東京の戦争博物館 | オカポンのブログ

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岡本 誠 OKAMOTO Makoto

2024年8月21日と22日、東京の戦争博物館を6ヶ所、見て回りました。下記がその博物館です。
1.遊就館 公開ページ ウィキペディア
2.昭和館 公開ページ ウィキペディア
3.平和祈念展示資料館(愛称:帰還者たちの記憶ミュージアム)公開ページ ウィキペディア
4.しょうけい館 公開ページ ウィキペディア
5.東京大空襲・戦災資料センター 公開ページ ウィキペディア
6.川崎市平和館 公開ページ ウィキペディ
最後の川崎市平和館は神奈川県川崎市中原区にありますが、他の5点は東京都23区内にあります。

旅行をする時は戦争に関わる博物館や史跡を見て回るようにしています。6月にヨーロッパを旅行したとき、各国の戦争博物館を見て回りました。予想外に日本が取り扱われていて感銘を受け、改めて東京の戦争博物館を見ているのか気になり、今回調べて回りました。
旅行のブログ一覧欧州旅行・目次欧州旅行で見た日本・戦争博物館
欧州旅行で見た戦争博物館 
イギリス帝国戦争博物館(6月7日ロンドン)、イギリス空軍博物館(6月8日ロンドン)、フランス軍事博物館(6月9日パリ)、ル・ブルジェ航空宇宙博物館(6月11日パリ)、オランダ国立軍事博物館(6月18日アムステルダム)、ベルギー王立軍事歴史博物館(6月19日ブリュッセル)

■遊就館
ここを訪れるのは3回目。靖国神社の中にあり、幕末から太平洋戦争までの戦史が分かりやすく説明されています。玄関と最後の大展示室に戦闘機や魚雷や戦車が展示。戦死者の遺影や遺書も数多く展示されています。


靖国神社の奥にあります。


兵食(へいしょく)という特別展が開催中。


撮影は玄関と大展示室のみ可。


入場料は1,000円。


零式艦上戦闘機五二型。


C56蒸気機関車。泰緬(たいめん)鉄道(大戦中にタイとミャンマーを結ぶ)で使われていた。


大展示室。


高射砲と九七式中戦車。


特攻魚雷の回天。


艦上爆撃機の彗星。


特攻ロケット滑空機の桜花。


桜花は一式陸攻などの攻撃機に吊るされて目標近くで切り離される。


特攻水上艇の震洋。


兵食の特別展。パネル展示が中心。


意外と豊かな食事、というのが感想。


■昭和館
靖国神社の近く、九段にある展示館。昭和10年頃から30年頃までの国民生活の労苦を伝える。パネル中心。

九段下の交差点の角にある。


入口。


入場料は65才以上は360円。


館内は撮影不可。


■平和祈念展示資料館(愛称:帰還者たちの記憶ミュージアム)
新宿住友ビル(三角ビル)の33階にある、太平洋戦争体験やシベリア抑留を伝える。パネル、物品、ジオラマなど。
新宿住友ビル。


15歳少年兵の記憶、という特別展示中。入館無料。


撮影は原則自由。他の博物館もこれに倣って欲しい。


昭和館と違うのは戦場や兵士の展示がある。


奉公袋。フランス軍事博物館にも展示されていた。


赤紙。映画やドラマに出てくる。


千人針。ベルギー王立軍事歴史博物館にも展示されていた。


終戦の詔書の複製。フランス軍事博物館にも展示されていた。


シベリア抑留地のジオラマ。


シベリア収容所のジオラマ。


ある少年兵の記録。生還してこの資料館の語り部となる。


数々の海戦を体験している。


■しょうけい館(戦傷病者資料館)
千代田区九段北にある、戦傷病者の体験を伝える博物館。戦場洞窟内で麻酔無しで腕を切断するジオラマがリアル。義手・義足の展示もあった。
ビルの2階3階。入館無料。


チケットにQRコードがあり、3階はそれをかざして入る。撮影は不可。


■東京大空襲・戦災資料センター
江東区北砂にある、東京大空襲を伝える資料館。ここだけは民間施設で規模は小さい。空襲を受けた範囲、焼夷弾、実体験を伝える。
ビルの1階2階。入館料300円。写真はクローズアップしなければ可。


1階の映像室。被災マップとパネル展示。


東京空襲被災地図。


無差別爆撃の歴史のパネル。


2階にB29の模型。


焼夷弾の模型。


焼夷弾の消火マニュアル。


薙刀訓練。


サイパンが陥落して空襲が始まった。


■川崎市平和館
東京ではないが近いので行った。川崎大空襲と「平和と非平和」についての展示。
武蔵小杉駅から徒歩10分。綱島街道沿いにある。


入口。「沖縄戦と戦後の米軍統治」という特別展が開催中。入場無料。


館内は撮影禁止。


設備は新しく充実していた。


非平和というパネルが興味深かった。平和の対義語として戦争が上げられるがそうではない。暴力的な対立、抑圧、貧困、差別なども平和とは言えない。戦争、軍備、兵器を忌み嫌う日本人のマインドは、平和の対義語を戦争と誤って理解したことにあると思う。


沖縄戦の特別展は、当時の写真をカラー化していた。


■6館の比較

■感想
ミリタリーファンとして戦闘兵器の見学を期待したが、遊就館しか展示はなかった。ヨーロッパの戦争博物館は、兵器の展示にあふれていたが、東京の戦争博物館は人々の生活や体験を展示するものが多かった。
写真撮影は6館中4館で制限された。ヨーロッパで写真撮影が制限されたのは、イギリス帝国戦争博物館のホロコーストのコーナーだけで、他は自由に撮れた。博物館が情報を一般に共有することが目的ならば、もっと撮影を認めて欲しい。
東京大空襲は死者が10万人を越える大きな被害にもかかわらず、それを伝える博物館が民営で小規模なのが残念。川崎市の川崎大空襲(死者約1千人)の展示の方が東京大空襲より充実している。東京都の建設計画もあったが政治問題化して1999年に凍結されたままになっている。
以上