こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

神武征討記の登場人物等はこちら( ・ω・)

 

 

 

なお、この物語はフィクションです。

極右、ネトウヨからの批判、誹謗中傷は受け付けません。

本作の著作権は、作者に属します( ・ω・)

それでは、はじまりはじまり~

 

 

 

 

 

この物語は、日本という国の原型を作った一人の

空前絶後の英雄の生涯を描いた物語である。

 

神武征討記

第45話「カヤグム!大陸からの使者!」

 

 

ストーリーテラーのアメノウズメでございます。

神武東征編も今回から第3ターン。

神武様が32歳のときのお話となります。

ハヤトヨシヒサが暗殺され薩摩隼人兵1万が大和勢力のセゴドンノキチノスケの元に走る。

トサノリョウマ軍団の讃岐(香川県)の要所・高松要塞もセゴドンノキチノスケに落とされる中、

トサノリョウマは軍師サエキノマオを得る。

トクソウノトキムネ軍団の蒙古騎馬軍による安芸(広島県)への侵攻。

そして、オワリノブヒメとミカワノタケチヨの近畿・北陸・東海・関東を巻き込んだ大戦役。

第2ターンでは、様々なことがありました。

果たして、第3ターンのこの一年はどのような一年になるのか?

物語は、1月2日の安芸(広島県)神武王宮から始まります。

 

 

神武「昨年は各地で大きな戦が相次ぎ、

民も疲弊している。特に蒙古騎馬軍団の略奪を受けた安芸の民達は、

生活も、心身もボロボロにされた。

本年の我が勢力の方針は、外征ではなく、民達を慰撫し、

民達の生活を回復させることに専念したい。

異存ある者はいるか?」

 

トサノリョウマ「第二軍団は内政充実の方針で異論は無い。

まだセゴドンノキチノスケ軍団と戦闘すべき時期ではない。

伊予(愛媛県)と讃岐(香川県)西部の民政を第一として、戦は避けながら、

ソガベモトチカの治める土佐(高知県)で調略を進めよう。」

 

ヒヨシマル「第三軍団。伊賀の奪還にはこだわらず、

伊勢(三重県)、紀伊(和歌山県)の内政に努めます。」

 

オワリノブヒメ「我ら第四軍団は、ミカワノタケチヨらとあれだけの大戦をしたのじゃ。

とても、今年は、戦ができる状態ではない。

尾張(愛知県)、美濃・飛騨(岐阜県)、近江(滋賀県)、越前・若狭(福井県)、

加賀・能登(石川県)の民を休ませるためにも、しばらくは内政に勤しむことにしよう。」

 

神武「ノブヒメ。ミカワノタケチヨにやられた肩の傷は大丈夫か( ・ω・)?」

 

オワリノブヒメ「ふっ。肩に十文字の傷跡が残っておるが、大事ない。

あの三河のタヌキ野郎も、尻が燃えておったし、しばらくは仕掛けて来ぬだろう。」

 

エツノケンシン「第五軍団。越後(新潟県)、越中(富山県)、

上野(群馬県)、下野(栃木県)、下総・常陸(茨城県)、武蔵(埼玉県)の

内政に励もう。

ゲンジノヨリトモから攻めてくることも無さそうだしな。」

 

神武「ケンシン。越後の隣国の岩代(福島県)会津に新しい勢力が生まれたようだが、

何か情報は入ったか?」

 

エツノケンシン「歩兵のみ。剣で戦う集団だったということだが、

俺が越後に戻った頃には、もう越後領内からは退いていた。

戦った部下達の話では、個々の剣術がとても強かったようだ。」

 

神武「会津の剣士集団か・・・引き続き、情報収集を頼む。」

 

チチブカネビメ「神武様。民達の生活を再建していくためには、

多額の費用がかかりますが、我が勢力にはそこまでの資金はございません。

財政の問題を検討する必要があるかと。」

 

神武「戦場となった各国。特に安芸の女達は、心身共に大きな被害を受けている。

物的な支援だけでなく、心理的なサポートも必要だが、それを行うにも金がいるな・・・」

 

サルメノウズメ「神武様。仮に、戦地となった国々の民に減税あるいは免税を行うとしても、

それを補う財源が必要です。

しかし、戦場となっていない九州もまたハヤトヨシヒサを失い民心が安定しておりません。

九州各国にのみ増税するようなことをすれば、民心が離れ内乱あるいは大和勢力への亡命者も出てくるやも知れません。」

 

アチタケル「俺達自身で提供できる労力は提供するとして、

民達に仕事を与え糧を与えるためにも、やはり金はいりますな。」

 

ツチミカドヒメ「う~ん。一度、文明化しちゃうと、

昔みたいに、森で木の実取って、川や海で魚採って自給自足してねって、

わけには、なかなかいかないわよねぇ・・・」

 

カムイ「だが、安芸の民達は、家も田畑も焼かれ、それを立て直していくことは

我らの責任でもあるな。」

 

オワリノブヒメ「安芸だけの問題ではない。

我らの領内の近江・北陸・美濃・尾張も、すべて戦場となって民達に増税などできる

状況ではないわ。

民達の購買力が落ちている以上、商業で賄うにも限界がある。」

 

ヒヨシマル「とはいえ、大和勢力との戦争状態が終了しない限り、

最低限の防衛力は維持する必要もあります。

どこから金を作り出すか・・・」

 

エツノケンシン「・・・内政は・・・難しい・・・」

 

トサノリョウマ「交易をするにも、瀬戸内海が大和勢力に抑えられているからなぁ・・・

日本海を中心に海外とでも交易できればよいのだが・・・」

 

ダザイテンマン「神武様。対馬のソウケ王から使者が参りました。」

 

神武「対馬のソウケ殿から?

対馬・壱岐勢力は、我らにも大和勢力にも属さぬ中立勢力。

いったい、どうした?」

 

ダザイテンマン「使者の口上によれば、対馬に来ている伽耶国の使者に、

我らの領内への上陸を許可して欲しいとのことです。

伽耶国が我らに謁見を求め使いを送ってきておるようですな。」

 

神武「伽耶国・・・朝鮮半島の小国か。使者は日本語は話せるのか?」

 

ダザイテンマン「伽耶国の使者は、日本語も中国語も話せるようです。」

 

神武「ハングルと中国語と日本語の3カ国語が話せるのか。

カッコいいな( ・ω・)」

 

ショウリュウキ「神武。朝鮮半島の伽耶国の使者。用件次第だけど、

我らにとって益になる話かも知れないわね。」

 

神武「せっかく海を渡って、我らに会いたいと来てくれたのだ。

ちょうど神武十将軍も全員そろっているところだし、上陸と謁見を許可すると

ソウケ殿の使者には回答してくれ。」

 

ダザイテンマン「御意。」

 

 

そして、対馬を経て、朝鮮半島の小国・伽耶国からの使者カヤグムが安芸の神武王宮にやってきました。

神武様と謁見するカヤグム。

 

 

カヤグム「神武王。お初にお目にかかります。

私は、朝鮮半島から参りました伽耶国の王女カヤグムと申します。」

 

神武「海を渡り、遠路はるばるよく来てくれた。

余が神武だ。して、どういった用件かな?」

 

カヤグム「我らの住む朝鮮半島は、現在、

高句麗・新羅・百済の三国が強大化し、まもなく三国による統治時代が

訪れようとしております。

我ら伽耶国は、百済とは友好関係にありますが、おそらく、

三国が争えば百済は滅び、高句麗か新羅が朝鮮半島を統一することになるでしょう。

私達の伽耶国は、武力はありませんが、文化はあります。

神武王とは、ぜひ交易を行い、友好国となりたいと考えております。」

 

神武「それは・・・朝鮮半島で戦乱が起こった時は、

我らに朝鮮半島に派兵をしてほしいということか?

それであれば、俺は受けられぬ。

他国の戦争に介入する気はないからな。」

 

カヤグム「いえ。そうではございません。

朝鮮半島で戦乱が起こった時は、我らの伽耶国は滅ぶことになるでしょう。

おそらくは、友好国の百済も・・・

ですが、私達の民を生かしたい。

そのため、もしものときは、伽耶国の民達がこの国に移住していくることを

許していただきたいのです。

それまでは、我ら伽耶国が存続する限り、友好国として、ともに栄えていきたいと

願っております。」

 

神武「伽耶国・・・朝鮮半島からの民の移住か・・・

それはかまわぬが、お前達はそれでよいのか?

将来的に、自分たちの国土を失い、この国に逃れてくることになっても。」

 

カヤグム「人が生きるために必要なものは土地ではありません。

文化です。その文化を守れるのであれば、生まれた土地にはこだわりません。」

 

神武「なぜ、中華の帝国ではなく、我らとの友好を求める?

中華の大帝国であれば、お前達の国を守ってくれることもできるのではないか?」

 

カヤグム「中華の帝国は・・・我らを対等な相手として認めることはありません。

彼らは、自分たちが世界の中心だと考え、それ以外の国を蛮族の国としか見ません。

私達・伽耶国は、朝鮮半島の小さな国ですが誇りがあります。独自の文化があります。

それを否定する大国の下には付けません。」

 

神武「なるほど・・・わかった。伽耶国の王女カヤグム殿。

我らは、伽耶国と友好を結ぼう。」

 

カヤグム「ありがとうございます。神武王。

せっかくですので、手土産がございます。

神武王の家臣には神武十将軍という名将達がいると

対馬のソウケ殿からはうかがっております。

その方々へ、中華の帝国より仕入れた品々を持参して参りました。

どうか、お受け取り下さい。」

 

神武「ほう。それはありがたい。

快く受け取らせてもらおう( ・ω・)」

 

カヤグム「では、まずは、アチタケル殿には、

この方天画戟を。

これは、中華の三國志の時代に最強の武神と呼ばれた

呂布の愛用の武器でございます。

他の装備品もそうですが、この装備品についている宝玉が、

所持者の能力を格段に増加させる力がございます。」

 

アチタケル「こいつは・・・なんとしっくりと来る。」

 

アチタケルは方天画戟を装備した。

アチタケルの武勇が9ポイント上がった!

(武勇99→108)

 

 

カヤグム「サルメノウズメ殿には、この傾国の羽衣はいかがでしょう?

これは、絶世の美女・貂蝉が纏った羽衣で、

装備者の統率・政治を上げ、強化のバフ特技の効果を上げる性能があります。」

 

サルメノウズメ「あら!なんて素敵な羽衣!

似合うでしょ?まあ、このサルメノウズメにふさわしい装備品ね!」

 

サルメノウズメは傾国の羽衣を装備した。

サルメノウズメの統率が4ポイント上がった!

(統率90→94)

サルメノウズメの政治が4ポイント上がった!

(政治95→99)

サルメノウズメの武闘戦舞の戦法効果が20%上昇した!

 

 

カヤグム「軍師であるチチブカネビメ殿には、この白羽扇がよろしいでしょう。

これは、三國志の蜀の軍師・諸葛亮孔明が装備してた逸品で、

装備者の知力を大幅に高めてくれる効果があります。」

 

チチブカネビメ「なんと。これが白羽扇。

これはたいそうな物をいただきまして、ありがとうございます。」

 

チチブカネビメは白羽扇を装備した。

チチブカネビメの知力が10ポイント上がった!

(知力100→110)

 

 

カヤグム「トサノリョウマ殿には、この干将(かんしょう)・莫耶(ばくや)の剣を。

この二対の剣は、干将・莫耶という夫婦が作った古代中国から伝わる名剣でございます。

干将の剣はトサノリョウマ殿ご自身が、莫耶の剣は奥様が使われると良いと思います。」

 

トサノリョウマ「これはすごい名剣だな!

俺が干将の剣を使い、莫耶の剣は妻のクルシマエヒメに与えさせてもらおう。」

 

トサノリョウマは干将の剣を装備した。

トサノリョウマの武勇が7ポイント上がった!

(武勇91→98)

 

 

カヤグム「ヒヨシマル殿には、この斬蛇の剣を。

これは、中華の漢の高祖・劉邦が用いたとされる天下の器がある人物にのみ

装備できる逸品でございます。」

 

ヒヨシマル「おおっ!なんと、わしがそんなすごい剣をいただけるのか!」

 

ヒヨシマルは斬蛇の剣を装備した。

ヒヨシマルの武勇が10ポイント上がった!

(武勇80→90)

 

 

カヤグム「オワリノブヒメ殿は・・・すでに白鳳偃月刀をお持ちですので、

武具ではなく、龍紋緑闘衣を差し上げましょう。

これは、三國志の軍神・関羽の装備していた鎧を女性用装備に

改造した武闘着でございます。

装備者の統率を上げる逸品でございます。」

 

オワリノブヒメ「ほう。なかなかデザインも良いな。

それに動きやすい。」

 

オワリノブヒメは龍紋緑闘衣を装備した。

オワリノブヒメの統率が5ポイント上がった!

(統率98→103)

 

 

カヤグム「軍神と呼ばれるエツノケンシン殿には、

古代中国の戦神・蚩尤(しゆう)の武具である蚩尤剣を差し上げたいと思います。

この剣も装備者の武勇を大幅に上げる逸品でございます。」

 

エツノケンシン「・・・ありがたく、もらっておこう。」

 

エツノケンシンは蚩尤剣を装備した。

エツノケンシンの武勇が9ポイント上がった!

(武勇100→109)

 

 

カヤグム「ツチミカドヒメには、弓をお持ちしました。

前漢の弓の名手であった李広が愛用した弓。

李広弓でございます。」

 

ツチミカドヒメ「あら。これは良い弓だわ。

ありがたく頂戴いたします!」

 

ツチミカドヒメは李広弓を装備した。

ツチミカドヒメの武勇が4ポイント上がった!

(武勇95→99)

 

 

カヤグム「アイヌの戦士カムイ殿。

これもエツノケンシン殿の剣と同じく、古代中国の戦神・蚩尤の武具です。

カムイ殿は大剣を使われるとのことですが、戦斧を扱うこともできますでしょうか?」

 

カムイ「俺は、大剣でも斧でも、どちらでも使える。」

 

カヤグム「それでは、この蚩尤戦斧をお納めください。」

 

カムイ「蚩尤戦斧・・・星々まで砕けそうな素晴らしい武具だな・・・」

 

カムイは蚩尤戦斧を装備した。

カムイの武勇が8ポイント上がった!

(武勇97→105)

 

 

カヤグム「さて、最後は、沖縄のショウリュウキ殿ですね。」

 

ショウリュウキ「私は武具や装備品よりも、書物が欲しいな。」

 

カヤグム「これから、我ら伽耶国の学者達とも交流していただいて、

ぜひ中国語・ハングル・日本語の相互翻訳ができるような語学力を持つ

人材も育成していきたいところですね。

とりあえず、今は、護身用に、この乾坤圏(けんこんけん)をお納めください。」

 

ショウリュウキ「乾坤圏・・・中国の武神・哪吒の武器ね。

ありがたく、いただいておくわ。」

 

ショウリュウキは乾坤圏を装備した。

ショウリュウキの武勇が7ポイント上がった!

(武勇79→86)

 

 

神武「みんな、良い物もらってるなぁ。

俺には、なんかもらえないの( ・ω・)?」

 

カヤグム「神武王とは、これから国と国として、

交易を行わせていただきたいと思います。

大陸には無い物産については、高額で買い取りさせていただきます。」

 

神武「大陸との交易。財政問題の解決にも大いに役立ちそうだな( ・ω・)」

 

カヤグム「あと、神武王が装備するに値するほどの品は入手することができませんでした。

もうしわけございません・・・

あら?そこに飾られている剣は?」

 

神武「ああ、あの剣は、天叢雲剣(あめのむらくものけん)。

俺の曾祖父にあたる天孫ニニギノミコトが、

高天原(たかまがはら)から降臨されたときに、

アマテラス大御神から授けられた三種の神器の一つだ。

まあ、実戦に使えるようにはできなくて、

儀式のときに使うだけだけどね( ・ω・)」

 

カヤグム「よろしければ、少し手に取らせていただいてもよろしいでしょうか?

その剣を実戦で装備品として使用することが可能かも知れません。」

 

神武「う~ん。簡単に触らせてよいものではないが、

せっかくだ。見てもらおうか。」

 

カヤグム「やはり・・・これは伝説の金属ヒヒイロカネで作られた剣・・・

人間が作ったものではない・・・」

 

神武「伝承では、スサノオノミコトが、ヤマタノオロチを倒した時に

現れて、それがアマテラス大御神に献上されたそうだ( ・ω・)」

 

カヤグム「神武王。この剣。実戦で使えるようにいたしましょうか?」

 

神武「むっ?そんなことできるのか( ・ω・)?」

 

カヤグム「我が国の鍛冶の技術者を連れてきております。

数日、この天叢雲剣。私にお預けください。」

 

神武様は、三種の神器の一つである天叢雲剣をカヤグムに預けた。

会談が終わった後、オワリノブヒメら軍団長達はそれぞれの任地に戻っていった。

そして、3日後・・・

 

 

カヤグム「神武王。お納めください。

我が伽耶国の技術者が実戦用に鍛え直した天叢雲剣にございます。」

 

神武「なんと・・・これは。」

 

神武は天叢雲剣を装備した。

神武の武勇が20ポイント上がった!

(武勇100→120)

 

神武「これが・・・真の天叢雲剣の姿・・・

史上最強の武具ではないか!」

 

カヤグム「他の武具とは次元が異なるものですね。

これが神の作りし装備品ということでしょうか。」

 

神武「いや、しかし。伽耶国・・・大陸の技術というのはすごいものだな( ・ω・)」

 

カヤグム「この度、両国の友好関係が築けましたので、

今後は、交易の品だけでなく、織物、陶磁器や鍛冶、鉱山の採掘技術などの、

これまでこの日本(ヒノモト)には無かった技術を持った技術者達も、

この国に連れてきたいと思います。

伽耶国が朝鮮半島に存在する限り、我ら伽耶国は、

神武王の日本(ヒノモト)との友好国となることをお誓い致します。」

 

神武「カヤグム殿。これから、よろしくお願いいたす。」

 

 

こうして、神武様の国は、朝鮮半島の小国・伽耶国と友好関係を結ぶことになりました。

カヤグムは、安芸の神武王宮近くに伽耶国大使としての宮殿を与えられ、対馬のソウケを通じて、

本国との連絡役となることとなりました。

大陸にある伽耶国との交易を通じ、神武様の国は、商業・技術・工芸が発達し、また学問も急激に発展していくことになります。

他方、同じ頃、対馬の船に乗り、畿内に入り大和(奈良県)のオオモノヌシ王宮にも、別の使者が訪れていました。

 

 

ヤマトノショウトク「加羅国の使者よ。

このお方が、ヒメタタライスケヨリヒメ様である。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「苦しゅうない。

面を上げよ。

妾が、この国の女王。ヒメタタライスケヨリヒメである。」

 

ペソジュン「ご拝謁の栄誉を賜り、

恐縮至極にございます。

私は、加羅国の王より全権大使に任じられた

ペソジュンでございます。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「ふむ。加羅国・・・

それはどこにあるのじゃ?」

 

ペソジュン「朝鮮半島の南部にある小国でございます。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「ちょうせんはんとう・・・

それはどこにあるのじゃ?」

 

ヤマトノショウトク「九州より海を渡り、対馬よりさらに北西にある

大陸の半島でございます。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「ふむ。つまり、

この日本(ヒノモト)から見て、日の没する国か。

して、加羅国の使者よ。

日の没する国から、日出る国であるこの大和に何用で参った。」

 

ペソジュン「我ら加羅国から、大陸製の最新鋭の武具・兵器を

購入していただきたい。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「なに?武具・兵器を買えと?」

 

ペソジュン「この倭国は、現在、大和のヒメタタライスケヨリヒメ様の勢力と、

それに刃向かう神武なる奸賊の勢力が争っておると聞いております。

我ら加羅国は、大陸製の強力な武具・兵器を大和の方々に提供し、

大和勢力にこの倭国を統一していただきたい。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「ほう。それは殊勝な心がけじゃ。

褒めてつかわす。」

 

ペソジュン「ありがたきお言葉。

つきましては、我らの提供する武具・兵器をもって、

速やかにこの倭国を統一された暁には、

朝鮮半島に出兵し、我ら加羅国を圧迫する

高句麗・新羅・百済といった朝鮮半島の大国を

倭国の武力によって滅ぼし、朝鮮半島をお救いいただきたい。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「なんじゃと?

朝鮮半島なる日没する国を我らに救えと?

ようは、我らが神武達を滅ぼし、この日本(ヒノモト)を

統一した後、お前達の国のある朝鮮なる大陸の半島に

出兵し、高句麗・新羅・百済なる国々を滅ぼして欲しいということか。」

 

ペソジュン「その通りでございます。

それこそが、正義にかなう道かと。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「ほう。正義とな。見返りは?」

 

ペソジュン「奸賊神武を滅ぼすための最大限の軍事支援。

さらには、交易による莫大な利益。

大陸には、この絹織物や陶磁器のようなものから、

様々な学問・技術、そして、金を生むものがたくさんございます。

それらを、すべて手中にお収めください!」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「ふむ。良かろう。

後のことは、ヤマトノショウトク、ヤマトノアヤタムラマロに任せる。

良きにはからえ!」

 

 

大和勢力に接触する朝鮮半島のもう一つの小国・加羅国。

平和的な友好関係を望む伽耶国と朝鮮半島への武力介入を勧める加羅国。

朝鮮半島の小国群も一枚岩ではないようね・・・

ペソジュンは、加羅国大使として、大和のオオモノヌシ王宮の近くに

屋敷を与えられ、対馬を通じて、大陸からの兵器輸入の仲介をすることになりました。

 

 

ペソジュン「日出る国ねぇ・・・辺境の島国のくせに、

中華の帝国並に傲慢だな。

だが、単純バカな女王様で、神武よりはるかに与しやすそうだ。」

 

 

大使としての屋敷で夜空を一人見ながら、つぶやくペソジュン・・・

 

 

ペソジュン「ヤツらにこの倭国の勝者となってもらい、

我らの祖国・加羅のある朝鮮半島に出兵させる。

俺にとっては、加羅国も伽耶国もどうでもいい。

この倭国の武力を用いて、朝鮮半島に侵攻させ、

百済も、新羅も、高句麗も滅ぼす。

できれば、この倭国にも、共倒れで潰れてもらうのが理想だな。

そして、百済・新羅・高句麗・倭国が潰れた後・・・

俺が、朝鮮半島の王になる!このペソジュンが朝鮮半島を統一する

王として歴史に名を残すのだ!」

 

 

なに!?このペソジュンって、加羅国の男!

自分の祖国のためじゃなくて、自分個人の野心のために大和勢力に近づいたの!?

そして、加羅国・ペソジュンによる大和勢力への武力供与がますます、

神武勢力と大和勢力の争乱を激化させることになっていく・・・

さて、今回は、ここまでにしておきますか。

次回は、

第46話「次世代の胎動!次代を作るのは誰だ!?」

 

歴史の糸を紡ぐのは誰だ!?

ナビゲーターは、アメノウズメでした。