こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

神武征討記の登場人物等はこちら( ・ω・)

 

 

 

 

なお、この物語はフィクションです。

極右、ネトウヨからの批判、誹謗中傷は受け付けません。

本作の著作権は、作者に属します( ・ω・)

それでは、はじまりはじまり~

 

 

この物語は、日本という国の原型を作った一人の

空前絶後の英雄の生涯を描いた物語である。

 

神武征討記

第59話「トサノリョウマの四国統一!そして、海援隊活動開始!」

 

 

熊本平野の戦いで、セゴドンノキチノスケ軍に大敗した

クマモトイナリ・ウサソウリン・リュウゾウジハチマン連合軍。

肥後(熊本県)が大和勢力に奪われ、さらにハヤトヨシヒサが神武軍を離反。

神武軍は大きな打撃を受けることになりました。

筑紫(福岡県)。

ここには、肥後(熊本県)から、数十万人の避難民がヒゴノアツヒメに率いられ避難してきています。

 

 

チクゼンノタマヒメ「肥後(熊本県)がセゴドンノキチノスケに奪われた。

短期的な避難ではなく、数十万人の避難民が長期避難を余儀なくされたということね…」

 

ヒゴノアツヒメ「タマヒメ…ごめんなさい…

ご迷惑をおかけします…」

 

チクゼンノタマヒメ「気にしないで。困ったときはお互い様よ。

我が夫・宰相ダザイテンマンにも報告してあるわ。

神武様も避難者たちの生活再建のためにご尽力下さってるから。

きっと大丈夫よ。」

 

ヒゴノアツヒメ「我が夫・クマモトイナリや他の将兵たちの安否は…」

 

リュウゾウジマサ「チクゼンノタマヒメ様。

我が父・リュウゾウジハチマンが福岡に到着しました!」

 

チクゼンノタマヒメ「まあ!ハチマン!よくぞ、ご無事で!」

 

リュウゾウジハチマン「おお…タマヒメ…

わしの息子のマサが世話になっているようだな…」

 

チクゼンノタマヒメ「そんなことは後よ!

イナリやソウリンは!?」

 

リュウゾウジハチマン「……とりあえず水をくれ。」

 

ヒゴノアツヒメ「水よ。クマモトイナリの安否はわかりますか!?」

 

リュウゾウジハチマン「熊本から飲まず食わずで逃げてきたからな…

クマモトイナリやウサソウリンはまだ来てないのか?

将も兵も散り散りに逃げてきたからな…」

 

リュウゾウジマサ「チクゼンノタマヒメ様!ウサソウリン様が到着されました!」

 

ウサソウリン「はぁ、はぁ…筑紫(福岡県)の福岡に着いたか…

なんとか生き延びられたようだ…」

 

ヒゴノアツヒメ「ソウリン!我が夫クマモトイナリは!?

まさか討ち死にしたのですか!?」

 

ウサソウリン「なに!?イナリのやつは討ち死にしたのか!?」

 

ヒゴノアツヒメ「いや!私があなたに聞いてるの!」

 

ウサソウリン「すまんな…必死に逃げてきた。

他の者のことまで気遣う余裕は無かった…」

 

リュウゾウジマサ「あっ!あの人は!

すごい傷だらけの人が兵の肩を借りてやってきています!

あれはクマモトイナリ様!」

 

ヒゴノアツヒメ「イナリ!よくぞ、無事で!」

 

クマモトイナリ「アツヒメ…無事と言えるかはわからんが…

とにかく生きて帰ったぞ…」

 

チクゼンノタマヒメ「ひどい怪我…すぐに手当を!」

 

クマモトイナリ「ハヤトヨシヒロの隼人十文字斬…

我ながら、あれを受けてよく生きていたと思うな…

ハヤトヨシヒロ…」

 

チクゼンノタマヒメ「あのハヤトヨシヒロ殿が

セゴドンノキチノスケ軍に寝返ったという話…

本当だったのですか…?」

 

クマモトイナリ「この十文字の傷跡が証拠さ…

ちくしょう!俺たちの肥後(熊本県)が!」

 

 

福岡の町には、熊本平野の戦いから帰還した将兵たちを迎える

避難してきた多くの女たちが詰めかけていました。

ある者は夫や父、息子、兄弟の生還を喜び、

また別のある者は、それらの死を悲しむ…

そして、先の見えない避難生活…

熊本平野の戦いは、九州の民たちに大きな傷跡を残しました。

そして、さらに。

神武様の兄・ヒコイツセがいる高千穂王宮…

 

 

ヒコイツセ「宮崎がセゴドンノキチノスケ軍に攻められているだと!」

 

伝令「はっ!敵軍はおよそ5000!

都城を出撃し、日南を攻略!

そのまま宮崎へ侵攻しております!

敵軍の総大将は…

ハヤトヨシヒロ!」

 

ヒコイツセ「ハ、ハヤトヨシヒロ…

本当に裏切ったのか…

あの鬼ヨシヒロが…」

 

側近「ヒコイツセ様!宮崎の防衛に出撃されますか!?」

 

ヒコイツセ「か、勝てるわけがない…

あ、あの隼人の鬼に…」

 

 

ヒコイツセは宮崎の防衛を断念。

日向(宮崎県)のうち、宮崎平野以南は、ハヤトヨシヒロに攻略され、

大和勢力・セゴドンノキチノスケ軍の手に落ちました。

安芸(広島県)神武王宮…

 

 

神武「なかなか厳しい情勢だな…

九州の三分の一以上を大和勢力のセゴドンノキチノスケ軍団に

取られたことになるか…」

 

チチブカネビメ「神武様。九州の諸将。守備兵力では

セゴドンノキチノスケ率いる隼人兵達達に太刀打ちできておりません。

九州の体制の再編が必要かと。」

 

アチタケル「だが、この安芸(広島県)へも、隣国・吉備(岡山県)から、

ヘイケノキヨモリ軍、トクソウノトキムネ軍、それにヘイハチトウゴ水軍が

たびたび侵攻してきている。

我ら十将軍が九州に渡るのも厳しい情勢だ。」

 

サルメノウズメ「神武様。ハヤトイエヒサが面会を求めております。」

 

神武「ハヤトイエヒサが。通せ( ・ω・)」

 

 

ハヤトイエヒサと面会する神武様。

 

 

ハヤトイエヒサ「神武様。我が兄ハヤトヨシヒロが敵に寝返ったとのこと…

このハヤトイエヒサを九州に送ってください!

俺が、裏切り者のハヤトヨシヒロを倒します!」

 

神武「それは…ダメだよ( ・ω・)」

 

ハヤトイエヒサ「なぜですか!?」

 

神武「ハヤトイエヒサ。理由は三つある。

一つは、お前は九州の者たちから裏切り者と思われている隼人の一族。

お前が九州に渡っても、他の者たちがお前を信じてくれず十分な戦いはできないだろう。」

 

ハヤトイエヒサ「軍勢を率いずとも、一人の戦士として、

一兵卒として戦います!」

 

神武「二つ目は、お前は昨年の出雲(島根県)での松江の戦いで、

ジェベと戦い重傷を負った。

おまえ。まだ右手の握力が回復していないだろ?

その右腕では出雲大社学宮(イズモタイシャマナビノミヤ)

の子ども達に武術指導することはできても、

とても、ハヤトヨシヒロやセゴドンノキチノスケ軍のような猛者達とは

戦えない。」

 

ハヤトイエヒサ「うっ…俺の怪我のことを…知っておられたのですか…」

 

神武「三つ目は…これが一番大きい。

兄弟で殺し合うようなことはするな。

俺はお前が実の兄と戦うことを許さない。」

 

ハヤトイエヒサ「じ、神武様…し、しかし…」

 

神武「ハヤトイエヒサ。お前は、俺の息子のタギシミミ達、

大事な子ども達を指導する武術師範だ。

九州のことは気になるだろうが、それは他の者に任せて、

お前は子ども達を立派な武人に育ててくれ。

それが、俺の命令だ( ・ω・)」

 

ハヤトイエヒサ「わかりました…神武様の命に従います。」

 

アチタケル「神武様。とはいえ、九州の体制は?」

 

神武「当面は、九州の諸将に防衛に専念してもらう。

奪われた領土の奪還は、あいつがフリーになった後だ。」

 

サルメノウズメ「あいつ?」

 

神武「四国を統一しようとしている、我が軍で、

最も頼れるあの男さ( ・ω・)」

 

 

舞台は四国へ。

昨年、阿波(徳島県)での中富川の戦いに勝利したトサノリョウマは、

ソガベモトチカ領の土佐(高知県)の諸集落を次々に調略しています。

アキノシンタロウ、サエキノマオらによって、土佐(高知県)の諸集落は、

トサノリョウマに味方するようになり、ソガベモトチカ軍の将兵達も次々に投降。

ソガベモトチカ軍は、高知要塞に6000の兵力で立てこもり孤立無援の状態になっています。

トサノリョウマ軍団の総兵力は投降兵を加え4万9000まで膨れ上がり、

トサノリョウマはそのうちの3万4000を率いて、

高知要塞を包囲していました。

 

 

トサノリョウマ「イタガキシストモ殿。

タイセイショウジロウ殿。

あんたらを歓迎する。」

 

タイセイショウジロウ「捕虜となった我らに対して、

この上ない厚遇を下さり、感謝しております。

これからは、神武様のために誠心誠意働かせてもらいます。」

 

イタガキシストモ「いやぁ。トサノリョウマ殿。

あんたは面白い!

あんたのような男と一緒に天下のために生きることが

できて嬉しく思うぞ!」

 

トサノリョウマ「土佐(高知県)だの、四国だの、

小さな枠で物事を考えるな。

世界の中の日本(ヒノモト)にわしらは生きておるんじゃ!」

 

タイセイショウジロウ「ふふ。わけのわからんことをほたえる

頭のおかしなヤツかと思っていたが、

そなたは真に世界の中の日本(ヒノモト)

なるものを見ておるのだな。

それがしなどとは器が違う。」

 

イタガキシストモ「あんたに教わった。

民のための政治。人民のための国!

これからは、イタガキシストモ、民たちの自由のために生きようぞ!」

 

 

イタガキシストモ【7品】(統96、武89、知79、政74、魅86)と

タイセイショウジロウ【7品】(統74、武56、知89、政93、魅85)が、

神武勢力に仕官しました!

 

 

クルシマエヒメ「リョウマ様。リョウマ様に面会を求めている女がいます。」

 

トサノリョウマ「女?誰じゃ?」

 

クルシマエヒメ「昔のあなたの婚約者よ。」

 

トサノリョウマ「婚約者?俺はエヒメ以外の女と婚約などした覚えはないぞ?」

 

クルシマエヒメ「アコさんよ。ソガベモトチカの娘の。

あなたとの婚礼に日に、私が九州に逃がした人。

思い出した?」

 

 

トサノリョウマ「ああ!そんな人いたなぁ!」

 

 

ソガベモトチカの娘アコと面会するトサノリョウマ。

 

 

アコ「トサノリョウマ様。ご面会の機会を頂き、

ありがとうございます。

私は、アコ。ソガベモトチカの娘でございます。」

 

トサノリョウマ「まともにお会いするのは、もしかして初めてかな?

トサノリョウマです。」

 

アコ「14年前…私はあなた様の妻となれと父から命じられましたが、

クルシマエヒメ様達のおかげで、愛する男とともに九州に逃していただきました。

その折は、ご無礼をいたしました…」

 

トサノリョウマ「まあ、気にするな。親同士が勝手に婚約を進めていただけのこと。

そなたも、愛する者と結ばれて良かった。」

 

アコ「トサノリョウマ様!このような申し出、

勝手なことは承知しております。

ソガベモトチカは神武様に背き、大和勢力に組した大逆の者。

ですが、私の…父でございます!

どうか!どうか命ばかりはお許しください!」

 

トサノリョウマ「アコ殿。俺は、ソガベモトチカ殿を殺す気はないよ。

俺は、あの人と敵対はしたが、将として武人として尊敬している。

なんとか生かしたいと思っている。」

 

アコ「トサノリョウマ様!ありがとうございます!」

 

チョウノコゴロウ「だが、リョウマよ。

命を助けるはいいが、そもそも、ソガベモトチカ。

我らに降るのか?

俺の調べでは、ソガベモトチカは誇り高い武人だ。

勝ち目が無いからと降伏する男とは思えん。」

 

イタガキシストモ「ソガベモトチカ様…殿が率いてる6000の兵もまた、

もとからのソガベモトチカ殿の家臣たち。

彼らは一領具足と呼ばれ、ソガベモトチカ殿にしか従わぬ忠義の者たちだ。」

 

キヘイタイシンサク「我らの兵力は奴らの5倍以上。6倍近い。

戦えば勝つことは明らかだが、覚悟を決めた6000人の一領具足達。

我らもそれなりの被害を被るだろうな。」

 

ムツカイセイ「ソガベモトチカが我らの傘下に入るか、

6000人の将兵を皆殺しにするか…

どちらに進むにせよ、難しい作戦ですね。」

 

ナガオカノハンペイタ「ソガベモトチカに仕えている一領具足達も、

またこの土佐(高知県)に家族がいる者たち。

その家族たちの恨みを買うことにはなるだろう…

戦って勝ってもその後の土佐(高知県)の統治は、また難しくなりそうだな…」

 

アワノケンザン「リョウマ。俺の阿波(徳島県)勢5000と

サヌキノコンピラの讃岐(香川県)勢5000は、お前の指揮に従う。

戦うのか?それとも、戦わずにソガベモトチカの説得を試みるのか?」

 

アキノシンタロウ「戦って圧倒的な力の差を見せつけて降伏するというのが普通の相手だが、

ソガベモトチカと一領具足達は、最後の一人まで戦う覚悟だろう。

一度戦ってしまえば、もう交渉のテーブルにはつくまい。

とはいえ、ただ説得すると言っても、説得に応じる男とも思えんが…」

 

サエキノマオ「トサノリョウマよ。この難しい交渉。

成功させられる者がおるとすれば、トサノリョウマ。お前一人だ。」

 

トサノリョウマ「ああ。俺がソガベモトチカと会い、

説得する。

タイセイショウジロウ殿。難しい役目だが、

あんたはソガベモトチカから信頼されていた男。

ソガベモトチカと俺の直接会談の申し入れをしてきてもらえないか。

ケンゴウイゾウ。ショウジロウ殿の護衛を頼む。」

 

タイセイショウジロウ「わかった。ソガベチカヤス殿を通じて、

会談の折衝をしてこよう。」

 

ケンゴウイゾウ「護衛の任、受けるぜよ。」

 

 

高知要塞内…

 

 

ソガベモトチカ「四国中から、トサノリョウマ軍団の精兵が集まっているというところか。

兵力は我らの6倍近い。

みな、よく付いてきてくれた。命が惜しい者は去るがいい。

俺は、最後までトサノリョウマと戦い。一人でも多くの敵を倒す。」

 

ソガベチカサダ「兄者!もはや命を惜しむ者は我が軍には残っておらん!

一領具足達6000!

最後の一人まで討ち死にする覚悟だ!」

 

ソガベチカヤス「兄者。タイセイショウジロウから、面談の申し出があった。

斬りますか?」

 

ソガベモトチカ「タイセイショウジロウ…あやつとイタガキシストモまで

トサノリョウマに付くとはな…

チカヤス。用件を聞いて折衝してくれ。」

 

 

タイセイショウジロウとソガベチカヤスが折衝し、

交渉の結果、トサノリョウマとソガベモトチカの会談が設定されることとなりました。

高知にて、面談する二人。

トサノリョウマの供は、秘書のムツカイセイ一人。

トサノリョウマは干将の剣はもちろん武器を持っていません。

それに対し、ソガベモトチカの供は、弟の軍師ソガベチカヤス。

ソガベモトチカは帯剣していました。

 

 

トサノリョウマ「ソガベモトチカ殿。

こうして会うのは、5年ぶりか。」

 

ソガベモトチカ「トサノリョウマ。お主、武器を持っておらんのか。」

 

トサノリョウマ「ああ。和睦の話し合いに剣はいらんさ。」

 

ソガベモトチカ「甘いわ!」

 

ムツカイセイ「リョウマさん!」

 

 

トサノリョウマに剣を抜き、切りかかるソガベモトチカ。

トサノリョウマは、酒の入ったヒョウタンをかざし、ヒョウタンの頭が切れます。

 

 

ソガベモトチカ「ふん!

まったく動じておらんな。」

 

トサノリョウマ「まあ、飲もうや。

安心しろ毒など入っておらん。」

 

 

ソガベモトチカに酒を注ぐトサノリョウマ。

その後、トサノリョウマは自分の杯にも酒を注ぎます。

 

 

ソガベモトチカ「俺は…降伏はせぬぞ。

説得など無駄じゃ。」

 

トサノリョウマ「アコ殿に会ったよ。

あんたを生かしてほしいと頼まれた。」

 

ソガベモトチカ「アコ!?我が娘が!

…いや、あやつは、俺に恥をかかせて勝手に逃げた。

もう娘とも思っておらん。」

 

トサノリョウマ「アコ殿は息子、あんたの孫を生んだそうだ。

今、10歳。

あんたは死ぬ気でもいいのかもしれん。

だが、あんたに仕えている6000人の一領具足達にも、

妻子はいるだろう。

あんたの誇りのために、6000人の兵達の家族に

悲しい思いをさせるつもりかね?」

 

ソガベモトチカ「それが…戦じゃ…」

 

トサノリョウマ「そう、それが戦…

だから、戦なんてものは、この世から無くさなきゃいかん。

あんたほど頭の良い人がそんなこともわからんわけはあるまい?」

 

ソガベモトチカ「戦を無くすには敵を滅ぼすしかない。

その敵がお前や神武じゃ。」

 

トサノリョウマ「敵をすべて滅ぼす…

そんなことはできやしない。

敵を殺せば、その家族が恨みを抱き、

その子が成長して、また新たな敵となる。

戦なんてのは、どこかでやめなきゃならんのだよ。」

 

ソガベモトチカ「ならば、貴様が俺に降れ!

そうすれば、戦は終わる!

できまい!自分にできぬことを人にさせようとするな!」

 

トサノリョウマ「なあ、ソガベモトチカ殿。

土佐(高知県)や四国ではなく、天下の、

世界の中の日本(ヒノモト)の話をしようや。」

 

ソガベモトチカ「世界の中の日本(ヒノモト)だと!?」

 

トサノリョウマ「ああ。いいか…」

 

 

この会談に同席したムツカイセイの報告書にはこのときの会談が次のように記載されています。

「トサノリョウマ。ソガベモトチカに対して大いに天下国家を論じる。

ソガベモトチカはただただ驚嘆す。」

また、ソガベチカヤスの日記には、次のように記されています。

「会談ではなく、あれはトサノリョウマの独演会であった。

時に熱く語り、そうかと思えば涙を流す。トサノリョウマの語りを

聞いたもので心動かぬ人間はおそらくいないだろう。」と。

 

 

ソガベモトチカ「トサノリョウマ…あの小便たれの小僧が…

背丈だけでなく、でかい人間になったものだな…」

 

トサノリョウマ「ソガベモトチカ殿。俺はあんたのことを

親父のように思っていた。

今でも、あんたは、土佐(高知県)一の英雄じゃ。」

 

ソガベモトチカ「俺は、神武勢力を裏切って大和勢力についた…

いわば反逆者。大逆の罪を犯した者じゃ。

俺を生かしておくわけには、神武勢力としては行くまいよ。」

 

トサノリョウマ「あんた、俺の話を聞いてたか?

神武勢力も、大和勢力も、そんなものは小さなことだ。

大事なのは、世界の中の日本(ヒノモト)。

世界で一番、平和で誰もが幸福に暮らせる国を作るんじゃ。

それを目指しているのが神武という俺たちの君主さ。」

 

ソガベモトチカ「ふっ。トサノリョウマ。

お前と話していると、四国という島の支配者になることにこだわった俺が、

あまりにもちっぽけに思えてくる。

お前は天を昇る本物の龍…

さしずめ、俺は、鳥なき島の蝙蝠というところか。」

 

トサノリョウマ「蝙蝠には蝙蝠の良さがあるさ。」

 

ソガベモトチカ「そうか…では、この蝙蝠を、

また天下の民のために働かせてくれ。

神武王の名のもとに…」

 

トサノリョウマ「ありがとう。ソガベモトチカ殿。」

 

ソガベモトチカ「残念じゃのう。

お前を、本当に、わしの息子にしたかった。

アコとお前が結婚しておればのう。」

 

トサノリョウマ「そいつは無理だったね。

俺には、クルシマエヒメというたった一人の女がいるからな…」

 

 

ソガベモトチカは神武勢力・トサノリョウマに降伏しました。

大和勢力が保持していた四国の最後の国・土佐(高知県)は、

ソガベモトチカが神武勢力に臣従したことにより、神武勢力の領国に戻りました。

 

 

トサノリョウマ四国統一!

 

 

四国を統一したトサノリョウマは、安芸(広島県)の神武王宮に向かいます。

神武軍軍政局…

 

 

アマノハルカ「ああ!カムイ様って、カッコいいわよね!

カムイ様、独身だし、恋バナ聞かないし、私にもチャンスあるかも!」

 

イズモノオクニ「こら。私たちは、サルメノウズメ様指揮下の軍政官よ。

仕事中に将軍をカッコいいとか言ってんじゃないわよ。」

 

トサノリョウマ「お~い。誰か、サルメノウズメに取り次いでくれんか~?」

 

イズモノオクニ「あら、来客のようね。サルメノウズメ様を

呼び捨てにするとは何者だ?」

 

トサノリョウマ「俺はトサノリョウマじゃ。」

 

イズモノオクニ「トサノリョウマ様!あの四国の軍団長の!」

 

トサノリョウマ「ん?お主、誰かに似ておるな。

会ったことあったか?」

 

イズモノオクニ「わ、私は!軍政局のイズモノオクニであります!

父はヒヨシサンノウ、母はイズモノアキヒメであります!」

 

トサノリョウマ「おお、出雲大社学宮の校長夫妻の娘か!

キレイになったのう!」

 

イズモノオクニ「キレイ!?こ、光栄であります!」

 

トサノリョウマ「サルメノウズメに取り次いでくれ。

神武に会いたい。」

 

イズモノオクニ「は、はい!かしこまりました!」

 

 

トサノリョウマはサルメノウズメの執務室に入っていった。

 

 

アマノハルカ「あら?オクニ、顔が赤いわよ。」

 

イズモノオクニ「あれがトサノリョウマ様!

超カッコいい!ドストライクだわ!」

 

アマノハルカ「おやおや。トサノリョウマ様は既婚者よ。

恋は個人の自由だけど、既婚者と恋愛して他人の家庭を壊すようなことは

するなって、出雲大社学宮でも教わったでしょ。」

 

イズモノオクニ「はぁ~そうよねぇ…

イイ男は、だいたいパートナーいるもんねぇ…」

 

サルメノウズメ「あんた達。執務室内まで聞こえてたわよ。

新人が恋バナばっかしてるなんて、私の指導が疑われるわ。」

 

アマノハルカ「さ、サルメノウズメ様!」

 

サルメノウズメ「トサノリョウマ軍団長提案による

臨時評定を開催します。

宰相ダザイテンマン殿、チチブカネビメ軍師、

アチタケル将軍、その他諸将を神武王宮評定の間に集めなさい。」

 

イズモノオクニ「は、はい!」

 

 

神武王宮で臨時の評定が開催されました。

トサノリョウマ軍団により四国統一の報告の後、

今後の四国の運営体制、そしてトサノリョウマ軍団の行動についての提案が審議されます。

 

 

神武「ふむ。阿波(徳島県)、讃岐(香川県)、

伊予(愛媛県)、土佐(高知県)の4か国を、

今後はトサノリョウマ軍団ではなく、神武軍団の統治国とするか。

この点、宰相府の意見はどうかな( ・ω・)?」

 

ダザイテンマン「九州で薩摩・大隅(鹿児島県)、肥後(熊本県)、

そして日向(宮崎県)南部を失い、また筑紫(福岡県)には、

数十万人の避難民が肥後(熊本県)から避難しております。

財政・食料品等の物資等ひっ迫しており、四国各国からの税収が

入るようになることは、財政面からは助かります。」

 

神武「なるほど。財政的には助かるか。

四国及び九州の防衛の観点から、軍務局の意見は

どうかな( ・ω・)?」

 

アチタケル「四国は平定されました。大和勢力が海を渡って四国に侵攻してくる

状況には現在のところありません。

他方で、九州は最前線となっております。

防衛の観点からは、四国各国は太守に任せ、九州で戦える体制を整えるべきです。

その観点からは、トサノリョウマの提案は理にかなっているかと。」

 

神武「なるほど。では、軍政面。

装備や物資の面からはどうだろうか( ・ω・)?」

 

サルメノウズメ「大和勢力セゴドンノキチノスケ軍団は、

南西の島々を通じて中華の商人とも交易し大きな経済力を持っております。

それに対抗するためには、我が軍も大陸との交易により力を入れる必要があります。

その点からは、トサノリョウマが九州において大陸諸国との交易、

我が領内各国への物資の運送、そして何よりも、肥後(熊本県)を失い生活の糧を

失った民たちに職を与えられる活動をすることは反対すべき理由がございません。」

 

神武「なるほど。最後に戦略面。

参謀本部の意見はどうか( ・ω・)?」

 

チチブカネビメ「我が軍にとって現在の脅威は九州で猛威を振るう、

セゴドンノキチノスケ軍団。

経済力でも、軍事力でも、セゴドンノキチノスケ軍団に対抗できる

新たな体制は戦略的にも有用かと。」

 

神武「なるほど。宰相府、三重臣とも賛成か( ・ω・)

リョウマよ。わしから質問させてくれ。

領地を持たず交易による利益により海を制する軍を率いるというお前の構想。

お前たちが立ち上げる新しい会社なるものに名前はあるのか?」

 

トサノリョウマ「ああ。海援隊じゃ。

海から、この日本(ヒノモト)を助ける民間の力を活かした会社。」

 

神武「海援隊…良い名だ。

よし、俺も海援隊にいくらか出資しよう。

まあ、利益が返って来るのか、損をするのかはわからんがね( ・ω・)」

 

トサノリョウマ「まあ、損をするとしても出資額の限度さ。

それが株式会社というシステムだからな。

多くの人々から出資金を募り、その出資額に応じて、

利益を配当する。出資者としての権利は株式として売買もできる。

そして会社は、資本を集めることで、より大きな活動をしていくことができる。」

 

ショウリュウキ「船が必要ね。昔、私が製造した闘艦。

造船技術の進歩が激しくて、今では軍艦としては旧式になってしまったけど、

交易局から寄贈しましょうか?

私たちが持っているより、リョウマ殿達に使ってもらう方が役立ちそうだし。」

 

ショウリュウキ「おお!そいつはありがたい!

海援隊の最初の船。名は、オテントサマ号と名付けよう!」

 

神武「オテントサマ号?なんじゃ、その名は( ・ω・)?」

 

トサノリョウマ「お天道様…太陽の化身である神武を海から助ける船さ。」

 

神武「なるほど( ・ω・)

トサノリョウマの新会社・海援隊!

その活躍を楽しみにしているぞ!」

 

 

こうして四国を統一したトサノリョウマは四国を離れ、

新たな会社・海援隊を立ち上げ、海から神武勢力、いや日本(ヒノモト)を助ける活動を開始することになった。

海援王トサノリョウマの前人未到の活躍が始まろうとしていた。

さて、今回はここまでにしておきますか。

次回は、

 

第60話「海に望んで~長崎から見た天下」

 

歴史の糸を紡ぐのは誰だ!?

ナビゲーターは、アメノウズメでした。