こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

神武征討記の登場人物等はこちら( ・ω・)

 

 

なお、この物語はフィクションです。

極右、ネトウヨからの批判、誹謗中傷は受け付けません。

本作の著作権は、作者に属します( ・ω・)

それでは、はじまりはじまり~

 

 

 

この物語は、日本という国の原型を作った一人の

空前絶後の英雄の生涯を描いた物語である。

 

神武征討記

第39話「狙いは最強の薩摩隼人!衝撃の謀略劇!」

 

 

ストーリーテラーのアメノウズメでございます。

神武東征編が開始してから1年が過ぎました。

神武様は31歳になられています。まず始めに戦況を確認します。

 

神武様の神武軍団の領国は、安芸(広島県)に本国を移し、

日向(宮崎県)、薩摩・大隅(鹿児島県)、肥後(熊本県)、肥前(長崎県・佐賀県)、

筑紫、豊前(福岡県)、豊後(大分県)、周防・長門(山口県)、石見、出雲(島根県)、伯耆・因幡(鳥取県)

の15カ国を領有。その総兵力は、17万という大勢力です。

神武軍のトサノリョウマ軍団は、伊予(愛媛県)、讃岐(香川県)の2カ国を領有し、その総兵力は、2万5000。

神武軍のヒヨシマル軍団は、伊勢・志摩・伊賀(三重県)、紀伊(和歌山県)の4カ国を領有し、その総兵力は3万。

神武軍のオワリノブヒメ軍団は、尾張(愛知県)、美濃・飛騨(岐阜県)、近江(滋賀県)、越前・若狭(福井県)、

加賀・能登(石川県)の8カ国を領有し、その総兵力は、8万。

神武軍のエツノケンシン軍団は、越後(新潟県)、越中(富山県)、上野(群馬県)、下野(栃木県)、

武蔵北部(埼玉県)、下総・常陸(茨城県)の7カ国を領有。その総兵力は、8万。

 

他方、大和軍の勢力は、次のようになっています。

ヒメタタライスケヨリヒメの大和軍は、大和(奈良県)、山城・丹波・丹後(京都府)、和泉・河内(大阪府)の

6カ国を領有。その総兵力は、15万。

ヘイケノキヨモリ軍団は、摂津・播磨・但馬・淡路(兵庫県)の4カ国を領有。総兵力5万。

新たに編成されたトクソウノトキムネ軍団は、吉備(岡山県)を領有し、騎馬軍団5万を含めた総兵力6万。

セゴドンノキチノスケ軍団は、阿波(徳島県)、土佐(高知県)の2カ国を領有し、総兵力2万。

ミカワノタケチヨ軍団は、三河(愛知県)、遠江・駿河(静岡県)、甲斐(山梨県)、信濃(長野県)の

5カ国を領有し、その総兵力は、5万5000。

ゲンジノヨリトモ軍団は、伊豆、相模(神奈川県)、武蔵南部(東京都)、上総・安房(千葉県)の

5カ国を領有。その総兵力は、5万。

 

あら、全軍の総兵力は、38万5000 対 38万5000で互角なのね・・・

それでは、神武東征編第2ターン。開幕!

 

安芸(広島県)神武王宮。

 

 

チチブカネビメ「以上。それでは、本日の評定で決定した

各軍団の今年の軍団方針を再度確認します。

神武軍団・内政充実。トサノリョウマ軍団・人材登用。

ヒヨシマル軍団・領土守備。オワリノブヒメ軍団と

エツノケンシン軍団は、軍団長一任です。

これにて、今年の勢力評定を終えます。」

 

 

評定終了後。

 

 

神武「ハヤトヨシヒサ。今夜は少しゆっくりしていかないか?

弟のヨシヒロやイエヒサと会うのも一年ぶりだろう( ・ω・)」

 

ハヤトヨシヒサ「ゆっくりしたいところではありますが、

実は、早く薩摩(鹿児島県)に帰りたい理由もできまして。」

 

神武「どうした( ・ω・)?」

 

ハヤトヨシヒサ「娘が生まれました。37歳でできた初めての子。

可愛くて仕方がありません。」

 

神武「そうか。それはおめでとう!」

 

ハヤトヨシヒサ「すみませんな。そのような私的なことで、

主君の誘いを断るなど・・・」

 

神武「いや。家庭大事だ!そうか。

鬼の頭領、ハヤトヨシヒサが父親になったか・・・」

 

ハヤトヨシヒサ「今年の軍団方針は内政充実。

土佐から水軍で大和勢力が九州に攻めてこない限りは、

今年一年は、戦場に出ること無く、我が子と過ごせそうです。」

 

 

薩摩王ハヤトヨシヒサは、神武様より6歳年上の37歳。

高千穂争乱編では、神武様の初陣の相手として激しい戦いを繰り広げた名将です。

 

 

ハヤトヨシヒサは、これまで子がありませんでしたが、この前年に妻サツマノハナとの間に、

長女サツマノオヒラが生まれました。

高千穂争乱編では神武様と敵対したハヤトヨシヒサですが、神武様に敗れた後は、神武様の友として、

薩摩・大隅(鹿児島県)2カ国の王として優れた統治能力を発揮していました。

武勇だけでなく、智恵と政略に優れたこの薩摩王を、人々は、『薩摩の賢王』と呼び、

神武軍団の九州統治に欠くことのできない将の一人でした。

薩摩の将兵達の中には、神武様に恨みを抱くものもおりましたが、ハヤトヨシヒサは

その者達の不満もうまく流し、ハヤトヨシヒサがいる限り、薩摩隼人は最強かつ不滅であるとまで

言われていました。

 

他方、同年1月。大和(奈良県)のオオモノヌシ王宮でも、大和勢力の評定が行われていました。

 

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「大和十二神将よ!

この1年間で我らは、神武軍に安芸(広島県)、越前・若狭(福井県)、

加賀・能登(石川県)、下野(栃木県)、下総・常陸(茨城県)、

そして、伊賀(三重県)の9カ国を奪われた。

我が軍が神武軍から奪ったのは土佐(高知県)、阿波(徳島県)の

2カ国のみ。

お前達は、いったい、何をしていたのか!」

 

ヤマトノショウトク「申し訳ございません。

このヤマトノショウトク、総軍師として伏してお詫び申し上げます。

しかし、奪われた国は奪い返せば良いことでございます。

トサノリョウマの本国であった土佐を奪ったことは、

大きな意味があります。

土佐を通じて、船で九州に渡ることも可能となりました。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「九州・・・九州を攻めるのか?」

 

ヤマトノアヤタムラマロ「九州には、鬼と呼ばれる最強の

薩摩隼人どもがおる・・・

そんなヤツらを攻めるためにこの大和本軍は動かせぬ!」

 

キョウノミチナガ「ほっほほ。九州を攻めることなど必要ございませぬ。

むしろ、その薩摩の鬼達を我が軍に引き入れて見せましょうぞ。」

 

ヤマトノショウトク「キョウノミチナガ殿。

土佐のソガベモトチカのようには行きませんぞ。

薩摩のハヤトヨシヒサは、神武の親友とも言うべき男。

あの者を調略で味方につけることなど不可能です。」

 

キョウノミチナガ「味方につけられぬなら消す・・・

それだけよ。」

 

ヤマトノショウトク「暗殺・・・ですか。

しかし、あのハヤトヨシヒサを討てるものがおりますか?」

 

キョウノミチナガ「まあ、ここは、大和十二神将最強の鬼神に

一役買っていただく必要がありますな。」

 

クロウノウシワカ「俺が隼人どもを皆殺しにすればいいか?」

 

キョウノミチナガ「いやいや。隼人兵達は、貴重な戦力。

セゴドンノキチノスケに率いさせる大事な兵達でございますよ・・・」

 

オンミョウジセイメイ「(あ~、ヒマ~!出番の無い会議って、

ホント、早く終わってほしいわぁ。)」

 

ヤマトノショウトク「クロウノウシワカ殿。キョウノミチナガ殿の策に

従ってください。この策は、あなたの武勇が不可欠です。」

 

ヒメタタライスケヨリヒメ「方針は決まったようじゃな。

みな、妾を失望させるな!

励め!」

 

 

薩摩の隼人達を・・・?

いったい、キョウノミチナガはどんな謀略を仕掛けてくるのかしら?

 

その後、九州の薩摩・大隅(鹿児島県)には、不可思議な流言が流れるようになりました。

神武様が隼人を皆殺しにして、薩摩・大隅を直接統治しようとしている、

四国にいる大和十二神将セゴドンノキチノスケが、武勇を誇る薩摩隼人達が神武様に

飼い殺しにされていることを惜しみ、義兵を募っているという流言です。

さらに部隊長クラスの隼人の将達が惨殺される事件が多発します!

流言と頻発する殺人事件により、薩摩・大隅に恐怖が走ります!

ハヤトヨシヒサの宮殿・・・

 

 

ハヤトトシヒサ「長兄。最近の流言と頻発する殺人事件のことですが・・・」

 

ハヤトヨシヒサ「何かわかったか?流言については大和勢力のキョウノミチナガあたりの

計略だろうとは思うが・・・将達を相手にした殺人とは・・・

我が隼人の手練れ達を殺害していくとは、いったい何者の仕業か・・・」

 

ハヤトトシヒサ「長兄。殺人の方は、どうも我が隼人の剣技が用いられているようです・・・

隼人の将兵達の中に犯人がいるやも・・・」

 

ハヤトヨシヒサ「我が隼人軍の中に犯人が?

・・・・・・いずれにせよ、我らも身辺の護衛を強化しておこう。

お前も、護衛は信頼できる者だけで固めよ。」

 

ハヤトトシヒサ「はい。」

 

 

ハヤトトシヒサが退出した後。

娘サツマノオヒラを抱いたサツマノハナがハヤトヨシヒサに話しかけます。

 

 

サツマノハナ「ヨシヒサ様・・・

恐ろしゅうございます・・・

神武様が我が隼人族を滅ぼそうとしているという噂・・・

それに、頻発する殺人事件・・・」

 

ハヤトヨシヒサ「ハナ・・・案ずるな。

神武様が我らを討つことなどあり得ぬ。

それに、殺人犯も、トシヒサが捜査中だ。

じきに犯人は捕まる。何も心配は無い。」

 

サツマノハナ「そうだと良いのですが・・・」

 

サツマノオヒラ「きゃはは。」

 

ハヤトヨシヒサ「おっ。見たか。オヒラが笑ったぞ。

可愛いのう。」

 

サツマノハナ「ふふっ。オヒラはよく笑いますよ。

薩摩の賢王様も、我が子の前では、ただの父親ですわね。」

 

ハヤトヨシヒサ「・・・俺は、これまで戦で他家の息子達を兵として

数多く死なせてきた・・・だが、我が子とは、これほどにかわいいもの・・・

戦で息子や父を死なせた者達は、さぞや俺や神武様を恨んでいるのだろうな・・・」

 

サツマノハナ「あなた・・・」

 

ハヤトヨシヒサ「戦など・・・無い世が良い。

自分が父になって、その思いが強まった。

だが、俺や神武様は戦の無い世を作るために、

戦をしている・・・矛盾だな・・・」

 

サツマノハナ「戦の無い・・・誰もが笑って暮らせる世・・・

早く作りたいですね・・・」

 

 

その夜・・・悲劇はその夜に起こる。

まずは、ハヤトトシヒサの屋敷・・・

 

 

ハヤトトシヒサ「誰だ!?」

 

ナカムラノハンジロウ「3000人将。ナカムラノハンジロウです。」

 

ハヤトトシヒサ「ナカムラノハンジロウか。

こんな夜更けにどうした?」

 

ナカムラノハンジロウ「天誅!!!」

 

ハヤトトシヒサ「な、なんだと!?

まさか!?お前が連続殺人犯!」

 

 

いきなりハヤトトシヒサに斬りかかるナカムラノハンジロウ!

そのすさまじい剣撃は、ハヤトトシヒサを肩から袈裟懸けに斬り、

ハヤトトシヒサは反撃する間も無く絶命した・・・

隼人王家四兄弟の3男・ハヤトトシヒサ絶命。享年33歳・・・

 


セイショウノナゴン「やったわね。ハンちゃん。

さっすが~!」

 

ムラサキノシキブ「これで、隼人の副王の一人が消えましたね。

あとは、隼人の賢王様に消えていただかないとね。」

 

ナカムラノハンジロウ「隼人の王族達は腰抜けじゃ!

神武などに尻尾を振りおって!

わしらは、セゴドンノキチノスケと共に、

天下のための義兵を挙げるんじゃ!」

 

 

 

なんとキョウノミチナガ軍団は、隼人の部隊長クラスの将達を次々と調略。

そして、調略に応じない者は、ナカムラノハンジロウが暗殺するという手法を取っていました!

すでに隼人兵達の大部分がキョウノミチナガに掌握されています。

そして、その夜。さらにハヤトヨシヒサの王宮・・・

 

 

ハヤトヨシヒサ「どうやら・・・招かれざる客が来たようだ。」

 

サツマノハナ「あなた!」

 

ハヤトヨシヒサ「お前はオヒラと一緒に隠れていなさい。

けして出てきてはいけない。

もし、私にもしものことがあったときは、神武様と

我が弟ハヤトヨシヒロを頼れ。」

 

サツマノハナ「あなたにもしものことがあったら!

私も死にます!」

 

ハヤトヨシヒサ「いや。お前とオヒラは、何があっても

生きのびろ。生きてさえいれば・・・

必ず道は開ける。」

 

 

王の間に行くハヤトヨシヒサ。

そして・・・

 

 

ハヤトヨシヒサ「出てこい!

この薩摩王ハヤトヨシヒサが直々に相手をしてやろう!」

 

キョウノミチナガ「ほっほほ。

貴殿が、賢王ハヤトヨシヒサ殿ですな。

それがしは、大和十二神将が一人。

大和軍第二軍師のキョウノミチナガです。」

 

ハヤトヨシヒサ「大和十二神将のキョウノミチナガ。

調略により土佐・阿波をトサノリョウマから奪った男か。」

 

セイショウノナゴン「ふふっ。賢王さん。

あなたの軍の将達は、もうみんな私達の虜よ。

虜にならなかったヤツらは、ハンちゃんがみんな斬っちゃったわ!」

 

ハヤトヨシヒサ「ナカムラノハンジロウ・・・

そうか、お前が我が将達を斬っていた

連続殺人犯だったか・・・」

 

ムラサキノシキブ「あなたの弟のハヤトトシヒサ殿も、

もう黄泉の国に旅立ちました。

あなたはいかがなさいますか?

あなたも黄泉の国に旅立つか?

それとも、民達のために我が大和に仕えるか?」

 

ハヤトヨシヒサ「お前達に俺が殺せるのか?

お前達ごときに?」

 

ナカムラノハンジロウ「天誅!!!」

 

ハヤトヨシヒサに斬りかかるナカムラノハンジロウ!

しかし、王座の後ろから、三人の男が飛び出す!

 

 

ナカムラノハンジロウ「うぉ!?」

 

 

三人の男は、ナカムラノハンジロウの剣をはじき、

瞬く間に叩きのめす!

 

 

ハヤトヨシヒサ「ふっ。俺が、殺人事件が頻発している中、

護衛もつけずに暢気に出てくると思ったか?

その三人は、我が側近の隼人三鬼将。

3000人将程度の貴様が、適う相手ではないぞ!」

 

モリイゾウ「俺は、隼人三鬼将が一人!モリイゾウ!」

 

ムラオ「同じく、隼人三鬼将が一人!ムラオ!」

 

マオウ「隼人三鬼将が一人!マオウ!我らがいる限り、

万の兵をもっても、ハヤトヨシヒサ王は討てぬぞ!」

 

 

隼人三鬼将のモリイゾウ、ムラオ、マオウ!

なんだか飲みたくなってきたわねぇ!

彼らは、個の武勇であれば、ハヤトイエヒサや

ハヤトヨシヒロとでも互角の勝負ができる、隼人軍の猛者中の猛者よ!

 

 

キョウノミチナガ「ほう。モリイゾウ、ムラオ、マオウ・・・

隼人三鬼将ですか。

さすが、賢王ハヤトヨシヒサの護衛。

すごいメンバーですねぇ。」

 

ムラサキノシキブ「この者達・・・とてつもなく強いわね。」

 

セイショウノナゴン「え~。こいつら持って帰りたい!

ねえねえ、私達と一緒に飲まな~い?」

 

マオウ「我らがハヤトヨシヒサ様を裏切る確率は

零パーセントだ。」

 

モリイゾウ「その女達も、それなりの手練れのようだが、

我らの敵ではない。」

 

ムラオ「大和十二神将キョウノミチナガ!

ここが貴様の死ぬ場所だ!」

 

ムサラキノシキブ「調略に乗る相手ではなさそうね・・・

配下に欲しかったわ。」

 

セイショウノナゴン「え~!もったいないけど、

しょうがないわね~!

せんせ~い~!

出番よ~!

やっちゃってくださ~い!」

 

 

そのとき、笛の音とともに、一陣の風が吹いた・・・

そして・・・

 

 

ハヤトヨシヒサ「な、なんという気!殺気や闘気と言うのも、

生ぬるい・・・」

 

キョウノミチナガ「ほっほほ。我らは、しばし鑑賞させていただきましょうか。

芝居の演目は・・・賢王の死。」

 

クロウノウシワカ「まちくたびれたぞ。

で、どれを殺せば良い?」

 

キョウノミチナガ「隼人最強の隼人三鬼将のお三方。

そして、隼人の賢王ハヤトヨシヒサです。」

 

モリイゾウ・ムラオ・マオウ「・・・!」

 

ハヤトヨシヒサ「強き者は、強き者の強さがわかる・・・

あの隼人三鬼将が恐怖で震えている・・・

あのクロウノウシワカという男・・・

強いという言葉で表現できる次元の男ではない!」

 

クロウノウシワカ「なんだ?

久しぶりに戦いがいのある敵が3人も

いたと思ったのに、お前達震えてるのか?

しょうがない。ハンデをやろう。

俺は、右人差し指一本で戦う。

お前らは三人一斉。

それでどうだ?」

 

モリイゾウ・ムラオ・マオウ

「きぇ~~~~~!!!」

 

セイショウノナゴン「きゃっ!すごいバカでかい声!」

 

ムラサキノシキブ「闘気もすさまじく高まっている。

これが噂に聞く、薩摩隼人の猿叫!」

 

キョウノミチナガ「いや、これはすごい気合いだ。」

 

クロウノウシワカ「ふっ。」

 

 

猿叫・・・薩摩隼人の気合いの雄叫び!

三人一斉にクロウノウシワカに斬りかかるモリイゾウ・ムラオ・マオウの三人!

しかし!

 

ムラオ「斬った!いや手応えがない!?」

 

クロウノウシワカ「残像だよ。俺はこっちだ。」

 

ムラオ「ぬぉ!?」

 

クロウノウシワカの人差し指がムラオの額を貫く!ムラオ絶命!

 

 

モリイゾウ「おのれ!」

 

 

モリイゾウのすさまじい剣撃!しかし、斬ったのはまたしても残像!

クロウノウシワカは、モリイゾウの懐に入る!

 

 

クロウノウシワカ「どんな剛剣も・・・当たらなければ敵は倒せん。」

 

 

クロウノウシワカの人差し指がモリイゾウの左胸、心臓付近を貫く!

モリイゾウ絶命!

 

 

マオウ「こ、こんな・・・こんな・・・こいつは・・・人間じゃない・・・」

 

 

怯え震えるマオウの背後に回るクロウノウシワカ!

クロウノウシワカの人差し指がマオウの後頭部を貫く!

マオウ絶命!

 

隼人三鬼将は全滅した・・・

 

 

キョウノミチナガ「さて。あなたを護る三鬼将は全滅しました。

まだ我らに従う気になれませんか?

賢明なハヤトヨシヒサ賢王であれば、犬死にはなさらぬがよろしいでしょう。」

 

ハヤトヨシヒサ「・・・・・・」

 

キョウノミチナガ「お答えは?降伏か?死か?」

 

ハヤトヨシヒサ「俺が、真の軍略家であれば、

大和勢力の内部に入り込み、恥辱に耐えて生きのびるだろう・・・

だが、俺は隼人の王・・・いささか武人の気質が勝っているようだ・・・」

 

キョウノミチナガ「では、ここで死ぬということですね?」

 

ハヤトヨシヒサ「神武、ヨシヒロ、イエヒサ・・・

先に行くことを許せ・・・俺はここまでだったようだ。

だが!」

 

キョウノミチナガ「むっ!」

 

ハヤトヨシヒサ「クロウノウシワカには適わぬが!

大和十二神将キョウノミチナガ!おまえを道連れにする!

きぇ~~~~~!

隼人十文字斬!!!」

 

 

ハヤトヨシヒサに隼人十文字斬で斬りかかるハヤトヨシヒサ!

しかし、キョウノミチナガとの間に、クロウノウシワカが割って入ります!

 

 

クロウノウシワカ「誇り高き武人。隼人王ハヤトヨシヒサよ。

武人の礼だ。俺の技で死ぬがいい!」

 

ハヤトヨシヒサ「ぐっ!」

 

クロウノウシワカ「鞍馬流奥義!鬼霊指弾!!!」

 

 

クロウノウシワカの指先から闘気の込められた弾丸が放たれる!

闘気の弾丸は、ハヤトヨシヒサの胸を貫く!

 

 

ハヤトヨシヒサ「む、無念・・・」

 

 

ハヤトヨシヒサ絶命・・・

隼人の賢王と呼ばれた九州でも最高の将の一人、ハヤトヨシヒサは、

クロウノウシワカの鬼霊指弾に胸を貫かれ、無念の死を遂げた・・・

享年37歳・・・

ハヤトヨシヒサの死は、神武様の日本(ヒノモト)統一を十年は

遅らせることになったと後世では評価されることになる・・・

 

 

サツマノハナ「放して!放して!」

 

セイショウノナゴン「キョウノミチナガさまぁ。

隼人王妃と赤子の王女が隠れてましたわ。

どうなさいますかぁ?」

 

サツマノハナ「ヨシヒサ様!ああ!

ヨシヒサ様が!死んでしまったというの!」

 

ムサラキノシキブ「かわいそうですが、我らがハヤトヨシヒサを殺害したことが

外に漏れては後々の薩摩運営が難しくなります。

斬るべきかと・・・」

 

サツマノオヒラ「びぇ~~ん!」

 

セイショウノナゴン「私、子どもって、嫌いなのよね。

うっさいし。絞めちゃいましょうか?」

 

サツマノハナ「わ、私は、どうなってもかまいません!

どうか!この子だけは助けて!」

 

クロウノウシワカ「・・・・・・」

 

サツマノハナ「なんでも、言うことを聞きます!

どうか!どうかこの子だけは!お情けを!」

 

クロウノウシワカ「・・・赤子と母親は殺すな。

母親が死ぬと子が辛い思いをする。

一生な・・・」

 

キョウノミチナガ「うむ。隼人王妃と隼人王女は、我が軍で保護しましょう。

その方が、セゴドンノキチノスケも隼人兵を従えやすいでしょう。

情ではありません。戦略です。」

 

 

隼人王ハヤトヨシヒサの死亡。そして、隼人王妃サツマノハナの降伏と

薩摩・大隅(鹿児島県)が大和勢力の手に落ちた報は、直ちに安芸(広島県)の神武王宮に届いた・・・

 

 

神武「嘘だ!あのハヤトヨシヒサが!」

 

チチブカネビメ「遺体は、左胸を指先のような細い闘気で貫かれていたようです。」

 

ハヤトヨシヒロ「長兄・・・長兄が死んだ・・・トシヒサも・・・」

 

ハヤトイエヒサ「うおぉぉ~~!長兄~~~!トシヒサ兄ぃ~~~!

敵討ちじゃ~!」

 

チチブカネビメ「何者に殺害されたかはわかりません・・・

ただ、大和勢力の手の者かと・・・」

 

ヤサカギオン「クロウノウシワカだ!クロウノウシワカが、

ハヤトヨシヒサを殺したんだ!

もうダメだ!王宮にいてさえ殺される!

みんな、ヤツに殺されてしまう!

安全な場所なんて、どこにも無いんだ~!!!」

 

神武「おい!ヤサカギオン!落ち着け!」

 

イツクシマオキツシマヒメ「ヤサカギオン殿を別室へ!

フラッシュバックです!山城で1万の将兵が殺された光景が

フラッシュバックしたものと思われます。

ヤサカギオン殿は、長期休養が必要かと・・・」

 

神武「ヤサカギオンはクロウノウシワカの怖さを知ってる・・・

ヤサカギオンはしばらく療養させる!」

 

チチブカネビメ「神武様。薩摩・大隅への対応を。」

 

神武「カネビメ、タケル、ウズメ、そして、ハヤトヨシヒロとハヤトイエヒサ。

これから九州へ渡り、薩摩・大隅の乱を平定する!

留守中の防衛指揮は、キビツモモタに任せる!」

 

チチブカネビメ「御意!」

 

 

神武様の薩摩・大隅への対応は迅速でした。

チチブカネビメ、アチタケル、サルメノウズメ、ハヤトヨシヒロ、ハヤトイエヒサを率い、

3万の軍勢で九州へ。

そして、薩摩へ侵攻。隼人兵1万は、戦うことなく、軍船で四国のセゴドンノキチノスケの元へ

脱出し、サツマノハナ・サツマノオヒラ母子もセゴドンノキチノスケの元へ送られました。

神武様は、ハヤトヨシヒサの葬儀を行い、ハヤトヨシヒロを薩摩・大隅王に任命します。

薩摩・大隅に広がった流言を押さえ、薩摩・大隅の民達の生活を落ち着かせるために、

数ヶ月、神武様は薩摩に滞在することになりました。

さて、今回は、ここまでにしときますか。

次回は、

 

第40話「四国の軍師を求めて~

宇宙の真理を知る男サエキノマオ」

 

お楽しみにね~

ナビゲーターは、アメノウズメでした。