今回、「藤井風くんがカヴァーした」はこちらです。
ごぉ!


  Raindrops Keep Fallin' On My Head - B.J. Thomas
   藤井風(covre)2018/03/20

邦題は「雨にぬれても」.日本でもおなじみの曲です。
キーボードを膝の上にのせて、
鍵盤とおしゃべりするように奏でる、
藤井風スタイル。
なかなか、こんな弾き方をする人はいないでしょう。
実に楽しそう。
(最後、嬉しそうにライブの告知です。
ああ、行きたかったなー…は、置いといて)

この曲は1969(昭和44)年、
作詞ハル・デヴィッド(Hal David)、作曲バート・バカラック (Burt Bacharach)によって誕生しました。
名曲 「Alfie」、同じく「Close to You」
(二曲とも、藤井風1stアルバム初回限定版のピアノカヴァー に収録)など、
その他数々の傑作を生み出したゴールデンコンビです。
日本では、デパートなどで雨の降り初めに店内放送(BGM)として
流れることがある、おなじみの曲ですね。
原曲はこちら。


 Raindrops Keep Fallin' On My Head - B.J. Thomas

ビルボード1970年1月3日から4週連続で1位を獲得、
第42回アカデミー賞でも主題歌賞を受賞、
ビッグヒットとなりました。(多くのミュージシャンがカヴァーしています)
余談ながら、
多分20年くらい前の映像だと思われる(50歳代後半位?)
B.Jトーマス(B.J. Thomas)。
何とかっちょええことか。
往年のロックスターみたいやんか。渋い。ヾ( 〃∇〃)ツ
B・バカラックが作ったこの名曲、
当時、歌うシンガーが二転三転した末に
彼に巡ってきたということです。ラッキー♪

1969年公開のアメリカ映画「明日に向って撃て!」
(原題: Butch Cassidy and the Sundance Kid)のテーマ曲です。

アメリカンニューシネマの代表作です。
かつてアメリカ西部開拓時代に実在した強盗、
ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの2人をモデルに作られました。
アメリカ西部と南米を舞台に、
人生の半ばを過ぎてもなお泥棒を止められない男2人
(ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード)と、
彼らに寄り添う1人の女性(キャサリン・ロス)の
奇妙な三角関係がコミカルかつ、切なく描かれます。
笑いの影に涙があって、西部活劇(ウェスタン)というか犯罪活劇なのだけど、
青春映画(おっさんが主人公ながら)のようなイメージもあるのは、
バカラックの音楽所以かもしれません。
伝説的と言われる美しい自転車シーン、
ここで「雨にぬれても」が流れるのです。


   映画「明日に向かって撃て!」より

この動画においては前半がそのシーン、
後半は逃げる二人のシーンとなっています。
つまり…で、だから振り返るとなおさら、
「雨にぬれても」のメロディがこの上なく切なく響きます。

以上、大まかに背景をお伝えしたうえで、
今回、風くんの和訳について、チラリとふれておきますね。

作品のイメージに合わせて、
風くんらしい意訳(超訳)をしていますね。
例えば、曲調がふっと変わる中間あたりです。

♪But there's one thing I know
けれど一つ分かっていることがある
The blues they send to meet me
気が滅入るような雨に遭っても
Won't defeat me
僕は負けたりしない
It won't be long till happiness steps up to greet me♪
もうすぐ幸せが僕を迎えにくるだろうから
               (訳 東エミさん)    
が…。

「幸せがコンニチハって僕の所に来るまで」
                (訳 藤井風)
 続いてその後も。

♪Crying's not for me
'cause I'm never gonna stop the rain by complaining♪
泣き言はいわないよ
だって文句をいったところで雨は止められないし

↓が…。

涙なんてガラじゃないもん
しかもブツブツ言ったって、
この雨がやむわけじゃなし


 主人公、銀行強盗ブッチとサンダンス…。  
「コンニチハ」とか「ガラじゃないもん」とかとても言いそうにない、
時代に取り残されたアウトローおっさんコンビです。
荒くれものです。
だけど、この自転車のシーンは、
ブッチ(P・ニューマン)とエンタ(K・ロス)が
子供みたいにキャッキャしていて、
本当に微笑ましく、キラキラしています。
だからこそ、その後のラストが切なく泣けてしまう。
実はおっさんコンビ、いじらしいんです。

わたし的に、この風くんの訳は何というか…
その時の登場人物が「降りてきた」ように感じるのです。
贔屓目無しで。
いかがでしょう?

この曲に限らず、
藤井風くん訳は(日本語歌詞を英訳するときも)
リズムをすごく大切にしていて、
韻も踏んでいることが多く、
メロディに乗せやすく組み立てられているなぁと思いますね。
これは想像ですが、風くんの中ではまず音があって、
そこに言葉をのせていく…という感じに
変換しているのかな。

ということで、今回のまとめ
  「B・J・トーマスは渋かった」

…ちゃうかww Σ(ФωФ=ノ)ノ