こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

神武征討記の登場人物等はこちら( ・ω・)

 

 

 

 

なお、この物語はフィクションです。

極右、ネトウヨからの批判、誹謗中傷は受け付けません。

本作の著作権は、作者に属します( ・ω・)

それでは、はじまりはじまり~

 

 

 

この物語は、日本という国の原型を作った一人の

空前絶後の英雄の生涯を描いた物語である。

 

神武征討記

第60話「海に望んで~長崎から見た天下」

 

 

ストーリーテラーのアメノウズメでございます。

四国を統一し、海援隊を結成することになったトサノリョウマ。

オテントサマ号が寄港している伊予(愛媛県)松山の港には、

トサノリョウマの見送りに大勢の人々が詰めかけています。

 

 

ナガオカノハンペイタ「九州の長崎まで船の旅だ。

リョウマ、気をつけてな。」

 

トサノリョウマ「おう。これから、俺たち海援隊は日常的に海に出るが、

まずは最初が肝心じゃ。

ハンペイタ。伊予(愛媛県)のことは頼むぜ。」

 

アコ「トサノリョウマ様。我が父を助命していただいたばかりか、

父ソガベモトチカを土佐(高知県)の太守に推挙までしていただき、

まことにありがとうございます。

私の一家も、土佐(高知県)に戻り、これからは父に孫との生活も

させたいと思っております。」

 

トサノリョウマ「ソガベモトチカ殿も、突然、10歳の孫のじいちゃんに

なっちまったな。

もう、四国には戦争は無い。

家族で仲良くな。」

 

アコ「はい。ありがとうございます。トサノリョウマ様と神武様のご恩、

一生忘れません。」

 

ケンゴウイゾウ「リョウマ。元気でな。」

 

トサノリョウマ「イゾウも来ればいいのに。」

 

ケンゴウイゾウ「俺は…船が苦手じゃ。陸で剣を振るうしかできん男じゃからな。

ハンペイタさんを伊予(愛媛県)で助けていくわ。」

 

トサノリョウマ「ああ。まあ、また伊予(愛媛県)にもちょくちょく来るさ。

なんせ伊予(愛媛県)は、瀬戸内海の航路にあるからな。」

 

ナガオカノハンペイタ「俺も一緒に行きたかったが、

伊予太守の責任をサエキノマオにぶん投げられちまったからな。

サエキノマオは、これからは自分の悟りと信仰を追求するそうだ。

まずは四国で88か所の聖地を見つける旅をすると言っていた。」

 

トサノリョウマ「四国88か所の聖地を見つける旅か。

それも面白そうな旅だなぁ。」

 

アキノシンタロウ「リョウマ。そろそろ、出航の時間だ。」

 

トサノリョウマ「ああ。わかった。

みんな、元気でな。

なぁに、長崎も四国も同じ日本。海でつながっておるさ!」

 

 

オテントサマ号に乗り込むトサノリョウマ、クルシマエヒメ、アキノシンタロウ、

チョウノコゴロウ、キヘイタイシンサク、ムツカイセイ、イタガキシストモ、タイセイショウジロウ。

トサノリョウマ達が乗ったオテントサマ号は、松山の港を出港していきます。

そして、龍雲山の上からオテントサマ号を見送るサエキノマオ…

 

 

サエキノマオ「トサノリョウマよ。今生に限り、

お前と共に世俗の戦いに加わったこと…

存外に面白かったぞ。

お前の目の前には大きな海が広がっておる。

その海を思うがままに進むが良い!

最初の日本人(ニッポンジン)トサノリョウマよ!」

 

 

松山の港を出港したトサノリョウマ達のオテントサマ号。

しかし、オテントサマ号には、いきなり関門が待ち構えていた。

オテントサマ号が松山近海の中島の南に差し掛かった時…

 

 

タケヨシ「北から向かってくる潮の流れ…

こいつはやばいな。」

 

クルシマエヒメ「どうしたの?タケヨシ船長。」

 

タケヨシ「頭領。北から複数の軍船が来る。

瀬戸内海でこの速度の軍船。

おそらくはヘイハチトウゴ水軍だ。」

 

アキノシンタロウ「ヘイハチトウゴ水軍だと!?

こんな伊予(愛媛県)近海まで!?」

 

トサノリョウマ「ヘイハチトウゴ水軍は、安芸(広島県)近海の

島々に自由に出入りしている。

まあ、伊予(愛媛県)の近くまで来てもおかしくはないな。」

 

キヘイタイシンサク「ヘイハチトウゴ水軍か。

こっちはオテントサマ号一隻。

戦うか?」

 

トサノリョウマ「いや。海ではヘイハチトウゴとは戦うな…

いったん、中島に寄港しよう。」

 

 

中島の港に寄港するオテントサマ号。

しばらくすると、すさまじい速度でヘイハチトウゴ水軍の闘艦3隻が中島に向けて南下してきます。

中島近海の海上…

 

 

ヘイハチトウゴ「…何かいるな。

中島に上陸する。」

 

マツヤマノサネユキ「はっ!中島に寄港せよ!」

 

 

ヘイハチトウゴ率いる3隻の闘艦も中島に寄港します。

その様子を隠れて見ているトサノリョウマ達。

 

 

トサノリョウマ「ヘイハチトウゴも中島に寄港したか。

こりゃ、鉢合わせじゃな。」

 

 

オテントサマ号を発見するヘイハチトウゴ水軍。

 

 

ヘイハチトウゴ「これは…やや旧式ではあるが、

闘艦か。神武軍の戦艦か?」

 

マツヤマノサネユキ「むっ!闘艦に人が乗っています!

おい!貴様!何者だ!?」

 

タケヨシ「あぁ?何者?

俺は、このオテントサマ号の船長じゃ。」

 

マツヤマノサネユキ「オテントサマ号だと!?

所属と船籍を述べよ!」

 

タケヨシ「何を偉そうに。

俺は、この船を守っておる。それだけじゃ。」

 

マツヤマノサネユキ「貴様!神武軍の者だな!?」

 

タケヨシ「俺は、海援隊所属!オテントサマ号船長のタケヨシじゃ!」

 

マツヤマノサネユキ「海援隊!?なんだそれは!?」

 

タケヨシ「俺にもようわからん!

だが、俺たちの新しい会社の名だ!」

 

マツヤマノサネユキ「会社!?何を言ってるのか、

さっぱりわからん!」

 

タケヨシ「俺は船を動かすこと以外に興味は無い!」

 

マツヤマノサネユキ「ええ~い!

もっと会話の通じるヤツはおらんのか!?」

 

 

物陰からタケヨシとマツヤマノサネユキのやりとりを見ているトサノリョウマ達。

 

 

トサノリョウマ「タケヨシ船長、オテントサマ号から一人降りず、

向こうの参謀格らしき男と話しておるな。」

 

アキノシンタロウ「リョウマ。どうする?」

 

トサノリョウマ「俺が出よう。いきなり攻撃してくるのではなく、

話をしてきたということは、対話が成り立つ可能性がある。」

 

 

トサノリョウマがマツヤマノサネユキに話しかけます。

 

 

トサノリョウマ「そのオテントサマ号は俺たち海援隊の船だ。

俺は海援隊社長のトサノリョウマ。

あんたらの一番偉いヤツと話がしたい。」

 

マツヤマノサネユキ「トサノリョウマ!?

神武軍の四国の軍団長か!」

 

トサノリョウマ「俺はもう四国の軍団長じゃない。

新会社・海援隊の社長だ。」

 

マツヤマノサネユキ「だまれ!トサノリョウマと言えば、

四国を統一した神武十将軍!

我らヘイハチトウゴ水軍と相対して、生きて帰られると思うな!」

 

トサノリョウマ「俺は、武器を持っておらん!

これから海から日本(ヒノモト)を助ける活動をする、

会社!海援隊の社長だ!

ヘイハチトウゴ水軍というのは、武器を持たぬ民間人を

一方的に殺す、ろくでもないならず者の集まりか!?」

 

マツヤマノサネユキ「な、なんだと?」

 

ヘイハチトウゴ「マツヤマノサネユキ!俺がその男と話そう。」

 

マツヤマノサネユキ「ヘイハチトウゴ様!」

 

ヘイハチトウゴ「トサノリョウマという名が聞こえた。

俺は、大和十二神将が一人。

大和海軍提督・ヘイハチトウゴである。」

 

トサノリョウマ「海援隊社長。同時に、

神武十将軍が一人。トサノリョウマだ。

あんたが、海神の威名を持つヘイハチトウゴか。」

 

ヘイハチトウゴ「貴公。武器を持っておらぬようだが、

神武十将軍の貴公がなにゆえに武器を持たず、この俺の前に現れた?」

 

トサノリョウマ「ヘイハチトウゴ。俺たち海援隊は、

これから領地を持たぬ海で活動する会社として活動をすることになった。

そこでだな…」

 

 

ヘイハチトウゴを相手に、トサノリョウマの独演会が始まる。

このときのことをムツカイセイは次のように書き記している。

「トサノリョウマは日本(ヒノモト)という国にとっての海の重要性について、

ヘイハチトウゴに熱弁を振るった。

ヘイハチトウゴは、トサノリョウマの話を終始うなづきながら聞いていた。

ヘイハチトウゴは海に囲まれた島国である日本(ヒノモト)をどのように栄えさせ、

どのように防衛するかについて、トサノリョウマの考えに感嘆した。」

 

 

ヘイハチトウゴ「なるほど。大和勢力と神武勢力で立場は異なるが、

この日本(ヒノモト)を守り、栄えさせるという目指すものは同じということだな。

そして、お前たち海援隊は、神武軍ではなく、独立した会社。

我らヘイハチトウゴ水軍も、海援隊と取引をさせてもらう。」

 

トサノリョウマ「さすが、大国ロシアのバルチック艦隊を破る男だな。

物分かりが良い。」

 

ヘイハチトウゴ「ろしあ?ばるちっく艦隊?」

 

トサノリョウマ「ああ、あんたの生まれ変わりがやることだがね。」

 

 

なんとトサノリョウマは大和十二神将の一人であるヘイハチトウゴと交渉によって、

海援隊の瀬戸内海での自由な航行権と軍需物資以外の物資についての取引を行う協定を締結した。

ヘイハチトウゴは大和勢力でありながら、海援隊の良き理解者の一人となった。

トサノリョウマ達は、その後、オテントサマ号に乗り、九州の長崎に到着する。

長崎に着いたトサノリョウマは海援隊の本社となる館を作り、従業員の募集を開始。

海援隊には、肥後(熊本県)からの避難民はもちろん、西日本の各国から、

人が集まり、選考の結果、5万人の従業員(うち1万5000人は戦闘員)が

海援隊に雇用された。

 

 

アキノシンタロウ「5万人か…思った以上に集まったな。

だが、神の子孫はもちろん、豪族階級出身の者はほとんどおらん。

庶民出身の従業員たちだ。

これまでの神武軍のように、知にも武にも長けた精鋭たちというわけにはいかんな。」

 

トサノリョウマ「一人で何でもできる精鋭である必要は無いよ。

一芸に秀で得意なことをやる。

一芸が無くても、真面目に地道に仕事をこなす。

一人ひとりが人財じゃ。」

 

クルシマエヒメ「リョウマ様。幹部候補として推薦された者たちとの面接をお願いします。」

 

トサノリョウマ「おお!どんなヤツらが集まった!?」

 

 

長崎の海援隊本社で、幹部候補生たちの面接が行われます。

 

 

キヘイタイシンサク「まずは俺が長州(山口県)で見つけてきた連中だ。」

 

ハクブン「わ、私は!周防(山口県)の百姓に生まれました

ハクブンであります!」

 

キヘイタイシンサク「ハクブンは百姓の出だが、地頭が良い。

事務処理能力、手配の段取りの上手さは、学のある連中に負けんヤツだ。」

 

アリトモ「アリトモであります!亡き父はアカマホウイチ様の軍で兵卒をしておりました!

い、戦は苦手であります!」

 

キヘイタイシンサク「アリトモは軍勢指揮や武勇はからっきしだが、

軍が動く基盤になる軍政に才があると俺は見た。使ってみてくれ。」

 

チョウノコゴロウ「長州からもう一人推挙させてくれ。

周防(山口県)の下級役人の息子でイノウエノカオル。

銭勘定が得意だ。」

 

トサノリョウマ「おお!銭勘定が得意なヤツは助かるぞ!」

 

イノウエノカオル「イノウエノカオルです!銭を数えるのが、

飯より好きです!」

 

トサノリョウマ「志望動機を聞かせてくれ。

ハクブン、アリトモ、イノウエノカオルの順に。」

 

ハクブン「私は!女にモテたい!

海援隊でかっこよく仕事をして女にモテたいです!」

 

アリトモ「私は!金が稼ぎたい!

バリバリ働いて、金持ちになりたいです!」

 

イノウエノカオル「私は!人に認めてもらえる

誇らしい仕事をしたいです!偉くなりたい!」

 

アキノシンタロウ「おいおい。女、金、名誉。

お前らの志望動機は、それかよ。

もっとさぁ。天下万民のためにとか、

この日本(ヒノモト)のためにとかさぁ…」

 

トサノリョウマ「いやぁ。お前らは正直じゃ!

気に入った!」

 

アキノシンタロウ「リョウマ!」

 

トサノリョウマ「そうよなあ。女にモテたい。

金持ちになりたい。人に認めてもらえる偉いヤツになりたい。

まっとうな動機じゃねえか。

そういう動機から一所懸命努力するってのは、ごく普通のことだと思うぜ。

そして、そのごく普通の動機から努力する聖人君子じゃないヤツらこそが、

この国を、日本(ニッポン)を作っていくんじゃ!

それぞれの個人の幸福を追求しながらな!」

 

ハクブン・アリトモ・イノウエノカオル「はい!頑張ります!」

 

 

ハクブン(統率62、武勇48、知力80、政治96、魅力82)は初代内閣総理大臣・伊藤博文の前世。

アリトモ(統率74、武勇54、知力78、政治84、魅力69)は初代陸軍卿、第3代内閣総理大臣・山縣有朋の前世。

イノウエノカオル(統率36、武勇29、知力79、政治88、魅力71)は外務大臣・大蔵大臣などを歴任する明治の政治家・井上馨の前世です。

神による統治ではなく、人による国作り。三人は、トサノリョウマの海援隊に課長として入社しました。

 

 

クルシマエヒメ「リョウマ様。彼女は、タチバナノギンチヨ。

あなたの社長秘書として推薦します。」

 

タチバナノギンチヨ「お初にお目にかかります。

私は、筑紫(福岡県)久留米の生まれ。

タチバナノギンチヨと申します。

よろしくお願いいたします。」

 

トサノリョウマ「ほう。なかなか美人だね。

こういう発言もセクハラになっちまうかな?」

 

タチバナノギンチヨ「光栄にございます。」

 

イタガキシストモ「庶民の生まれにしてはなかなか

礼儀もしっかりしていそうだな。

だが、クルシマエヒメさん。こんな美人を

旦那の秘書に推薦していいのかい?」

 

 

何の気なくタチバナノギンチヨに近づくイタガキシストモ。

イタガキシストモがタチバナノギンチヨの背後を通ったそのとき!

 

 

タチバナノギンチヨ「あたしに近づくんじゃねえ!

このチカン野郎が!」

 

イタガキシストモ「えっ!?」

 

 

次の瞬間!イタガキシストモの体が宙に舞う!

そして、地面に叩きつけられるイタガキシストモ!

なんと、タチバナノギンチヨがイタガキシストモを投げ飛ばした!

 

 

タチバナノギンチヨ「あっ!またやっちゃった!

お怪我はありませんか!?」

 

イタガキシストモ「な、なにが起こったんじゃぁ!?」

 

タチバナノギンチヨ「本当にごめんなさい!

あたし!昔、チカン被害に遭ったことがあって、

男性が後ろから近づくと反射的に投げ飛ばしてしまうのです!」

 

トサノリョウマ「ほう。あの四国で最強クラスの武人イタガキシストモを

簡単に投げ飛ばすとは。たいした武勇だ。」

 

クルシマエヒメ「ふふっ。リョウマ社長。

間違っても秘書にセクハラなんてしようと思わないことね。」

 

トサノリョウマ「タチバナノギンチヨ。俺も、

あんたとは十分な間合いをとって話しかけるようにするよ。」

 

タチバナノギンチヨ「よ、よろしくお願いします!」

 

 

タチバナノギンチヨ(統率80、武勇95、知力70、政治71、魅力87)は、

戦国時代の女性武将・立花誾千代の前世。

彼女はこの後、トサノリョウマの秘書兼ボディガード役となっていきます。

 

 

アキノシンタロウ「しかし、うち(海援隊)の幹部候補生たち。

キャラが濃いのばっかりだな…

次のヤツはどうかな。」

 

アマクサノシロウ「私は、肥後(熊本県)の生まれ。

アマクサノシロウと申します。

人の悩みを聞くことを得意としています。」

 

トサノリョウマ「ほう。人の悩みを聞くのが得意か。

そういう人材も必要だな。」

 

アマクサノシロウ「トサノリョウマ社長。一つ質問があります。

御社・海援隊では信仰の自由は認められていますか?」

 

トサノリョウマ「信仰?おまえさん、どこの氏神様を信じてるんだ?」

 

アマクサノシロウ「私が信じるのはデウスの神。

神は唯一デウスの神でございます!」

 

トサノリョウマ「あんたキリスト教徒か。この古代日本に

キリスト教の教えがどうやって入ってきたのは不思議だが。」

 

※トサノリョウマは、サエキノマオの術により、未来を見てきたため古代人には無い知識があります。

 

 

アマクサノシロウ「神の愛の前には、国境も海も関係ありません!

神の愛は、たやすく海をも超えるのです!」

 

トサノリョウマ「俺たち海援隊は、いや、神武の治める日本(ヒノモト)は、

誰がどんな神を信じることも自由だ。

お前の信仰の自由はもちろん認められる。

ただし、他の者の異なる信仰を否定はするなよ。

なんせ、この日本(ヒノモト)は、あらゆる神を受け入れる

八百万の神々の国だからな。

アマクサノシロウ。人々の悩みを聞き、より良き職場環境、社会を作っていくことに

尽力してくれ。」

 

アマクサノシロウ「すべては…神のお導きのままに。」

 

 

アマクサノシロウ(統率82、武勇73、知力67、政治66、魅力90)は、

江戸時代初期のキリシタン・天草四郎時貞の前世。

彼は海援隊の厚生課長として人々の悩みを聞き、より良き職場環境を作るための提案を行っていくことになります。

 

 

タイセイショウジロウ「どの新人も、キャラが濃いな…

こいつらまとめていけるかなぁ…?」

 

トサノリョウマ「一人ひとりが主人公だ。まあ、なるようになるさ。」

 

アキノシンタロウ「さて。最後の一人だ。

海援隊は株式会社。株式会社は利益を上げ続けないと活動ができない。

そして、利益を上げるのは商売、営業だ。

俺が筑紫(福岡県)の博多で見出したソウシツを営業課長として推薦する。」

 

ソウシツ「私は、博多の商人ソウシツです。

トサノリョウマ社長が海援隊という会社を興されたということで、

アキノシンタロウさんにお声がけしていただきました。」

 

トサノリョウマ「ソウシツ殿。よろしく。」

 

ソウシツ「なかなか…他に無い面白い職場になりそうですな。

このソウシツ。我が商才をかけて、海援隊を黒字が当たり前の

優良企業にしてみますぞ!」

 

 

ソウシツ(統率12、武勇11、知力79、政治89、魅力86)は、

戦国時代・博多の豪商だった島井宗室の前世。海援隊の商売として営業を担っていくことになります。

これらの人々を幹部職員として、5万人の従業員を抱える大会社・海援隊は、

活動を開始していきます。

トサノリョウマの海援隊が長崎に入ったことは、

大和勢力・セゴドンノキチノスケのいる肥後(熊本県)にも伝わります。

熊本要塞…

 

 

セゴドンノキチノスケ「海援隊?なんじゃ、それは?」

 

ゴダイサマ「くわしくはわかりません。

ただ、トサノリョウマが率いる海援隊なる集団が現れてから、

我らの交易での利益が落ちています。

客を奪われているようです。」

 

セゴドンノキチノスケ「客を奪われている?

トサノリョウマは商人(あきんど)になったのか?」

 

ナカムラノハンジロウ「なにが海援隊じゃ!

わしが軍勢を率いて蹴散らしてやるわ!」

 

タテワキコマツ「トサノリョウマは海援隊の兵力は、

1万5000という情報と5万という情報がある。

いったいどういう集団なのか?」

 

セゴドンノキチノスケ「1万5000と5万は、まるで数が違うのう。

正確な情報が無いのと同じじゃ。

正体がわからん以上、今は戦ってはいかん。

様子を見っど。」

 

 

海援隊の出現に警戒したセゴドンノキチノスケは、

肥後(熊本県)より北の地域への侵攻を止め、海援隊の動きにつき、

様子見をすることに決めた。

再び長崎。

トサノリョウマは妻クルシマエヒメと二人で長崎の海を見ていた。

 

 

トサノリョウマ「この長崎の海を北に向かえば、

対馬、そしてその先に伽耶国のある朝鮮半島だな。」

 

クルシマエヒメ「海を越えれば、いっそ関東や奥州に行くより

ずっと近いですね。」

 

トサノリョウマ「長崎から海を西にずっと進んでいけば、

中華の大帝国のある大陸だ。

その大陸をさらに西に行くと天竺(インド)、

ペルシャ、それにローマといった文明の発展した大国がたくさんある。」

 

クルシマエヒメ「そうなんですか?

中華の大帝国があること以外は出雲大社学宮(イズモタイシャマナビノミヤ)

の授業でも習わなかったわ。」

 

トサノリョウマ「海から南にずっとずっと進めば、

フィリピンやインドネシア、それに太平洋の島々がある。

この長崎は、日本(ニッポン)は、海に囲まれ、

海を通じて、世界のいろんな国とつながっておるんだ。」

 

クルシマエヒメ「なんだかすごいわね…

日本(ヒノモト)で神武勢力と大和勢力に分かれて争ってるのが、

とてもバカバカしく思えてくるわ。

 

トサノリョウマ「日本(ニッポン)は海に囲まれた国だ。

そして、海を通じて、世界のいろんな国とつながれる。

武力ではなく、経済活動や文化活動を通じて、世界に平和を広めていくんじゃ。」

 

クルシマエヒメ「リョウマ様は、いつも途方もないことを

考えますね。」

 

トサノリョウマ「面白くするぜ。

日本(ニッポン)の夜明けぜよ!」

 

 

長崎の海に望み世界を見つめるトサノリョウマ。

海援隊の活動は、まだ始まったばかりである…

さて、今回はここまでにしておきますか。

次回から舞台は久しぶりに関東へ!

常陸(茨城県)の地に起こる政変とは!?

次回、

 

第61話「茨城の乱!暗躍する水戸連盟!」

 

歴史の糸を紡ぐのは誰だ!?

ナビゲーターは、アメノウズメでした。