※【病気解説一覧】のリンクを記事に最後に貼ってあります。様々な病気や検査について語っておりますので、普段から気になってるものを探していただければ幸いです。
※出典:三菱 岩崎弥太郎年表。三菱の創始者は胃癌により50歳で生涯を終える。
今回も一応、閲覧注意の画像があります。ご注意下さいませ。
癌の部位別死亡数において男性で第3位、女性で第5位。それが胃癌であります。
「年1回は胃カメラを受けましょう」
消化器内科医はみんなこう言います。
何故なら胃癌は進行がそれなりに速く、1年以上放っておくと遠隔転移してしまう恐れがあり、そうなると手術で治すことが出来なくなってしまうからです。
とは言え、逆に言えば胃癌は膵癌などと違って、手術で取り切れる状況なら助かる確率が高い癌です。
「5年生存率」って聞いたことありませんか?
どの癌も「治療から5年以上生きていれば治ったことにしよう」という前提がありまして、つまり「5年生存率」とは「治る確率」なのです。
胃癌はこの5年生存率がstageⅠ-Ⅱなら70-90%。
膵癌はこうはいきません。2cm以下の腫瘍を手術してもせいぜい30%ちょっとですから。3割バッターは野球では優秀ですが、癌治療の世界では褒められたものではありません。
それでも時間が経過すればするほど、下のイラストのように、胃癌はどんどん深く進んでいきます。
※出典:がん情報サービス 胃癌 治療
転移には、リンパ管を通って遠くに飛ぶリンパ節転移、静脈を通って遠くに飛ぶ血行性転移(肝臓や肺など)、癌が外に漏れ出て起きる腹膜播種があります。
その出発点は当然胃癌です。そしてイラストの「粘膜下層」にリンパ管や血管が通っています。地面に埋められた水道管やガス管みたいなもんです。胃癌が深くなればなるほど、水道管にあたって癌細胞が管に入るし、外に漏れる可能性が出てくる訳です。
ですから、この「粘膜下層」より深くなってしまい転移の可能性が高くなった癌を「進行癌」、それより浅くて転移の可能性が低い癌を「早期胃癌」と呼ぶのです。進行度とはつまり深さなのです。
では進行癌は転移している可能性があるので、「治す」治療、つまり手術を諦めるのでしょうか。
いいえ。そんなことはありません。CTなどで明らかな転移がない限り、チャンスのある限り、治すことを目指して手術をするんです。胃癌は手術以外では治せませんからね。
だからこそ可能な限り早く見つけて少しでも早く手術をしたい。そのための「年1回胃カメラ」なのです。
早期胃癌であれば内科の内視鏡治療(粘膜下層剥離術:ESD)、進行癌であれば外科の腹腔鏡手術。日本の技術は世界をリードしてます。根治を目指すだけの価値はあります。

※いわゆるⅡc like advanced。
※噴門部の2型です。もちろん胃全摘になりました。
これだけ進行してても手術を行い、お二人とも5年経過しました。手術を目指す意義はあるのです。
化学療法や放射線治療については、またいずれ解説させていただきたいです。
それでは皆さん、お疲れ様です。
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