナーなのか?
もしかするとそのケーキを製造してる工場のオーナーなのか??
と妄想して楽しんだけど・・・
どうすんねん!このケーキ!!
6個も買ってきて!!
おいしいケーキを3個食べた方が幸せやったなぁ・・・
スーパーで売ってた100円ドーナツを見ておとたまがつぶやいた
このケーキ一個でドーナツ3個とお釣りがくるわ・・・
悲しい・・・悲しすぎる無駄遣い・・・
おじいさんには元気で頑張ってもらいたいけど、もうここのケーキはいらないな・・・と思ったおかん一家でありました。
おあずけ
私の祖母が亡くなってもうすぐ一年になるらしい・・・
一周忌というのをやるとおかんのおかんから言われていた。
今回は遠い私もゆっくり帰れるように春休みにしてくれると言う。
お墓は京都にあるので法事の後のお食事会のお店とかは大丈夫なの?と聞いてみると
宴会のお店もいとこのB子に教えてもらってるからあんたは来るだけでいいよ♪と母。
生まれも育ちも嫁入りも京都のB子に任せておけば安心だと。思っていた。
ら・・・
りーん←実際にこういう音はしません。
「あ、おかん?B子に言われてたお店なんやけど・・・場所はなんとなくわかるんやけど詳しいことがわからへんからちょっと調べてくれへん??」
「え?お母さん、まだ予約してへんかったん?春休みってもうすぐやん!」
「そやけどあっち(遠い親戚)のおばさん入院してはって出席してもらうかどうかもわかれへんし人数決まらんことには予約できひんかと思ってさぁ・・・」
「それはそやけど・・・ちょっと待ってや。調べてるし・・・あ、そのお店なぁ・・・えっと・・・
ちょっと!お母さん!法事って日曜日やったやんなぁ?日曜日、その店お休みやで!」
「え!!うそやん!」
「日曜定休日って書いてある・・・」
「えらいこっちゃ!ごめんやけどほかにお店ないか調べてくれへん??」
「うん、わかった・・・」
と母から人数と予算、お年寄りから子供まで喜ばれるであろう中華料理がいいと希望を聞いた。
そうぜい26人の大所帯である。
きっと母のことだからせっかく田舎から出て来てくれる祖母の兄弟が満足してくれるような「ざ・京都!」みたいな店を考えてるんだろうなぁ・・・
口コミから店をえらんでみたけど、26人が一気に入れるお店って京都らしいおみせではないよね?すでに・・・
結婚式の2次会とかやってくれるお店なら大人数もOKだけどなんせ私たち法事の後だから黒いのよ!服が!!
これじゃお店にも迷惑がかかるわよね??
ってことでホテル内のお店はどうか?と思いついた。
ホテルの中華なら料理、サービスには間違いがないし、急な人数変更にも対応してくれるだろう・・・
これだけ予算があれば大抵のものは食べられるはずだ!
と京都のホテルを検索し始めた。
結婚前、おとたまとホテルのブライダルフェアに行きまくったのが役に立ったわ!
ホテルの雰囲気とか評判みたいのは頭に残ってる!
そこからピックアップして中華のお店を見たんだけど・・・
ホテルでお食事なんて実生活からかなり遠ざかってる私。
おいしそうやねぇ・・・
あら?こちらは鉄板焼き??んまぁ!同じ予算でステーキコースが食べられるわぁ♪
あら?こちらは天ぷら??おいしいんだよねぇ・・・目の前であげてもらって食べる天ぷらは!!
と脱線しまくりよ!
頭の中はステーキ、天ぷら、すし、うなぎ!
あかんあかん・・・今は中華料理を調べなあかんねん!
料理の内容と電話番号を何軒かメモして母に連絡したわ。
「お母さん、ここの中華、口コミでも評判いいみたい。コースもあるけどオーダーバイキングもあるねん!それからこっちの中華はさっきB子にメールで聞いたけどおいしいって言ってたわ。それから懐石やったらこのホテルはあの料亭が入ってるで。」
「懐石は子供がかわいそうやなぁ。ほな、おかんはオーダーバイキングの中華が第一希望でB子お勧めの中華が第二希望やな?」
「え?ほんまはぁ・・・第一希望がオーダーバイキングの中華でぇ。第二希望は鉄板焼きのステーキがいい!」
「ステーキはあかんわぁ・・・法事とは言われへんしなぁ。今度連れてったげるし、今回は中華で我慢してや!ほなありがとう!電話してみるわ!」
ちっ・・・残念!ステーキ食べたいなぁ♪とごちそう写真の余韻に浸っていたらまたまた電話が・・・
「おかん、あかん・・・全滅や
」
「やっぱりなぁ・・・お母さん!春の京都をなめたらあかんわ!私いつも春休みの帰省のときえらい人ごみで泣いてるやん!京都は人気なんやって!!」
母は京都出身なので京都の町は小さいころから見てる景色なので人気観光地というのがピンとこないらしい。
私も同じ!京都=親戚の家。鴨川も五重の塔もいつもの景色なの。
だから早めの予約をせなあかんとかそんな気がまったくなかったのよねぇ・・・
「オーダーバイキングのお店にも『こっちは低価格のオーダーバイキングちゃいますよ!全員コース料理ですよ!』ってにおわしてみたけどあかんかったわぁ・・・席がバラバラなら取れるって言ってはったけどバラバラじゃ法事らしくないしなぁ・・・」
ステーキやったら絶対に取れるで♪って言いたかったけど真剣に困ってる母には言えなかったわ(笑)
またまたホテルを洗い直し、何軒か母に連絡した。
すると
「おかん、ホテルは諦めた。やっぱり黒い服着てるし、個室が取れる中華にしたわ。お父さんにも『近いし個室が取れて融通がきくあそこでいいやん!』って言われたし・・・いろいろ調べてもろてありがとうね!今度ステーキでもオーダーバイキングでも連れてったげるしな♪」
だって・・・
あそこの中華とは祖父の法事をやった中華料理のこと。いわゆる街のでっかい中華屋さんである。
あ~あ・・・
ごちそうが食べられるとウキウキしてたけど(あ、街の中華もごちそうです)お預けになってしもたなぁ♪
でもホテルのHPって現実逃避出来て面白いなぁ♪
夢が見たくなったらまたHP見てみよう♪
と思ったおかんでありました。
都合
ローが口の中を切ったらしい・・・
下前歯を支える歯茎をきったそうな。
なんでこんなへんてこなところを切ったのかと申しますと・・・
でっかいゼリーって売ってるやん?果物たくさん入ってるやつ!
あれを買ってくれと言われたのよ。
じゃ、おやつにしていいよ!と買ってあげたの。
ご飯をたらふく食べた後にそれを食べると言いだした!
「このゼリーはでっかいからご飯の後には食べきれないんじゃないの?」
「大丈夫!」
「じゃ、お母さんは今まだ開けられないから待ってて!」
「大丈夫!ぼく、じぶんで出して食べるから!!」
と冷蔵庫の前に椅子を運び、スプーンを出して用意する。
そして待ち切れずに開けようと試みたんだけどこういった類のゼリーってきっちりくっついてるから開けづらいよね?小さい子には無理!
でも待ちきれないローは歯で蓋のピロピロを噛んで開けようとしたときにあまりに必死でグイグイやってたからカップのふちで歯茎を切ったらしい・・・
流血でした。
その数日後のこと、お弁当にプチトマトを入れたら家に帰ってきて怒ってた!
「おかーさん!ぼくいまお口の中が痛いからプチトマトは無理なんだよ!」
「なんで痛いの?」
「こないだ切ったじゃん!」
「あれ?まだ痛いの??」
「うん・・・ほら」
と見せてくれたらそこが口内炎みたいになっていた。
ありゃりゃ、こりゃ痛い・・・
それからは熱いものが滲みるといいちっちゃく切れ!と言う。
はいはい。とちっちゃくして口の中に当たらないように入れてやる。
必死でモグモグ・・・
ゴックンするとまた口を開けて待っている。
お前はヒナか!!
と思ったけど、しゃーないやん!やりましたわよ。
でも熱い汁ものを拒否するロー。
「熱いから痛いの!ヤダ!飲めない~!」
「じゃ、具だけ食べ!」
「いやだ・・・痛いもん。もう食べられないもん・・・」
とご飯を残したの!
嫌いなものだったから残したわね!と思いつつもほっておいたらやはりまだおなかがすいていたのだろう・・・
「おかーさんデザートない?」
「あ、ヨーグルトあるけど・・・」
「うん、知ってる!あれ食べよ♪」
とヨーグルトをまた歯で開けようとしたので
「それで口の中切ったんちゃうん?」と突っ込むと
「あ、そうだった・・・」と手で開けた。こぼしてたけど・・・
それを食べ終わった後もまだ冷蔵庫の周りをうろうろ、中を物色する男。
おなかすいてんねんやったらご飯食べろ!と思いつつほっておいた。
すると野菜室からみかんを出してむいているではないの!!
「あんた!口の中痛いんやろ!!みかんなんて一番しみるで!!」
「あ・・・そうだった。でもむいちゃったからいいや!」
と言って一個食べたの!
「滲みひんのん?」
「大丈夫!熱くないからね!」
えらい都合のいい口してはりますなぁ・・・