今年聴いた落語 | オカポンのブログ

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岡本 誠 OKAMOTO Makoto

1年前に山梨から東京に越して、落語をよく聴くようになった。落語は元々好きなのだが、山梨ではほとんど上演されない。この1年間で、19回も落語会に行った。寄席は1回のみ。立川談笑が出演する会は15回と8割を占める。立川談笑のファンなのだ。

立川談笑『令和版 現代落語論』、#わたラク マガジン Vol.9、撮影:橘蓮二(表紙)、ムトー 清次(裏表紙)


落語との出会いを振り返ると、父が落語好きだった。テープレコーダーで落語を聴いていた。立川談志が好き、天才だと言っていて、自分も「芝浜」を聴かせてもらったことがある。それまで落語は笑う演芸だと思っていたが、落語は泣く演芸でもあることを知った。古今亭志ん生や桂三木助(三代目)もおぼえている。立川談志も好きだった。以上は学生時代の記憶だ。

社会人になって落語を聴くことはあまりなくなった。それがまた聴くようになったのは2011年頃から。2011年3月6日に川崎市麻生市民館で行われた立川談志一門会に行った。この時、談笑は片棒・改をやって大爆笑した。他に、志らく、志ら乃、パックンマックンが出演している。トリは談志。喉頭がんのため声が出ない。呼吸のスーヒーという音が聞こえる。咳が止まらないのだが、それでも落語をやった。最後に「これで死んだらあんた達、 いいもの見れたことになるね」と談志らしい台詞。大きな拍手が上がった。その後、立川談志は11月21日に亡くなる。私の聴いた立川談志一門会が談志の最後の高座であったことを後から知った。

談笑の片棒・改に感激してCDを3枚買って聴いていたが、2013年から10年間、山梨へ単身赴任となり、落語を聴くことがほとんどなくなった。東京に戻った2023年、立川談笑一門会を皮切りに落語を聞きに行くようになった。

落語は泣く演芸、と書いたが今でも人情話が好きだ。その中に笑いが織り込まれていると良い。笑いは本編よりも枕に期待してしまう。談志の枕は最高に面白かった。立川談笑著「令和版現在落語論」によると、枕をしっかり話すようになったのは立川談志からだそうだ。


談笑も枕が面白い。談笑一門会で枕が長くて全体が3時間ぐらいになったことがあったが、全く問題ない。枕だけだと漫談・スタンドアップコメディーとなるが、日本ではこのジャンルが確立されていないように思う。

この1年間たくさん落語を聴いて、好きな噺家を上げると、立川談笑、立川笑ニ、立川談洲。談笑一門会をずっと聴いていたので偏るのはやむを得ない。他に好きなのは、柳家三三と立川談吉。
立川談笑は10年以上のファン。噺の実力もあるし、新作や改変に取り組んでいる点が素晴らしい。
立川笑ニは新作のストーリーが面白い。私は古典よりも新作の方が好きなのです。
立川談洲は声が聞き易く噺が上手い。
柳家三三は噺の語り口が上品で心地よい。
立川談吉は一回聴いた「太郎お伊勢」が素晴らしかった。人魚の上半身が海老というのが爆笑だった。

この1年のベスト演目を考えたが、最近聴いたせいもあるが、12月20日の内幸町ホールの立川談笑の「文七元結」。久しぶりに落語で泣いてしまった。談笑の実力もあるが、古典をいろいろ修正している所が素晴らしかった。


来年は談笑一門会以外の落語も聴こうと思う。特に新作をできるだけ聴きたい。また東京にいるのだから寄席にも行くつもりだ。立川談笑、談笑一門に勝る噺家に巡り会えればと思う。


2023年に行った落語会
3月29日 立川談笑一門会、武蔵野公会堂
 笑王丸 平林
 吉笑 大根屋騒動
 談笑 天災
 笑二 風呂敷
 談洲 水神
4月21日 立川談笑一門会、武蔵野公会堂
 笑えもん 真田小僧
 談洲 たらちね
 吉笑 落語家
 談笑 雑排
 笑二 大どこの犬
5月14日 立川談笑月例独演会、国立演芸場
  饅頭とか怖い、千早振る、慶安太平記より「市ヶ谷の闇討ち」
6月4日 立川談笑月例独演会、国立演芸場
 幇間腹、復習おんな(新作)、慶安太平記より「丸橋忠弥」
6月30日 喬太郎・三三・萬橘 三匹が喋る、銀座ブロッサム中央会館ホーム
 三遊亭まんと 一目上がり
 三遊亭萬橘 次の御用日
 柳家三三 締め込み
 柳家喬太郎 社食の恩返し
7月15日 立川談笑月例独演会、国立演芸場
 反対クルド俥、お化け長屋、慶安太平記より「吉田の焼き打ち/怪僧善達」
7月23日 柳亭市馬・柳家喬太郎・林家きく麿、めぐろパーシモンホール 大ホール
 柳亭市助 転失気 
 柳家喬太郎 品川心中 
 林家きく麿 首領が行く! 
 柳亭市馬 青菜 
 7月27日 立川談笑一門会、武蔵野公会堂
 笑王丸 八五郎長屋
 吉笑 伊賀一景
 笑二 ちむわさわさぁ
 談笑 饅頭怖い
 談洲 ねずみ
8月23日 志らく談笑二人会
 立川笑えもん たらちね 
 立川談笑 千早ふる変形A〜やかん〜 
 トーク 松岡ゆみ子,松岡慎太郎,立川志らく,立川談笑
 立川志らく 抜け雀 
9月13日 立川談笑月例独演会、国立演芸場
 プリントが無い(新作)、天災、慶安太平記より「品川沖の大砲/牧野兵庫之守」
10月18日 立川談笑・柳家三三二人会、赤坂区民センター
 立川笑えもん 千早ふる 
 立川談笑 寿限無 
 立川談笑 饅頭とか怖い 
 柳家三三 猫定 
10月27日 立川談笑一門会、武蔵野公会堂
 笑えもん 紙入れ
 笑二 すきなひと
 談洲 藪入り
 談笑 時そば
 吉笑 片棒・改
11月11日 立川談笑月例独演会、内幸町ホール
 初天神、黄金餅、慶安太平記より「挙兵前夜/松平伊豆守」
11月21日 談志まつり昼の部、よみうりホール
 談吉 ざるや 
 小談志 猫の皿 
 談笑 山号寺号 
 志遊 田能久 
 談四楼 一文笛 
 雲水 お血脈 
 志らく 短命 
 談之助 寄席はるあき 
 談春 粗忽の使者 
11月21日 立川談笑一門会、武蔵野公会堂
 笑王丸 道具や
 吉笑 十徳
 談吉 太郎お伊勢(代演)
 談洲 あくび指南
 談笑 芝浜・改
12月 2日 稲城寄席、稲城市中央文化センター ホール
 落語 桂れん児 金明竹
 落語 三笑亭可龍  天狗裁き+踊り
 講談 神田松鯉  大高源五と宝井其角(たからいきかく)
  紙切り 林家二楽・八楽
 落語 桂宮治  片棒
12月12日 立川志らく独演会、日経ホール
 らく兵 洒落小町
 志らく 文七元結
 志らく 芝浜
12月20日 立川談笑月例独演会、内幸町ホール
 イラサリマケー、文七元結、慶安太平記より「大事、露見す」
12月22日 立川談笑一門会、武蔵野公会堂
 笑えもん 権助魚
 吉笑 狸札
 談笑 テレビ算
 笑ニ あたま山
 談洲 火事息子
以上